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  • 2016.9.12
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築25年の空き室対策の考え方

最近相談が多い代表事例を一つ考えてみたいと思います。
 
Q.築25年の物件を所有していて、ローンは5年残っています。賃料は新築時と比べて大きく下がり、空室も目立っていますが、今まで大きな修繕工事はしたことがありません。知り合いのリフォーム会社から多額のリフォーム工事を提案されていますが、「元が取れるのか」不安です。どうしたら良いのでしょうか。

このような事で悩んでいるオーナー様は多いと思います。きっと、これからも増えるでしょう。このケースでは正しい答えが「ひとつ」あるワケではありません。オーナー様の考え方や目標によって「とるべき手段」は違います。考えられる方法は4つです。

①現状のままで頑張って募集し続けてもらう。 
②家賃の値下げで対応する。
③設備の追加や壁紙の工夫など、少額工事をして家賃を据え置く。
④提案されているような多額の費用をかけてリノベーションを実施する。

オーナー様が、あと5年くらいで建物を取り壊す可能性があるなら、「家賃の値下げ」が適切なのではないでしょうか。ただし、「5年間の定期借家」を採用して、立退料負担をなるべく避けるようにすべきです。低額家賃しか負担できない借主が最後まで残ると、立ち退き交渉が難航しますし、立退料負担も高くなることが予想できるからです。

築40年以上、つまり、さらに20年以上も経営を続ける意向があるなら、ちょうど折り返し地点なので、大規模なリノベーション工事を検討するのも良いと思います。室内設備や間取は20年も経てば、おそらく現在のニーズに合っていない可能性があります。

この20年を「値下げ」だけで対応すると「超老朽物件」になってしまう可能性が大ですし、小手先のリフォームでは効果が持ちません。だから、再生をかけたリノベーション工事が検討課題となるのです。
しかし、どのような間取に変えるか、どんな設備を選ぶか、色遣いをどうするか等は、慎重に検討しなければなりません。目新しくなっただけでは、20年という長期を戦い抜くことはできません。新築を建てるのと同じくらいに、念入りに企画を練っても「やりすぎ」ということはないでしょう。

そのときのテーマのひとつは「ターゲットの絞り込み」だと思います。「どこまで絞り込むか」は考え方次第ですが、「誰でも好む」設備や色遣いは、結局は「誰からも選ばれない」ことに繋がりかねません。だから、念入りな企画検討が重要なのです。もうひとつのテーマは「コスト」です。
回収できる範囲内しかコストはかけられませんので、予算の上限をしっかりと設定してから、出来るだけローコストのリノベーション案を検討することをお薦めします。
5年で壊すとか、あと20年は続けるとか、今後の方針が明確でない場合もあると思います。

その場合は、「とりあえずの策」として「少額のリフォーム工事」という選択肢もあります。ただし、この工事は空室だけでなく、入居中のお部屋も一緒に実施することを強くお薦めします。その方が、一部屋当たりのコストが下がりますし、入居中の借主の「退去防止」に結びつきます。

反対に、自分たちが「リフォームされない部屋に住まわされ続けている」と感じれば、それが退去の原因となってしまうかもしれません。そして、この「少額リフォーム」では効果が2~3年くらいしか持たないことも、あらかじめご承知ください。

このような「小手先での対応」の繰り返しは、最終的には、余分な費用負担となってしまいます。
以上のように、まず、オーナー様が今後の経営方針を、出来るだけ明確に決めていただくことです。そうすれば、おのずと答えは出てくるはずです。

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