不動産の査定額が想定より低い……。
そんな時、査定額が正しいのか間違っているのか確かめたくなりますが、一般の人にはかなり難しいかもしれません。
しかし、不動産査定額が安いのには理由があるものです。不動産会社の調査不足や売却方法の違いなど、いくつかの要因が考えられます。
この記事では、査定額が低くなる3つの根本原因を解き明かし、ご自身の不動産を適正な価格で評価してもらうための具体的な対処法を専門家の視点で解説します。
- 不動産査定が相場より安くなる根本原因
- 査定額に納得できない場合の具体的な対処法
- 安い価格で売却する前に知るべき注意点
不動産査定額が安い3つの根本原因

不動産の査定額が想定より安いのには、必ず理由が存在します。
その原因が不動産会社にあるのか、売却方法の違いなのか、それともご自身の相場観とのズレなのか、冷静に見極めることが納得のいく売却への第一歩です。
まずは、なぜその価格が提示されたのか、考えられる3つの根本原因を理解しましょう。
| 原因の種類 | 内容 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 不動産会社の問題 | 担当者の経験不足や物件調査が不十分で、本来の価値が見過ごされている | 査定価格の具体的な根拠を質問し、納得できる説明があるか |
| 売却方法の違い | 市場価格で売る「仲介」ではなく、業者が直接買う「買取」の価格が提示されている | 提示された価格が「買取」か「仲介」か。売却を急ぐ事情があるか |
| 売主の主観 | 「これだけお金をかけた家だから」という思い入れと、客観的な市場価値にギャップがある | インターネットの情報だけでなく、複数社の査定を比較して客観的な相場を把握する |
これらの原因を知ることで、提示された査定額が妥当なのか、それとも交渉や見直しの余地があるのかを判断できるようになります。
不動産会社の調査不足や担当者の能力
査定を行う不動産会社の担当者の経験や知識が、査定額に直接影響することがあります。
特に、地域市場の動向や類似物件の成約事例に関する調査が不足していると、物件の持つ価値を正しく評価できず、相場より低い金額を提示する原因になります。
例えば、経験の浅い担当者は、最新の法改正や近隣での再開発計画といった、将来的な価値上昇につながるプラス要因を見逃してしまうことがあります。
逆に、三井のリハウスのように長年の実績があり、宅地建物取引士の保有率が高い会社の査定は、多くのデータに基づいており信頼性が高い傾向にあります。
査定価格の根拠を詳しく質問し、「周辺のAマンションが3ヶ月前に〇〇円で売れたので」といった具体的な説明ができるかどうかは、担当者の能力を判断する良い材料となります。
提示された金額に疑問を感じたら、まずはその根拠を明確に説明してもらうことが重要です。
現金化が早い買取と市場価格で売る仲介の違い
提示された査定額が、不動産会社が直接物件を買い取る「買取」を前提とした価格である場合、市場価格よりも大幅に安くなります。
不動産売却には、一般の買主を探す「仲介」と、不動産会社が買主となる「買取」の2つの方法があり、それぞれ価格の基準が全く異なります。
買取の場合、不動産会社は買い取った物件にリフォームを施して再販売するための費用や、自社の利益を価格から差し引く必要があります。
ソースによると、このコストは物件価格の2割から4割に達することもあり、結果として買取価格は市場価格の7割以下、時には半額近くまで下がることが一般的です。
査定額1,200万円の物件が500万円で買い取られたという事例も報告されています。
| 比較項目 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格の7割以下 | 市場価格(相場) |
| 売却期間 | 最短数日 | 平均3ヶ月〜11ヶ月 |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要 |
| 売却後の責任 | 責任を問われにくい | 契約不適合責任を負う場合がある |
すぐにでも現金が必要といった特別な事情がなければ、より高い価格での売却が期待できる「仲介」を選択するのが基本です。
物件への愛着と客観的な市場相場とのズレ
長年お住まいになったご自宅には、たくさんの思い出が詰まっていることでしょう。
しかし、リフォームにかけた費用やご自身のこだわりといった個人的な価値が、そのまま市場での評価額に反映されるとは限りません。
このご自身の思い入れと、客観的な市場相場とのギャップが、査定額を「安い」と感じる原因になることも少なくありません。
例えば、500万円をかけて最新式のシステムキッチンに入れ替えたとしても、次の買主がそのデザインを好むとは限らないため、査定額に費用全額が上乗せされることはほとんどありません。
また、インターネットの不動産情報サイトで見かける「売出価格」は、あくまで売主の希望額というケースもあります。
実際に取引が成立する「成約価格」は、そこから値引きされるケースが多いことを理解しておく必要があります。
一度ご自身の思いを整理し、複数の不動産会社から査定を取って比較検討することで、所有する不動産の客観的な価値が見えてきます。
