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  • 2017.1.9
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糸満市の賃貸経営相談1~臭いトラブル~

Q.アパート1階の部屋の換気扇が隣の家の窓と向かい合わせになっており、隣家の住民から換気扇から油のにおいや煙が部屋の中まで流れてきて不快なため、換気扇の設置場所を移動して欲しいとの要望がありました。しかし、設置場所の移動には期間と費用が掛かかる。また、入居者の了承が必要になります。このような隣家からの要望に対して、どのように対応すればよいのでしょうか?

 

悪臭を原因とする隣人トラブルの相談事例です。臭いの問題は、人によって感じ方が違うため、解決が難しいトラブルのひとつです。臭いが不快だからといって、相手方に工事を求める権利が隣人にあるのでしょうか?

実は請求する権利自体は認められる可能性があります。裁判例では、悪臭などの生活環境を害するような行為に対しては、人格権に基づく妨害排除請求ができるとされています。そして、この権利に基づいて悪臭による被害を防止する措置を取るように請求することができます。たとえば、臭いが隣家に向かってこないように換気扇フードの向きを変えたり、壁になるような板を設置する、フィルターを取り付けるといった方法が考えられます。

しかしながら、先述の通り、臭いは人によって感じ方が違います。どんな場合でも妨害排除請求を求めることができてしまっては、相手方に過剰な負担を求めることにもなってしまいます。そこで、受忍限度を超えた場合に限り、人格権に基づく妨害排除請求が認められるとしています。受忍限度の程度は、一般人を基準として検討されるので、被害を申し出ている当事者だけでなく、悪臭防止法などによる規制数値の客観的要素を参考にし、継続性や頻度、当該地における用途などを考慮して判断されます。受忍限度を超えた悪臭と認められるためには、生活環境を著しく侵害するような程度に至っていなければならないと考えられています。

悪臭の程度を計測したうえで、防止措置の必要性を検討することが重要であると思われます。

 

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