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  • 2015.9.21
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編集長の本棚101「アパート・マンション経営」本当に儲かるのは、どっち! ?

副題に、「入居率99%、 500戸を経営するカリスマ オーナー直伝」とあります。 この本の著者さんは、裸一貫 から賃貸経営を始めて、現在 は532戸を個人で所有し、 99.6%(空室が2戸)と いう高い入居率を誇っている と、まえがきに紹介されてい ます。すごいオーナーさんですね。 まず巻頭に「勝てる賃貸経営の極意10カ 条」が紹介されているのですが、そこには、 著者が全編にわたって貫いてる主張が凝縮さ れているようです。

1.建設費用は坪40万以下に

2.RC造で外壁はタイル張り

3.家賃は5%安くする

4.駐車場は戸数の 1.5 ~ 2 倍

5.良いものを安く仕入れる

6.土地 300 坪で 200 万の手取り

7.地元の会社を選ぶ

8.他のアパートに負けない

9.20年で借金を返す

10.不安なら家賃保証

を 項目ごとに説明が書かれていますが、内容は 本書をご確認ください。

さて本書は、読者へのQ&Aという形式で、 著者からの提言が綴られています。いくつか 気になったQ&Aを紹介いたします。 『先祖代々の土地の正しい活用方法は、 賃貸アパート・マンションと平面駐車場ではどっち?』という質問です。もちろん「賃貸 アパート・マンション」ですね。相続税や固 定資産税を考えると、この答えになるでしょ う。日本では、住宅関連しか税制上の優遇措 置はありません。 つづいて『アパマン経営のアドバイスをも らうとしたら、税理士や銀行支店長と賃貸経 営コンサルタントの、どっち?』という質問。 この答えは面白いのですが「どちらも間違い」 です。アドバイスをもらうなら「アパマン経 営の成功者に学べ」と主張しています。机上 の空論より実体験から のアドバイスが勝る、 ということです。

つぎは『賃貸建物を 建てるとき、オーナー として知っておくべき 大切なことは、建設費 用か建物の構造か、どっち?』です。答えは 「どちらも知っておくべき」。その理由は、 賃貸経営にとって建設費用は「仕入」に該当 しますので「より安く」が基本。土地の価格 が坪 20 万円のエリアなら、坪単価 40 万円以 上の建設費はかけないことを目安にする。建 物の構造は、建物の寿命を国が決めています ので、47 年と一番長い鉄筋コンクリート造が ベスト。商売の基本は「良いものを安く仕入 れる」ですから、長持ちするRC造を中堅ゼ ネコンに安く建ててもらうことが、他のアパ マンとの競争に勝ち残る秘訣、とのことです。

つぎの質問は『築10年で空室が発生した ら、家賃を下げるか、維持して乗り切るか、 どっち?』です。答えは「家賃を下げる」で した。築10年を過ぎると、インターネット の検索でヒットしなくなります。

多くのお客 様が「築10年以内」にチェックを入れて探 すからです。なので「築10年の相場より5 %安い家賃設定」を基本とすることを勧めて います。そのためには、仕入を安くしておく 必要があるのです。

『築20年以降の賃貸 経営で正しい対応策は、 家賃をさらに下げる、改 装して家賃をあげ下げす る、のどっち?』という 質問。答えは「リノベー ションして家賃をあげ下げする」。まだ建物 には20年以上の寿命がありますから、家賃 の値下げだけが正しい対応ではありません。

最後の質問は『税金対策で正しいのは、相続税を優先する、固定資産税を優先するの、 どっち?』。著者の答えは「相続税を優先す る」。節税対策には優先順位があり、まず解決すべきは相続税、つぎに固定資産税、所得税対策の順。相続税対策をしなかったら、い ざというとき、土地や財産を国に持っていかれてしまいます。 このように29の質問を通して、「勝てる不動産経営の極意」を伝授しています。 とても勉強になる一冊でした。

 

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