不動産価値を判断する2つの査定方法

不動産査定には、大きく分けて2つの方法が存在します。
それぞれの査定方法が持つ特徴や精度を正しく理解し、目的に応じて使い分けることが、納得のいく売却への第一歩です。
もし提示された査定額に疑問を感じたら、まずはそれがどちらの方法で算出されたものかを確認しましょう。
| 査定方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 机上査定 | 物件情報や周辺の相場データのみで査定額を算出 | 短時間で手軽に価格の目安がわかる | 物件固有の状況が反映されず精度が低い |
| 訪問査定 | 担当者が現地を訪問し、物件の状態を直接確認して査定額を算出 | 物件の詳細を反映した、より正確な査定額がわかる | 日程調整や立ち合いの手間と時間がかかる |
あなたが受け取った査定額が簡易的な机上査定の結果であれば、実際の売却可能額とは大きく異なる可能性があります。
正確な価値を知るためには、次のステップに進む必要があります。
データのみで算出する簡易的な机上査定
机上査定とは、不動産会社の担当者が物件を直接見ることなく、住所、面積、築年数といったデータや、周辺の類似物件の取引事例、公的なデータなどに基づいて算出する査定方法です。
この方法の最大の利点はその手軽さで、ウェブサイトなどでは最短60秒程度で結果を知ることもできます。
とりあえず相場の目安を知りたい、という段階では便利な方法です。
しかし、算出されるのはあくまで概算価格であり、日当たりの良さやリフォームの状況、室内のきれいさといった物件ごとのプラス要素は一切反映されません。
したがって、机上査定の金額だけを鵜呑みにして売却価格を判断するのは大変危険です。
物件の状態を直接確認する正確な訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際にあなたの物件を訪れ、内外装の状態や設備の状況、日当たり、眺望、周辺環境などをプロの目で細かく確認して、より正確な査定額を算出する方法を指します。
査定には1時間から2時間程度の時間がかかり、事前の日程調整や当日の立ち会いが必要になりますが、その分、建物のコンディションやリフォーム履歴といった個別の価値を価格に反映させることが可能です。
担当者と直接話すことで、査定額の根拠を詳しく聞いたり、売却に関する相談をしたりできる点も大きなメリットです。
本気で不動産の売却を検討しているなら、この訪問査定を依頼することが不可欠になります。
安すぎる査定額に納得できない場合の対処法4選

提示された査定額が想定より低いと感じたとき、1社の査定結果だけで売却を判断しないことが何よりも重要です。
納得のいく売却を実現するためには、冷静に情報を集め、客観的な視点で比較検討するステップが欠かせません。
| 対処法 | 向いている人 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 担当者への質問 | まずは話を聞きたい人 | 追加費用がかからない、会社の姿勢がわかる | 担当者の知識や誠実さに左右される |
| 三井のリハウス | 都市部の物件所有者 | 査定の精度が高い、大手ならではの安心感 | 地方の物件には対応できない場合がある |
| イエウール | 地方の物件所有者 | 複数社を比較できる、地域の会社が見つかる | 複数の会社から連絡が来る可能性がある |
ここでご紹介する3つの対処法を実践することで、ご自身の不動産の適正な価値を把握し、自信を持って売却活動を進めることができます。
担当者に査定価格の根拠を詳しく質問
まず行うべきことは、査定を依頼した不動産会社の担当者に、査定価格の算出根拠を詳しく確認することです。
なぜその金額になったのか、プラス評価した点とマイナス評価した点を具体的に質問してみましょう。
例えば、「周辺のどの物件の成約事例を参考にしましたか?」「築年数はどのように価格に反映されていますか?」といった質問が有効です。
誠実な担当者であれば、査定書を示しながら納得できるまで丁寧に説明してくれます。
もし説明が曖昧だったり、納得のいく回答が得られなかったりした場合は、その不動産会社との契約は慎重に検討した方が良いでしょう。
担当者への質問は、追加の費用や手間をかけずに、提示された査定額の妥当性を判断する最初のステップになります。
都市部の物件なら三井のリハウスでの再査定
三井のリハウスは、大手企業として標準的な価格査定の手法を業界で先駆けて導入した経緯があり、査定の正確性に定評があります。
不透明だった不動産業界の近代化を牽引してきた実績は、信頼性の証と言えます。
特筆すべきは、査定額と実際の成約価格のズレが小さい点です。
公開されているデータによると、あるエリアでは売出価格と成約価格の差を示す「価格乖離率」が99%を超えており、これは提示された査定額に近い価格で売却できる可能性が高いことを示しています。
大手企業のため宅地建物取引業法を遵守しており、しつこい営業の心配もありません。
もしお持ちの物件が都市部にあり、信頼できる一社にじっくり相談したい場合は、三井のリハウスでの再査定が有力な選択肢です。
