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国土交通省のサイトを利用した土地価格・相場の調べ方(2024年版)

土地の市場価格を知りたい場合、国土交通省が不動産取引をした人に直接ヒアリングしたデータが活用できます。

上記の不動産情報ライブラリで、膨大な数の取引データと具体的な不動産価格を閲覧することが可能で、データを加工して分析したい人にもおすすめできます。

ただ、少し使いにくいサイトなので、わかりにくいと感じたら次章の解説を読んでみてください。

この記事では市場価格の他に、地価公示や地価調査による価格、相続税路線価、固定資産税路線価などを紹介し、土地価格の調べ方を詳しく説明しました

この記事は宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石が作成しました。

土地価格を今すぐ調べるなら国交省「不動産情報ライブラリ」

まず最初に、実勢価格に近い土地価格を国土交通省等のデータを用いて調べる方法を紹介します。

その際、最近リニューアルした国土交通省の不動産情報ライブラリを利用する方法が便利で確実です。

国土交通省の不動産情報ライブラリには、実際の取引データが多数登録されており役に立つのですが、使い方がややわかりにくいので詳しく解説していきます。

トップページを開いたら、「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」の下にある「データの検索・ダウンロード」ボタンを押すと、都道府県や市区町村地区名を入れる画面になるので、見たいエリアを入力します。

取引時期はデフォルトで最新のものが表示されているはずですが、より古い取引価格情報を表示させることもできます。

入力完了後に右下の「一覧表示」ボタンを押すと、このエリアで該当する取引の情報が表示されます。

「成約価格情報」はレインズの情報で、「不動産取引価格情報」は国土交通省が直接収集した情報です。いずれも信頼のおけるデータなので、どちらを採用しても問題ありません。

デフォルトでは「種類」が「宅地(土地及び土地と建物)」となっています。ここを「土地」に変更すると、土地のみのデータを閲覧できます。

なお、レインズによる成約価格情報は、以下のサイトでも閲覧できます。

この章では、国土交通省が収集した実際の取引価格の検索方法を解説しました。しかし、土地の価格はこれだけではなく、様々な考え方がありますので、引き続き解説を続けていきます。

土地価格の調べ方は1つでなく複雑な要因で決まる

苦い経験ですが、筆者(アップライト合同会社の立石)は会社所有の土地を糸満市(沖縄県)に買取りされたことがあります。実勢価格であれば坪単価約20万円の土地でしたが、鑑定評価による坪単価約13万円で、半ば押し買い状態でした。

このように、土地の価格は1つではなく、見方によって様々な価格が存在します。

鑑定評価とは、土地家屋調査士による評価額のことです。

結局、土地の価格とは何か

我々一般消費者としては「土地の価格は市場における取引価格だ」と考えてしまいがちです。しかし、市町村が課税をするための土地価格もあります。また、その課税に関しても相続税を課税するのか固定資産税を計算するのかによって、土地の評価が変わってきたり、考え方が変わってくることがあります。

土地の価格を考える場合は、少し頭を柔らかくして、様々な見方で、何通りかの土地価格が存在するものだと考えてください。

この記事の後半では実勢価格に加えて、地価公示や固定資産税評価額を確認する方法を解説しています。

土地の価格を決める要因

その土地の価値は、その土地がどれぐらい需要があるのかによって変わってきます。価格査定においては、原則として周りの土地の取引価格等を参照し、また日当たりや道路付けなど、その土地固有の状況も加味して、さらに近隣の開発計画など将来性も加味して価格が決定されます。

個別具体的な土地価格に影響する要因

最初に紹介した国土交通省の不動産情報ライブラリでは、そのエリアの土地の相場的な価格を知ることができます。

それに加えて、土地ごとの個別具体的な状況により価格が変わってきます。一般に不動産の価格査定では、以下のような項目について検討し、価格を調整していきます。

  • 利便性
  • 面積
  • 形状
  • 接道状況
  • 法規制
  • 日当たり

こういった点は、最終的に不動産の価格査定に反映されます。また、眺望や治安、騒音等を勘案することもあります。詳しくは以下の記事で解説しています。

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土地価格を調べるための4つの無料サイト

ここでは、土地価格を調べるその他の方法を解説します。不動産の価格をどういった観点から求めたいのかによって、各サイトを使い分けてください。

公示地価・都道府県地価調査(初心者向け)

