沖縄の不動産

【2025年】公示地価から見る沖縄県における不動産価格の現状と今後

2025年3月18日に国土交通省が発表した沖縄県の公示地価について解説します。国が公表する「公示地価」は、不動産を売買する際に価格の動向を把握するための重要な指標です。

筆者は不動産会社で沖縄県内の物件を日々スクリーニング調査し、また定期的に不動産の相談、売却査定業務を行っています。今回は、2025年最新の沖縄の公示地価からみる不動産価格の現状と今後の動向ついて一般の方々に向け詳しくご説明します。

この記事はトーマ不動産株式会社の當間が制作しました。

2025年沖縄県の公示地価の現状と動向

2025年の沖縄県における公示地価は、住宅地が前年比7.3%、商業地が7.0%、工業地が6.9%と、全国平均を大きく上回る結果となりました。沖縄県は全国でも特に不動産価格の伸びが顕著なエリアです。

用途令和6年変動率 (%)令和7年変動率 (%)地点数 (令和7年)
住宅地7.35.5119
商業地7560
工業地6.99.56

地価が上昇している主な理由としては、インバウンド(訪日外国人観光客)の急増に伴うホテルや店舗開発が活発に進んでいること、また、県内の住宅需要が強く、土地を買いたい人が非常に多いことなどが挙げられます。

特に宮古島市や石垣市では大幅な上昇が続いています。

宮古島市の商業地では前年比17.1%も上昇しており、ホテル建設や飲食店の開業ラッシュが大通りを中心に進んでいるため、今後も地価の高騰が続くと私は考えています。また石垣市でも平得地区で20.3%、荒川地区で19.3%の大幅な伸びを記録しました。

台湾や香港からの観光客の増加が、今後も住宅や店舗の需要を押し上げる見込みです。

都市名用途令和6年変動率 (%)令和7年変動率 (%)地点数 (令和7年)
那覇市住宅地45.927
那覇市商業地4.66.819
宜野湾市住宅地68.29
宜野湾市商業地5.68.37
浦添市住宅地4.35.410
浦添市商業地4.76.74
沖縄市住宅地33.98
沖縄市商業地5.25.75
うるま市住宅地68.16
うるま市商業地5.14.65

全国との比較から見る沖縄の特殊性

東京都中央区銀座ソニービル付近

沖縄の地価上昇率は全国的に見ても非常に高く、東京都や千葉県、福岡県などの主要都市がこれに続いています。

用途令和6年変動率 (%)令和7年変動率 (%)地点数 (令和7年)
住宅地4.15.716032
商業地6.310.48402
工業地4.87.8402
用途令和6年変動率 (%)令和7年変動率 (%)地点数 (令和7年)
住宅地4.34.58172
商業地5.35.71772
工業地9.69.9692

観光客の多い地域では店舗や宿泊施設への投資が活発になるため、土地の価格が高騰しますが、観光需要が少ない地域では空き家が増加し、土地の価値が下がる傾向にあります。沖縄は観光需要が非常に高いため、他の地方と比較しても高い伸び率を維持しています。

一方、観光地としての魅力が低く、人が集まらない地域や、実需が弱い地域では、地価がマイナス傾向にあります。たとえば奈良県(-0.2%)や鹿児島県(-0.5%)などが該当します。

都道府県・都市名用途令和7年平均価格 (円/㎡)令和6年変動率 (%)令和7年変動率 (%)地点数 (令和7年)
奈良県住宅地-△0.3△0.217,746
鹿児島県 霧島市住宅地195,002△0.9△0.6123
鹿児島県 霧島市商業地-△0.4△0.183

奈良県に関しては、宿泊者数がコロナ前の水準を上回る回復を見せ、観光消費額も増加傾向にあります。その反面、実需の弱さが地価動向に影響していると考えられます。また、交通アクセスが悪い郊外地域では需要が低く、地価が下落しやすいとの指摘もあります。

公示地価の意味と沖縄での考え方

地価公示とは、国土交通省が全国の基準地点を調査して毎年発表する土地価格のことで、不動産取引や固定資産税、相続税の計算基準として使われます。沖縄で不動産を売買する際には、この地価公示を基準に価格の妥当性を判断することができます。

地価が上昇すると、土地を売却する際には高い価格で売れる可能性が高まります。また、銀行から融資を受ける際にも有利になるケースがあります。ただし、固定資産税や相続税の支払いが増えるという負担もありますので注意が必要です。

沖縄の不動産価格が今後も伸びる理由と具体的な課題

沖縄県内で地価が上昇している背景には、観光需要増加による店舗やホテル開発案件があります。また県民による根強い住宅需要も背景にあります。

北部ではテーマパーク「ジャングリア」の開発計画も影響しています。

また宮古島など離島リゾートエリアには富裕層向け住宅やセカンドハウス・別荘需要があります。これらにより県内外から住宅購入や投資予約も好調であり、今後も堅調な推移を見込んでいます。

沖縄県の人口は約145万人ですが持ち家率は約45%前後と低く、全国平均61%を大きく下回りワースト1位です。

そのため持ち家取得への潜在的な実需も根強く存在しています。また全国的には人口減少傾向ですが、沖縄県は人口が微増している数少ない地域です。

合計特殊出生率でも全国平均約1.2に対し沖縄県は約1.7と全国トップ水準です。このため筆者としては観光需要と住宅実需、この2点を重視して不動産価格動向を把握するよう努めています。

ジャングリア沖縄とは?