地方の物件なら不動産一括査定サイトイエウールの活用
不動産一括査定サイトとは、一度の物件情報入力で、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるサービスです。
特に、地方の物件を売却する場合に役立ちます。
イエウールは、全国2,300社以上の不動産会社と提携しており、大手だけでなく地域密着型の不動産会社も多数登録されています。
そのため、ご自身の物件があるエリアを得意とする最適な会社を見つけやすいという利点があります。
複数の会社から査定額を取り寄せることで、1社だけの意見に惑わされることなく、客観的な相場観を養うことが可能です。
地方の物件でどの不動産会社に相談すれば良いかわからない場合や、手軽に複数社の査定額を比較したい場合、イエウールの活用が最も効率的な方法です。
まずは自分で土地価格を査定してみるEXCELファイルも配布中
不動産会社によっては「このエリアは得意じゃないから」という理由で、査定額が不正確だったりします。そこで、自分で土地価格を査定できるツールを作りました。昔の不動産屋さんが手作業で査定作業を行うときに使っていた書式をEXCELに落とし込み、誰でも利用できるようにしたものです。※土地価格専用です。
以下からトーマ不動産マガジンの運営元の公式LINEに登録していただくと、ダウンロードしていただけます。土地価格専用ですが、上モノ(建物)価格は固定資産税公課証明書などから推測できます(固定資産税評価額を0.7で割る)。
運営はマーケ担当なので営業なしです
LINE登録で「自分でできる不動産査定書(EXCEL版)」をゲットする
アップライト合同会社(いえとちラボ)が運営しており、トーマ不動産の営業部からの営業連絡はありません。お気軽にお試しください。
低い査定額のまま売却する前の注意点

安い査定額を見て焦ってしまう気持ちはよく分かります。
しかし、その金額で安易に売却を決めてしまうと、後で取り返しのつかない金銭的な問題に直面することがあります。
売却手続きを進める前に、これから解説する3つの重要な注意点を必ず確認してください。
これらのリスクを理解しておくことで、将来の大きな後悔を防げます。
住宅ローン残債を一括返済できないリスク
不動産を売却する際は、売却代金で住宅ローンを完済するのが基本です。
しかし、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態だと、売却しても借金だけが残ってしまう可能性があります。
例えば、住宅ローンの残りが2,000万円ある物件を1,800万円で売却した場合、差額の200万円は自己資金から現金で一括返済しなければなりません。
この資金を用意できなければ、そもそも物件を売却すること自体が困難になります。
売却を検討し始めたら、まずは金融機関に連絡して、現時点での正確な住宅ローン残債額を確認しておくことが不可欠です。
親族間売買で発生する可能性のあるみなし贈与
「みなし贈与」とは、市場価格よりも著しく低い価格で不動産を売買した際に、その差額分が贈与と見なされて、買主側に高額な贈与税が課せられる制度です。
特に親子や兄弟など、親しい間柄での取引は税務署から厳しく見られる傾向にあります。
一般的に、市場相場の8割以下の価格での取引は「みなし贈与」と判断されるリスクが高まります。
例えば、市場価格が3,000万円の土地を息子に1,000万円で売却した場合、差額の2,000万円が贈与と判断される可能性があります。
このケースでは、買主である息子に数百万円単位の贈与税が課されることもあり、良かれと思ってしたことが、かえって相手に大きな負担をかけてしまう結果になります。
親族間であっても、不動産会社による客観的な査定に基づき、適正な価格で取引することが重要です。
譲渡所得税や諸費用を考慮した手取り額の計算
不動産売却で注意すべきなのは、査定額がそのまま手元に残るわけではないという点です。
売却代金からは、仲介手数料や税金といった様々な諸費用が差し引かれます。
この諸費用を計算に入れておかないと、想定していたよりも手取り額が大幅に少なくなり、資金計画が狂ってしまいます。
売却にかかる主な諸費用には、不動産会社に支払う仲介手数料や売買契約書に貼る印紙税、登記費用などがあり、合計で売却価格の4%から6%程度が目安です。
つまり、2,000万円で売却できたとしても、80万円から120万円程度の費用がかかる計算になります。
手取り額を正確に把握するため、事前に主な諸費用を確認しておきましょう。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格の3% + 6万円 + 消費税 |
| 印紙税 | 売買契約書の金額に応じて数万円 |
| 登記費用 | 数万円~ |
| 譲渡所得税 | 売却益が出た場合に課税 |
| その他 | 引越し費用、ハウスクリーニング代など |
不動産会社に査定を依頼する際には、査定額だけでなく、諸費用を差し引いた後の手取り額がいくらになるのか、シミュレーションを依頼することが大切です。
よくある質問(FAQ)

- 査定額を上げるために自分でできる対策はありますか?
