沖縄県全体の地価は6.6%上昇し、全国平均を大きく上回る活況が続いています。県外からの旺盛な投資や富裕層の資金流入がその理由だといわれています。
商業地については、インバウンドを含む観光客の増加や人流の回復により、+7.3%と前年からさらに上げ幅を拡大させています。
しかし、一般向け住宅地における「頭打ち感」も出てきました。住宅地も6.4%と高い上昇率(全国2位)ではありますが、前年の7.3%からは上昇幅が縮小。この点は気になる傾向です。
建築費の高騰や人手不足のために、土地と建物の総額が一般層の購買限界に近づいています。そこから、一部地域では買い控えや価格停滞感が出ているのだと考えられます。
では、私たちは「沖縄の不動産をいつ売るべきなのか?」。この記事で多角的に検証していきます。
この記事は、2024年にトーマ不動産株式会社の當間が制作し、2026年にアップライト合同会社の立石がリライトしました。
沖縄の不動産売却タイミングは「今が絶対の売り時」とも言い切れない

「沖縄の不動産は今が売り時」という言葉を耳にする機会が増えています。たしかに地価は上昇傾向にあり、売却を検討するには悪くない局面です。しかし、「絶対の売り時」と断言するのは、少し早計かもしれません。売却タイミングは、市場の動向だけで決まるものではないからです。
売却タイミングは「相場」「税金」「事情」の3軸で判断する
売却タイミングを考えるうえで、筆者が実務上もっとも重視しているのが、①相場、②税金、③個人の事情、という3つの軸です。
「相場」は市場全体の価格水準と需給バランスを指します。買い手が多く、物件が少ない局面ほど高値がつきやすくなります。
「税金」は、所有期間によって売却益(譲渡所得)にかかる税率が大きく変わる点です。取得から5年以内の売却は短期譲渡として税率が高く(約39%)、5年超になると長期譲渡として約20%に下がります。
「事情」は、転勤・相続・資金需要など、売り手側のライフステージに関わる要素です。
この3点を考慮し、自分にとっての「売り時」を判断します。
沖縄では地価上昇が続いているが、エリア差と物件差も大きい
2026年の地価公示が発表されました。沖縄県の地価は上昇しているものの、二極化が進行し始めたと考えられています。
本島中北部・西海岸のリゾートエリアなど、観光需要やリゾート移住需要が強い地域では、地価の大幅な上昇が見られました。
また、西海岸の都市型リゾートとして人気の北谷町は住宅地が9.7%と大きく上昇幅を拡大しました。テーマパーク「ジャングリア」が開業した今帰仁村・名護市や、美ら海水族館が立地する本部町では期待感が先行し、特に本部町の商業地は22.1%という突出した上昇率を記録しています。
しかし、工業地については、価格が高くなりすぎたために頭打ち感が出ています。また、那覇市および周辺エリアの住宅地についても、同様の頭打ち感が見られます。
「沖縄の地価が上がっている」とひとまとめにできる局面は終わり、エリアごとの違いをていねいに確認する必要が出てきています。
まずは「高く売りたい」のか「早く売りたい」のかを分けて考える
売却の目標を明確にしておくことが、売却タイミング判断するカギとなります。
「高く売りたい」のか、「早く売りたい」のか。この2つは、同時に両立が難しく、トレードオフの関係にあります。
高値を狙うなら、価格を強気に設定したうえでじっくりと買い手を待つ時間が必要です。
一方、早期売却を優先するなら、相場より少し価格を抑えて反応を見る戦略が現実的です。どちらが正解かは、売り手の状況によって異なります。
沖縄の市場は全体としては底堅いものの、売り急ぎの物件は足元を見られることもあります。「いつまでに売らなければならないか」という期限を自分のなかで整理してから、売り出し価格と戦略を不動産会社と相談するのが、遠回りのようで一番の近道です。
マイホームを売却するときの3つの要因

