「お客様に“お得感”を 感じていただく工夫」
繁忙期も終盤になってきましたが、沖縄のオーナーの皆さまの空き室は埋まりましたでしょうか?3月後半になり、空き室で競争力のない物件(築古や築10年以降、立地の悪い)などは、管理会社からの提案もあり、家賃を下げて再募集することもあるでしょう。
沖縄の繁忙期の2~4月までに決まらない物件は、5月以降のゴールデンウィーク後はさらに反響率が落ち、空き室が長期化しやすいためです。
そこで、今回は「お客様に“お得感”を 感じていただく工夫」について考えてみたいと思います。
甲乙付けがたい商品を前に迷ったとき、ちょっとした理由で「どちらか」を選ぶことがあります。それは、ほんの少しの「お得感」だったりします。オーナー様のお部屋にも、そのような「お得感」を用意しておくのは、空室対策の一手(ひとて)になるはずです。実は、このシリーズで紹介した「カスタマイズできる部屋」も「家具や家電がセットされている部屋」も、「お得感」を与えるのが目的のひとつでした。
お客様が「得をする」ということは、その分をオーナー様が「負担する」というのが前提ですが、その負担分は、空室を早期に埋めるための対策費ということになります。対策費を有効に使って一日も早く部屋を決めよう、という考えですね。では、どのような有効的な使い方があるのでしょうか。
まずは「フリーレント」という使い方です。入居後の最初の1ヶ月から数ヶ月分の家賃をサービスします。最近では、お客様がインターネットで探すときに、最初から「フリーレント物件」という条件をつけることが出来るようになっていますので、オーナー様の貸室がお客様の目に触れやすくなるという利点があります。。
初期費用か室内設備か
つぎに、お客様は「初期費用を少なくしたい」という要望を持っていますが、アンケートを見ると、その要望は年々増しているようです。お金がない人が増えたというより、それが部屋を探すときのトレンドなのかもしれません。初期費用で思い浮かぶのは「礼金と敷金」ですが、こちらもアンケートによると「礼ゼロ・敷ゼロ」で募集する貸室が増えていて、もはや「珍しい」ものではなくなりました。それ以外の初期費用には、前家賃(入居時の日割り分)、火災保険料、保証料(保証会社を使う場合)、鍵交換費用などが必要ですが、それらを含めて「○○○円パック」で入居できるとか「ゼロ円」で入居できる、というサービスがあります。そのサービス分に対策費を活用するというアイデアです。お客様の立場で見てみると、少額で計算しやすい費用で入居できる部屋は、他の物件と比べて魅力的に映ることでしょう。「そんなことまで家主が面倒をみるのか」と考えるよりも、同じ対策費を使うなら「お客様はどれに一番“お得感”を感じるか」という選択の問題です。
最後の活用方法は室内設備です。迷っているお客様に「好きな室内設備が選べる」という条件を提示します。どんな設備が選べるかは対策費の予算によりますが、エアコン、テレビドアホン、浴室乾燥システム、壁に据付けの液晶テレビなどは喜ばれるでしょう。あるいは、ケーブルテレビの使用料(1年分など)やインターネットサービスの使用料(同じく)として活用もできます。
さて いかかでしょう。昔はオーナー様が借主に、このようなサービスをすることは考えられませんでした。今でも、お部屋に競争力があるなら必要はありません。しかし競争力には限界がありますし、同じタイプのライバル貸室と遜色ない状態なら、これらの「お得感」は迷ったお客様の背中を押す決め手となるのではないでしょうか。
これらのことを実行するためにも、賃貸物件の供給過多の時代において大家さん自身が勉強しなければならないと思います。
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