-
はい、あります。
大規模なリフォームは費用倒れになるリスクがありますが、室内の印象を良くするためのハウスクリーニングや、庭の手入れは査定額に良い影響を与える対策です。
特に水回りの清潔さや、部屋が明るく広く見えるように整理整頓することは重要になります。
専門の業者に依頼しなくても、ご自身でできる範囲の清掃や片付けを行うだけでも評価が変わることがあります。
- 複数の業者に査定を依頼すると、しつこい営業電話に悩まされませんか?
-
不安に感じられるお気持ちはよくわかります。
残念ながら、会社によっては熱心な営業活動を行う場合があります。
しかし、宅地建物取引業法では、消費者が断っているにもかかわらず勧誘を続けることは禁止されています。
もし営業がしつこいと感じた場合は、「他社と比較検討中なので、こちらから連絡します」とはっきり意思を伝えることが大切です。
信頼できる業者であれば、こちらの意向を尊重してくれます。
- 築年数がかなり古い空き家でも売却できるのでしょうか?
-
はい、築年数が古い空き家でも売却は可能です。
建物の状態によっては、そのまま中古戸建として売るよりも、建物を解体して更地にした方が土地として高く売れるケースもあります。
ただし、解体には費用がかかりますし、固定資産税が変わる可能性も考慮しなくてはなりません。
まずは現状のまま不動産会社に相談し、解体した場合と、しなかった場合の両方の査定額を比較してみることをおすすめします。
- 机上査定と訪問査定では、査定額にどれくらい差が出ますか?
-
机上査定と訪問査定の価格差に、決まった割合はありません。
しかし、一般的には訪問査定の方がより正確な金額が出るため、机上査定の価格から大きく変動することが多いです。
特に、リフォーム履歴や建物の保存状態が良い物件の場合、訪問査定で評価が上がり、査定額が高くなる傾向にあります。
査定額が低いなぜだろうと感じた場合、それが机上査定の結果であれば、訪問査定を依頼することで納得のいく評価が得られる可能性があります。
- 査定価格の根拠として、どのような説明を求めれば良いですか?
-
査定価格の根拠を確かめる際は、「どのようなデータに基づいてこの価格になったのか」を具体的に質問することが重要です。
特に確認すべきは、参考にした周辺の成約事例です。
どの物件が、いつ、いくらで売れたのかを明確に示してもらいましょう。
あわせて、ご自身の物件の立地や築年数、現在の市場動向が価格にどう反映されているのか、プラス評価とマイナス評価のポイントをそれぞれ説明してもらうことで、査定の妥当性を判断できます。
- なぜ不動産の買取は、仲介よりも価格が大幅に安いのですか?
-
不動産買取が仲介に比べて安い主な理由は、不動産会社が再販売を目的として物件を仕入れるからです。
買取った業者は、物件にリフォームや修繕を施し、そこに自社の利益を上乗せして再び市場で販売します。
そのため、買取価格にはリフォーム費用や販売経費、会社の利益などがあらかじめ差し引かれています。
すぐに現金化できるというメリットはありますが、その分、市場価格よりも安い金額での取引となるのが一般的です。
まとめ

不動産査定が安いと感じるのには、不動産会社の調査不足や売却方法の違いなど、必ず理由があります。
この記事では、査定額が低くなる根本原因と、1社の結果だけで判断せず複数の会社に査定を依頼し、客観的な相場を知ることの重要性を解説しました。
- 査定額が安くなる3つの根本原因(不動産会社・売却方法・売主の主観)
- 納得できない場合の具体的な対処法(担当者への質問・複数社での再査定)
- 低い価格で売却する前に確認すべき金銭的な注意点(ローン・税金・諸費用)
提示された査定額に疑問を感じたら、まずは不動産一括査定サイトなどを活用し、複数の専門家の意見を聞くことから始めてみましょう。