糸満市で不動産売却を考えるなら、今はいい時期です。
ここ数年、住宅地・工業地ともに価格がはっきりと上昇している一方、那覇市や浦添市など中心部に比べて「割安感」のある価格が評価されているため、買手もつきやすい状況だからです。
実際、2025年地価公示では大幅な価格上昇が見られた地点もあります。
たとえば、糸満市西崎2丁目は、前年比7.8%増の平米単価約95,700円/㎡。那覇市の価格高騰が周辺エリアに波及した影響で、かなり大幅な地価上昇が見られました(国土交通省「地価公示」)。
また、国道331号の整備により那覇空港や那覇市中心部へのアクセスが大幅に向上。西崎や潮崎などの新興住宅地エリアにはファミリー層の流入が続き、地域全体の需要増を後押ししています。
一方で、価格上昇にともなう「買い控え」や、所得とのバランス問題も出てきており、売り時を見極めることがますます重要になっています。
今ならまだ高値売却が期待できる状況が続いていますが、今後は値上がり幅が落ち着く可能性があるため、そろそろ売り時というタイミングにさしかかっています。
著者情報
この記事は、トーマ不動産株式会社の當間が制作しました。筆者は沖縄県内の物件を毎日200件以上スクリーニング調査し、18年間にわたって糸満市・豊見城市を中心に不動産売買を行ってきました。また糸満市内に不動産を保有しております。その経験と地元ならではの視点で、糸満市の不動産事情と売却のノウハウをお伝えします。
糸満市で不動産を売る前に知っておきたいポイント

糸満市における不動産売却を考える場合、2025年の今はまさにタイミングが重要な転換期です。
理由は、地価上昇が続く一方で、購入側の動向に変化が生じているためです。
具体的には、2025年の糸満市西崎の住宅地は前年比+7.8%、平均単価95,700円/㎡(約31.6万円/坪)という高い伸びを示しました(国土交通省「2025年地価公示」より)。
この水準は伸び率が高いものの、那覇市や浦添市などと比べると「割安感」があり、近年は「手の届く価格の住宅を探している」という層の注目を集めています。
つまり、これまで堅調だった地価上昇トレンドが続いている今は、不動産売却に適したタイミングだといえます。
なお、沖縄県全体の最新地下動向については、以下の記事で解説しています。
なぜ今、糸満市の不動産売却が注目されているのか

糸満市で不動産売却が注目されている理由は、「住宅地・工業地の需要増と地価上昇、そして将来性への期待感」が同時に高まっているためです。
その背景には、住宅地の住環境の向上や工業地の企業需要、交通・生活インフラの整備など、地域全体の発展が複合的に進んでいることがあります。
まず、住宅地については、西崎・潮崎といった西側の区画整理エリアで住環境が格段に向上し、ファミリー層を中心に人口流入が続いています。
国交省「2025年地価公示」によれば、糸満市西崎2丁目の住宅地価格が全国平均を大きく上回る伸びを記録しています。これにより、「今が売り時」と考える不動産オーナーの売却相談も急増しています。
次に、工業地の動向としては、真栄里地区を中心とする産業用地の造成が進行中です。糸満市は那覇空港や那覇港へのアクセスがよく、主要幹線道路(国道331号等)の拡充により、企業の新規立地ニーズが一段と高まっています。
既存の西崎工業団地では供給が追いつかない状況で、真栄里物流団地など新たな産業用地への分譲ニーズが分譲面積を上回っています。
2025年地価調査では、糸満市の工業地価格も前年比+9.1%と大幅に上昇しており、企業進出・雇用創出の観点からも今後の成長が見込まれています。
さらに、交通インフラと生活利便性の向上も大きな追い風です。国道331号の整備や区画整理によって市街地のアクセスが改善され、生活・通勤の利便性が飛躍的に高まりました。結果として、住宅購入者や企業の誘致が加速し、地価や不動産需要を底上げしています。
一方で、糸満市には独自の地域性もあります。これまで内陸部では農業・畜産、沿岸部では漁業が盛んで、地域社会のつながりや土地への愛着が強く、相続土地の売却に消極的な高齢層も少なくありませんでした。
しかし近年は世代交代が進み「資産としての土地を有効に活用したい」という価値観の変化も見られます。こうした社会的背景も売却市場の活発化に寄与しています。
糸満市の不動産市場は住宅地・工業地ともに高い成長率を示し、地域全体の将来性も明るいため、不動産売却を考えるオーナーが増加している状況です。
