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  • 2016.3.13
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「価値」をあげるか 「家賃」を下げるか①

人がお金を払うのは、その「モノ」に価値があるからです。100円ショップの商品も数百万円の貴金属も変わりありません。

オーナー様の賃貸物件も同様で、その部屋を契約するのは、お客様(借主)が「家賃に見合った価値」を認めたときだけです。入居募集の重要な出発点は、この家賃と価値のバランスを、お客様の視点で正しく評価することです。
オーナー様から時々伺う言葉で「私の物件は○○だから価値がある」というのがあります。ご自身の物件に「思い入れ」があるのは当然ですが、もしかしたらそれは自己満足かもしれません。どうしてもご自分の物件は、「身内びいき」とか「過剰評価」になりやすいものですが、そこに暮らそうとするお客様が「価値を認めるかどうか」が本当の評価ではないでしょうか。

たとえば、6万円の家賃で5年間暮らした借主が退去したとします。この6万円は5年前の適正家賃ですから、このまま原状回復工事だけで貸すなら家賃は下がっているはずです。5年間で建物も設備も古くなっているし、いま6万円位で募集しているライバル物件は、オーナー様の貸室より新しく、設備も整っている可能性が高いからです。このまま貸すなら家賃を下げることを検討すべきですし、家賃を維持するなら5年間で下がった価値を取り戻す必要があります。取り戻すには、設備を替えるか、内装を一新するか、外壁やエントランス等に手を加える等、様々な方法が考えられるでしょう。

では、この適正家賃とは何をもって判断すればよいのでしょうか。お客様である借主が、オーナー様のお部屋のどこに価値を感じるのか考えるとき、秤(はかり)に例えると分かりやすいでしょう。この秤(はかり)には、左側に「立地」「建物」「部屋」「設備」「条件」「サービス」という錘(おもり)があり、右側に「家賃」という錘(おもり)が乗っていて、均衡(バランス)をとろうとしています。

「立地」とは、駅からの所要時間、周辺の施設、人気エリアがどうか。「建物」とは、構造、階数、外観のデザイン、築年数、綺麗に清掃されているか。「部屋」は、間取り、面積、内装、収納、使い勝手のよさ、明るさ、など。「設備」は、エアコン、インターネット、セキュリティ、専用駐車場や駐輪場、ゴミステーションなど。「条件」とは、ペット、楽器、年齢、初期費用や数ヶ月分の家賃サービスなど。最後の「サービス」は、入居者の暮らしやすい環境を「どこまで」追求しているか、ということです。
借主が暮らした5年間で、徐々にこの均衡(バランス)が崩れて、図のように秤(はかり)が右側に傾いたのです。このままで募集すると空室期間が長引きます。そこで秤のバランスを戻す必要がありますが、そのためには左側の錘の「どれか」を重くするか、右側の「家賃」を軽くするか、どちらかの方法しかありません。どちらの方法を主とするかに正しい答えはなく、オーナー様の賃貸経営の目的や考え方によって異なります。

次回つづきます。

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