今、マイホームを持っている人や不動産投資をしている方に、売り時なのかそれともまだ買い時が続くのか、しばらく保有していた方がいいのかを解説していきます。
投資の鉄則として、株や不動産は景気の悪い時に買って、景気の良い時に売るということがあります。
不動産会社やオーナーの間では、東京オリンピックが終わると景気が悪くなるので、その時が売るタイミングという会話もありました。
当時は筆者もそのように考えることもありましたが、予想は外れ、沖縄の不動産価格は顕著に右肩上がりに推移しています。円安ということもあるでしょう。台湾や香港といった地政学的な動きも影響しています。
コロナ禍の頃は、先が見えない状況の中で早めに資産を手放すという選択をした方もいましたが、正解だったかは難しいところです。やはり、最適な売り時を見つけるというのは誰にもわからないと感じます。
また、投資をどれぐらいのスパンで考えるかで、成功にも失敗にもなります。
正直言って、いつ買っていつ売るのかは誰にも分かりません。今は不動産が高く売れるタイミングと考えている場合は売却することもあるでしょうし、しばらく保有することも良いと思います。ただ、データで把握して決断することでタイミングを逃すことはないと思います。
そこで、必ず見ておきたいデータをいくつか紹介したいと思います。
不動産の価格が変動する原因には大きく3つあります。1つは、インフレになると不動産が上昇するということです。
変動要因①インフレにより不動産価格が上昇
インフレになるとその国の通貨の価値が下がることにより、実物資産である不動産を購入するという流れが起きます。将来における現金の現在価値を保全するために、実物資産としての不動産を買うという理屈です。逆にデフレになると不動産価格には下落圧力がかかります。
変動要因②金利が上がると不動産価格が下落
2つ目は、金利の動向です。例えば、金利が上がると不動産の価格は下がり、金利が下がると不動産の価格は上がります。今の欧米を見るとわかりやすいですが、インフレを抑えるために金利を上げ続けている関係で不動産価格は下落傾向になっています。
金利が上がると借入返済の負担が増えるため、不動産を購入する人が少なくなり、不動産価格には下落圧力がかかるという理屈です。逆に、金利が低いままの日本では住宅ローンが0.3%から0.7%の変動金利で借り入れができ、それが住宅価格の高騰につながっています。
変動要因③円安になると不動産価格が上がりやすい
3つ目は、円安になると不動産価格が上がりやすいということです。為替によって不動産価格は左右されますが、円安になると輸入する建築材料価格が上がり、建築コストも上昇します。それが不動産価格を押し上げる原因になります。また、外国人にとっては日本の不動産が安く買えるようになるため、投資マネーが入ってきやすくなります。特にマンション関係は土地勘のない外国人でも買いやすく、売りやすいため、そのような傾向が出やすいと思います。
不動産を売るタイミングは正直わかりません。筆者の個人的な考えでは、ライフプランの中であらかじめ購入する時点で出口戦略としての不動産売却を計画に入れておくことが良いと考えます。
投資家や法人であれば事業計画の中で方針基準を決めておくと良いと思います。
また、一般的には収益物件や事業用物件は、個人で買うのか法人で買うのかで考え方が変わってきます。例えば、個人で買うのであれば、譲渡税の期間により短期譲渡税と長期譲渡税の税制の観点から最低でも5年間は保有し、その後売却することになります。
短期譲渡税は40%、長期譲渡税は20%の分離課税となります。その点、法人保有であれば売却期間は関係なく、どのタイミングで売却しても税率は同じです。また、減価償却の観点からは、減価償却額がゼロになる時期での売却も考えられます。
個人の住宅の売却は投資効率だけでは決められない

個人の住宅の売却は利益の追求よりはライフプランを作成し家族との満足度を追求するのが一番良いと思います。
子供が小さい時には広めのマンションや戸建てに住み、成人や卒業していくと、現在住んでいる物件を賃貸で貸したり売却することで、ライフステージの過ごし方が多様化できます。インターネットでもライフプラン表が簡単にダウンロードできるので、利用してみてください。
ライフ マネー プラン シート (1 年間、10 年間)|マイクロソフト
ライフプラン表を作成してみると、色々気づくことがあります。例えば、子育てから自分の仕事、親の介護といったこともある程度予想できます。習い事や塾、教育費、車の購入支出に関してもある程度可視化することができます。
居住用の不動産に関しては、居住用3000万円特別控除を適用することで譲渡税を最小化し、手取り額を最大化することもできます。
筆者も妻と半年に一度は家族会議でライフプランをすり合わせしています。人生100年時代には、働く環境が大きく変わったり、社会制度の変化に合わせて柔軟にライフスタイルを変えていくことも良いと思います。
日銀の金融政策変更に注意が必要

1つの転換点としては、日本銀行の金融政策によると思います。金融緩和終了に伴い、金利が大きく上昇する見込みがあれば、不動産価格は下落圧力がかかります。この辺りは小さな金利上昇で終わるのか、かなり大きな金利上昇の見込みがあるのかで変わってくると思います。
固定金利の動向は10年物の国債価格に連動し、この部分は徐々に上昇し始めています。この点は不動産価格の下落圧力になる可能性があります。住宅ローンや不動産投資で変動金利で借りている方は、現在のところ不動産価格が下落することはなさそうです。
なぜなら、変動金利は日本銀行の政策金利に連動しており、低く設定されているからです。
予測は難しいが客観的目安も見ておきたい
色々述べてきましたが、経済環境や金融政策は誰にも予測できないという前提で考えると、不動産を売るタイミングは自分自身のライフプランによる位置づけ、または税制上の長期譲渡税になった時期、または減価償却がゼロに近づいた時期が良いかと思います。
不動産売却時期の客観的めやす
- ライフプランから売却時期を考える
- 税制上の長期譲渡になった時点で売却を考える
- 減価償却がゼロに近づいた時期をメドにする
このあたりは法定対応年数を確認したり、税理士と相談することで理解できます。フルローンに近い状態の方は、金利が少しでも上がると借入金返済の精神的圧力を感じやすいと思いますので、あらかじめ出口戦略を考えておくことが良いと思います。
投資物件なら設備更新や修繕時期も目安に
築年数が古いアパートは築15年を超えてくる頃になると、エアコンや給湯器、照明器具、換気扇などの故障が増え、修理費用がかかる傾向があります。また、20年を超えるとオートロックシステム、屋上防水、外壁塗装等の大規模修繕メンテナンスの費用も確保しておく必要があります。
メンテナンスにかかるコストを目安にする、という考え方もあります。
まとめ

不動産は学べば学ぶほど投資リスクが小さくなります。これからも一緒に勉強していきましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
筆者は2009年に糸満市の不動産会社で売買、賃貸、管理、戸建建築営業の勤務経験があり、その後、独立して糸満市を中心に18年の宅建業経験があります。
不動産を売るタイミングについて知りたい方は無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
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わずらわしい営業などは一切ありませんので、その点もご安心ください。