売却を検討する場合、まずは「正確な査定」から
糸満市の市場は今、売却好機を迎えていますが、地価や需要はエリアや物件ごとに異なります。
少しでも有利に売却したい方は、まず正確な無料査定を活用し、ご自身の資産価値を正確に把握してください。
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別記事で詳しく解説するように、不動産一括査定などを利用した場合、査定額が不正確になりがちです。一括査定を利用すると、不動産会社間の競争が激しくなりすぎて「撒き餌査定」「釣り査定」と呼ばれる、無理な査定額を出す業者が増えてしまうからです。
「金利動向」も売却成功のカギを握る
不動産売却を成功させるための最重要ポイントは、「タイミング」と「情報収集」です。
理由は、不動産価格は景気や需要、社会情勢、そして金融情勢(特に金利)に大きく左右されるためです。
たとえば、住宅ローン金利が低い時期は買い手が増えやすく、物件価格も高値で推移しやすくなります。反対に、金利が上昇すると借り手の負担が増え、需要が落ち込むことで価格が下落しやすくなります。
つまり、今後の金利動向次第で市場環境が変化する可能性も十分考えられるのです。
それに加えて、売却時期を決める際には「自分自身のライフプラン」や「税制上の優遇措置」も考慮する必要があります。
たとえば、譲渡所得税の特例や相続税の非課税枠などを活用すれば、売却時の税負担を大幅に軽減できる場合があります。さらに、物件の築年数や修繕時期も資産価値に影響するため、売却前の状態確認と早めの準備が大切です。
こういった税制のしくみについては、トーマ不動産までお問い合わせいただければファイナンシャルプランナー有資格者がわかりやすくご説明します。
お問い合わせ|トーマ不動産
まず正確な査定で資産価値を把握し、次にライフプランを踏まえた計画を立て「いつ売るべきか」を検討してみましょう。
トーマ不動産ではしつこい営業など一切ありませんので、落ち着いて売却タイミングを考えていただくことができます。
人気エリアと売れやすい物件の傾向

筆者の経験から糸満市の中でも特に人気が高いのは、西崎・潮崎・真栄里などの西側エリアです。
これらの地域は区画整理が進み、新興住宅地としてファミリー層や移住者からの注目度が非常に高いのが特徴です。
西崎は公園や商業施設が充実しており、子育て世代にとって住みやすい環境が整っています。潮崎町は市役所やショッピングモールの開業で利便性が向上し、真栄里も自然と住宅街が調和した住環境が魅力です。
また、オーシャンビューの土地も県外からの移住者やアジア系の外国人に人気があり、特に潮崎エリアでは地価上昇が顕著です。主に実需よりもリゾート性や投機的な動きも見られます。
一方で、旧来の集落や市街地から離れたエリアは都市計画法上、住宅建築に対して制限があることや医療、学校・保育所等の整備が弱いため需要がやや弱い傾向にあります。
中古戸建・土地・マンションの最新相場

糸満市で不動産売却を成功させるには、物件タイプごとの最新相場を正しく知ることが第一歩となります。
糸満市は市内でもエリアによって相場や成約状況が大きく異なり、「思い込み」で価格設定すると売却が長期化したり、手取りが減るリスクがあるためです。
たとえば、同じ「糸満市内」でも西崎や潮崎の人気エリアは成約価格が高く、一方で郊外や市街化調整区域は相場が大きく下がります。下記に2025年時点の主要データを整理しましたので、ぜひご参照ください。
糸満市の不動産売却「物件タイプ別の最新相場」
次に、地価公示や地価調査のような公的データだけではわからない、マンションや戸建て住宅の価格動向を含めた、物件タイプ別の相場情報を見ていきましょう。
マンションに関しては、西崎や潮崎などの新興住宅地が中心になります。
中古戸建
糸満市の中古一戸建ての平均価格は約3,694万円(2025年、REINS・取引事例等による)です。
築浅物件は坪単価112~120万円が目安ですが、築年数が古い場合は土地値が中心となり大きく下落する傾向が強まります。特に沖縄の住宅は鉄筋コンクリート造が主流のため、定期的な保守を怠ると耐久性が落ち、資産価値の低下につながります。
土地
糸満市の住宅地平均坪単価は約27.7万円、全体平均は約31.6万円(2025年地価公示)です。