「ジャングリア沖縄」は、沖縄本島北部に計画されている大型テーマパーク開発プロジェクトです。この計画に牽引される形で周辺エリアのインフラ整備が進むことにより、商業施設や賃貸物件への需要拡大が期待され、地価の上昇要因となる可能性があります。同施設は2025年7月25日にグランドオープンを予定しており、周辺エリアの投資機会として注目すべきプロジェクトといえます。

公示地価が上昇する影響(メリットとデメリット)

公示地価が上昇すると、不動産を高く売却できる可能性があります。また、所有している不動産を担保にして金融機関からお金を借りやすくなるというメリットもあります。

一方で、固定資産税や相続税の負担が増えるというデメリットもあります。また、不動産購入時の価格も上昇してしまいます。

特に相続税に関しては楽観視できないため、早めに専門家に相談しておく方が安心できるでしょう。トーマ不動産では、ファイナンシャルプランナー有資格者がご相談に応じています。

初回相談無料で対応しますので、お気軽にご利用ください。

公示地価は1年前の取引価格をベースに評価されています。そのため、現時点での実際の市場価格とはズレが生じる場合があります。

専門家へのヒアリング結果とアドバイス

筆者は住宅メーカー営業担当者や地銀融資担当者との打ち合わせを行いました。

その際、不動産建築価格の高止まりや金利上昇、省エネ基準対応などコストアップ要因について話題になりました。しかしRC造より割安感ある木造建売住宅やファミリー層向け分譲マンションへの子育て世代需要は引き続き堅調との見解でした。

住宅ローン融資について金融機関間競争は激しいですが審査基準に大きな変化はありません。

ただ事業性融資については「ゼロゼロ融資返済困難事業所問題」もあり、一部金融機関では審査基準正常化傾向があります。

一方で属性や財務体質良好な案件への融資姿勢は積極的な印象でした。ただ任意売却案件や裁判所差押え・競売案件、公売案件増加には注意しています。

沖縄県内の固定資産税評価額や相続税評価額も年々増加しています。税理士へのヒアリングでは特に区画整理地区など土地所有者死亡時、多額の相続税納付のためなくなく不動産による換金化をした事例が数件あったとの報告もあります。

ゼロゼロ融資返済困難事業所問題

ゼロゼロ融資返済困難事業所問題とは、政府が新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業や個人事業主に対して提供した無担保・無保証・低金利の融資制度「ゼロゼロ融資」を利用した事業所の中で、経営環境の悪化などにより返済が困難になったケースが相次いだ問題です。これにより、金融機関の不良債権が増加し、国や地方自治体の支援策や制度運営の見直しが求められる状況となっています。

地価上昇による住民生活への影響

また家賃上昇や宮古島など離島で居住先確保困難という問題も起きています。那覇市中心部では月極駐車場不足による「駐車場難民」問題もあります。

さらに観光客増加によるオーバーツーリズム問題も深刻です。駐車場不足による無断駐車・渋滞・騒音・ゴミ投棄・私有地侵入などマナー問題も無視できません。

筆者が2024年不動産査定依頼時に訪問した今帰仁村地主から「もう観光客には来てほしくない」と言われたことが印象的でした。

鉄道網のない沖縄では車移動中心となり道路などのインフラの負担増加につながります。このような課題について観光客自身にも理解と配慮を求めたいところです。

まとめ

2025年の「地価公示」からは、沖縄県の土地価格が前年比7.2%上昇し、全国2位の伸び率を記録したことがわかります。

観光客の増加と県内での住宅需要の高まりが主な理由です。

宮古島市や石垣市などの離島地域では特に顕著で、今後もこの傾向が続く見込みです。

ただし、不動産購入者や土地の所有者にとっては、税負担の増加や生活コストの上昇というデメリットもあります。沖縄県内で不動産を売買する際には、このような情報を事前にしっかり確認し、計画的に進めることが重要です。

沖縄県内不動産の価格動向や、相続税対策などが気になる場合は、トーマ不動産までお問い合わせください。ファイナンシャルプランナーが対応し、初回無料でご相談に応じています。

-沖縄の不動産
-