国土交通省が実施する地価公示による価格と、都道府県地価調査による価格は、その時点による正常な土地価格を判断するものです。これらは市場の相場とぴったり一致するとは限りませんが、一般の土地取引の指標となります。

□が地価公示、△が地価調査の価格

下記のリンク先「全国地価マップ」の中の「地価公示・地価調査」をクリックすると基準地の価格を閲覧することができます。地図上の四角いマークが地価公示、三角マークが地価調査のデータです。

地価公示や地価調査の価格を1.1倍~1.2倍にすると、実勢価格に相当するといわれています。公示価格を見て「それより1割程度高い価格が今の相場かな」と考えればいいので、初心者にもわかりやすい調査方法といえるでしょう。

相続税路線価

相続税路線価は税務署が所管し、相続税や贈与税を算出する際の基礎として定められています。公示価格の約80%が目安です。

相続税路線価についても、すでに紹介した全国地価マップで閲覧することができます。

上記のリンクから「相続税路線価等」をクリックし、地名を選択すると地図が表示されます。

数字の後ろのアルファベットは借地権割合

この地図に表示されている青色の矢印に載っている数字が相続税路線価です。数字は1,000円単位で表示されているので、例えば31であれば1平米あたりの単価が31,000円ということになります。

実勢価格の求め方

相続税路線価 ÷ 0.8 ≑ 実勢価格

固定資産税路線価

固定資産税路線価は市町村が所管しています。固定資産税評価額の基礎となる数字で、公示価格の約70%が目安とされています。固定資産税路線価についても、すでに紹介した全国地価マップで閲覧することができます。

地域を選んで地図を表示すると、青い矢印の上に数字が載っていますが、これが固定資産税路線価です。固定資産税路線価は平米単価がそのまま記載されています。例えば、45,100なら1平米あたり45,100円と評価されます。

実勢価格の求め方

固定資産税税路線価 ÷ 0.7 ≑ 実勢価格

不動産会社による価格査定額が自分でできるEXCELファイル

不動産会社等による査定額は、一般に取引事例比較法によって求められます。取引事例比較法とは、同一エリア内や条件が類似した近隣エリアにおける取引を事例とし、その事例と査定地を比較することで、価格を算出する方法です。

以下の関連記事内で価格査定の方法を詳しく解説しているほか、自分で土地価格を査定してみることができるExcelファイルを配布しています(無料)。

関連記事

上記のリンク先でExcelのファイルをダウンロードして価格査定を体験してみると、不動産会社が査定を行う仕組みを理解できます。

土地の価格の推移

過去の公示地価の推移は、内閣府による以下の資料で確認することができます。全国の住宅地価格の推移や、三大都市圏について、1980年まで遡って記載されています。

一方、個別具体的な基準値の価格については、以下の方法で閲覧することができます。

過去の地価公示

過去の工事価格や都道府県、地価調査の基準値の価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリから検索することができます。

不動産情報ライブラリを開いたら、「地価の情報をご覧になりたい方」の「データの検索」をクリックしてください。

地域を選択し、「住宅地」をチェックしたら、調査地を選ぶことができます。調査年は昭和45年まで遡ることができます。

昭和45年まで遡ることができる

この機能を利用すると、過去における公示価格を調べることが可能になります。

まとめ

土地の価格は、実勢価格以外にも、地価公示や都道府県地価調査、相続税路線価、固定資産税路線価など、さまざまな価格が存在します。

また、土地の価格はさまざまな要因によって決まるため、単一のデータだけでは正確な判断が難しいこともあります。そのため、土地の価格を調べる際には総合的に判断することが大切です。

国土交通省等のサイトを活用すれば、土地の価格を様々な方法で調べることができます。

より正確な価格査定は、不動産会社に依頼すれば出してもらえます。

主要都市の市街地であれば、しっかりした査定システムを導入し、コンプライアンス体勢も確立している大手不動産会社がおすすめです。

なかでも、査定の正確さで選ぶなら三井不動産リアルティ(三井のリハウス)がベストでしょう。

沖縄県内であれば、トーマ不動産が正確な価格査定をお出しします。AIを活用した査定システムを導入し、精密な土地価格査定を行っています。

トーマ不動産ではFP有資格者が在籍し、税制に関するご相談にも対応しています。

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