西崎・潮崎などの人気エリアでは坪単価50万円超もありますが、市街化調整区域の真壁・米須・摩文仁などは坪単価10万円台まで下がるケースもあり、エリアごとの落差が非常に大きいのが特徴です。
分譲マンション
分譲マンションの平均売却価格は約3,150万円(70㎡換算)、坪単価は148~156万円、㎡単価は約45万円/㎡が直近の標準です。
2024年~2025年にかけては一時的な頭打ち傾向も見られますが、過去3年で約12.8%の上昇を記録しています(REINS成約事例より)。
エリアと物件の特性を理解したうえで売却を
このように、糸満市における不動産売却成功には「エリア別・物件別の適正相場をきちんと調べる」ことが欠かせません。
相続物件の場合は、「築年数・修繕歴・立地」など個別要因で価格が大きく変わりますし、築浅マンション、一戸建ての場合も、立地条件が相場を大きく左右します。
そこで、糸満市内の不動産売却を検討する場合、エリアに詳しい不動産会社に相談することも不可欠といえるでしょう。
不動産売却の流れと必要な準備
不動産を売却する流れは以下の通りです。県内でも県外でも、手順に違いはありません。
査定依頼(複数社に依頼)
不動産会社に査定を依頼し、相場価格を把握します。机上査定と訪問査定があり、訪問査定の方が正確です。
媒介契約の締結
査定結果を比較し、信頼できる不動産会社と媒介契約を結びます。専任媒介契約と一般媒介契約があります。
売却活動開始
販売価格を決定し、広告掲載や内覧対応を行います。価格調整が必要な場合もあります。
売買契約締結
購入希望者と条件交渉を行い、合意後に売買契約を締結します。手付金を受領します。
決済・引き渡し
残代金の決済と同時に所有権移転登記を行い、鍵の引き渡しで売却完了となります。
必要書類
権利証(登記識別情報)、固定資産税納税通知書、建築確認済証・検査済証(あれば)、測量図・境界確認書(あれば)、管理規約(マンションの場合)、重要事項に関する調査報告書(あれば/不動産会社に手配依頼も可)、身分証明書、印鑑証明書など
売却期間
売出しから成約まで、一戸建ての場合3か月から半年、土地の場合3か月から1年程度をめやすとしますが、個々の物件によりかなり差があります。
売出し前の価格査定から媒介契約(仲介契約)までの期間は1週間から1か月程度。また契約後、残金決済や物件引き渡しまでに1~2か月かかることも多く、売り出してから売却完了までの期間は意外と長くなります。
加えて、売却期間は立地条件、価格設定、市場動向に大きく左右されます。余裕を持ったスケジュールを組み、早期売却を希望する場合は適正価格に設定することがポイントになります。
また、住み替えの場合は、新居購入との時期調整も考慮する必要があります。
不動産売却の流れについて、詳しくは以下の記事を参照してください。
糸満市で信頼できる不動産会社の選び方
糸満市を含む沖縄県全域に、三井のリハウスや住友不動産販売のような大手不動産会社は展開していません。
チェーン店(ハウスドゥやCENTURY21など)は出店していますが、フランチャイズなので、その実態は主に地元企業です。
そこで、糸満市で信頼できる不動産会社を探す場合、地元不動産会社の中でどこがいいかを検討することになります。
チェックポイントは3つあります。
口コミチェックポイント
- 査定書がしっかり書けているか
- どのエリアで仲介実績があるか
- 口コミや評判に問題はないか
具体的に解説しましょう。
不動産の価格査定は、クルマなどの買取査定と違って「市場で売れそうな価格を推定する」ものです。高い査定額に意味はないのですが、一般ユーザーは「査定額が高いほどよろこぶ」傾向があります。
そこで、実態より高い査定額を出す業者もありますので、その点「査定額が正確かどうか」を確認してください。査定書にしっかりと価格の根拠が書いてあることが最低条件です。
詳しくは、以下の記事で確認できます。
次に確認したいのが「どのエリアに強い不動産会社か」という点。うちなーらいふやグーホームを見て、その業者がどこにどんな物件を売り出しているか確認してください。自分が売却したい物件が所在するエリアに強いかどうか判断します。
最後に、口コミやレビューをチェックしてみてください。
たとえば、Googleマップのレビューを見る場合「いい口コミはヤラセの可能性あり」と考えて、あまり参考にしないほうがいいでしょう。それより、悪い口コミで、なおかつ具体的な内容のものがあったら要注意です。
なお、具体的なおすすめ不動産会社については以下の記事で解説しています。
失敗しないための注意点とよくある質問
糸満市で不動産売却を成功させるには、手続きや価格、税金・名義など細かな注意点を押さえておくことが大切です。
なぜなら、不動産売却は一生に何度も経験することではなく、準備や知識の有無が取引の成否や満足度に直結するからです。以下で、よくある失敗や疑問を防ぐためのポイントを解説します。
「査定額を信じすぎないこと」も大切
不動産の価格査定では「査定価格」で不動産を売却できるとは限りません。
本来、価格査定は不動産会社が、物件の立地や築年数、周辺相場から「3か月以内で売れる見込み額」を出すものです。
しかし、不動産売却に慣れていない人は「査定額は高い方がいい」「高い査定額が出るとうれしい」という判断をしてしまいがち。
実際には、内容のない高すぎる査定額は簡単に出せますから、「信頼性が高い査定書か?」「査定の根拠が明示されているか?」といったポイントを確認してください。
詳しくは以下の記事で解説しています。
売却時にかかる費用と税金
不動産売却で得た金額がそのまま手元に残るわけではありません。
主に以下のような費用が必要になります(2025年現在)。
費用の種類 | 内容 | 目安 |
---|---|---|
仲介手数料 | 成功報酬(売買価格×3%+6万円+消費税) | 例:売買3,000万円で約105万円+税 |
印紙税 | 売買契約書に必要な税金 | 1~3万円(1,000~5,000万円の取引) |
抵当権抹消費用 | 住宅ローン残債がある場合の名義抹消手続き | 1.5万~5万円程度(司法書士報酬含む) |
その他 | 測量費・解体費・クリーニング代など | 状況により発生 |
空き家・相続物件で気をつけるべきポイント
空き家や相続物件の売却は、通常よりも注意点が増えます。
2024年4月からは相続登記の義務化が始まり、取得を知った日から3年以内の登記申請が必要になりました。
相続登記の申請義務化特設ページ|法務省
空き家の場合は、管理不十分だと「特定空家」に指定され税負担増や行政指導リスクがあります。最近の法改正により、管理状態に注意が必要になりました。
一方で、一定の条件が揃うと、3,000万円特別控除の特例が適用される可能性もあります。
まとめ「糸満市で不動産を売るなら今すぐ動くべき理由」

糸満市で不動産売却を検討する場合、早めに情報収集をスタートすべきでしょう。
市況や住宅ローン控除の制度が急速に変化し、それを受けて今後の市場は流動的です。
2025年現在、那覇市など中心部の価格高騰や交通インフラの整備が進む中で、糸満市に需要が波及し、西崎や潮崎などの人気エリアでは坪単価が大幅に上昇しました。
一方、すでに一部エリアでは価格が頭打ちになりつつあり、取引件数も減少傾向。市場の転換点が近づいている可能性もあります。
また、建築費の高騰と住宅ローン金利の上昇も、市場動向に大きな影響を及ぼしています。
加えて、トランプリスクや地政学的リスクなどにより、今後の経済見通しも不透明化しています。
不動産売却は成立までに時間がかかる場合もあるため、市場が活発なうちに準備だけはスタートしておきましょう。
売却理由は人それぞれ、沖縄ならではの事情も
筆者がご相談を受けるケースは、相続や住み替え、老後の資金対策、近隣トラブル、離婚、事業不振、子どもの独立など多岐にわたります。
沖縄にはトートーメー(位牌)を核とした「祖先を大切にする文化」が根付いており、仏壇や仏間のある家が多く、先祖代々の土地は物理的資産を超えた精神的・共同体的なものという考え方も残っています。
しかし近年は相続時の共有名義の調整が難しく、換価分割(売却代金を分配する形)を選択するケースも増加しています。
変化の激しい時代の中、変えるべきもの・守るべきものを見極めることも必要になりそうです。
そこで、トーマ不動産では、売却がベストではないと判断される場合、保有・継承も含めたご提案も行っています。
価格査定のご依頼|トーマ不動産
相続開始前の準備としては、「家族間での話し合い」や「遺言書の作成」「家族信託の活用」なども有効です。争いを防ぐためにも、生前のうちに意思の共有と対策を進めておくことが安心のカギです。
不明点はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ|トーマ不動産