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リハウスとは?三井不動産リアルティのブランド名の由来

リハウスとは、三井不動産リアルティ(当時は三井不動産販売)が1981年にCI戦略の一環として打ち出したブランド名(造語)です。

リハウスの歴史的経緯

1970年代には「暗黒大陸」と呼ばれていた中古不動産流通業界に、標準的な価格査定の手法や、統一された契約書、重要事項説明書などを導入していき、正常化を図ろうとした。そのためのCI戦略だった。

この記事では、リハウスというブランド名の歴史や、三井不動産リアルティの概要や特徴を紹介しています。

上記公式サイトで、リハウスは「正確な価格査定」を大きく打ち出しています。

三井のリハウスとは

三井のリハウスは、三井不動産リアルティが1980年代に展開を開始したブランドです。

リハウスという名称は、当時の中古不動産業界のネガティブなイメージを一新するために採用されました。

三井のリハウスの特徴は「正確な価格査定」

筆者は宅建士として数百件の価格査定書を作成し、物件調査を行ってきました。

その目線で見ても、三井不動産リアルティの価格査定は非常に正確です。

実は、正確な査定を行うことは不動産会社にとって必ずしも儲かる戦略ではありません。三井のリハウスは、なぜか儲かりにくい戦略をとっているのです。

今でも多くの不動産会社の査定は不正確

このような広告を見たことがある人も多いはずです。

不動産のプロが見たら、「B社の4180万円は消費者をだましに来てるな」と考えますが、一般の人はなんとなく「高い査定額が出てうれしい」と考えてしまいます。

でもそれは完全に間違い。詳しくは以下の記事を参照してください。

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一方、三井のリハウスは正確な査定を前面に打ち出しています。なぜでしょうか?

三井が中古不動産流通に乗り出した理由

1970年代まで、中古不動産流通は中小企業が担当し、大手不動産会社は土地開発や新築販売を行うという棲み分けがなされていました。

そのため、当時の中古不動産業界は新聞などのメディアから「暗黒大陸」と揶揄されるほど不透明で問題が多い業界でした。

査定の方法は確立されておらず、契約書もフォーマットがバラバラでずさんな内容のものが多く、重要事項説明書さえ存在しませんでした。

そんな業界に大手として最初に乗り込んだのが三井不動産販売でした。

三井は何のフォーマットもなかった中古不動産流通業界に、現代のレインズの原型となるリハウス流通機構を設立したり、しっかりとした売買契約書のひな形を作成したりといった近代化を推し進めていきます。

その不動産流通近代化の象徴として考えられたブランド名がリハウスだったのです。

リハウスの仲介は値引きせず成約率も高い

価格乖離率とは、売出し価格と成約価格がどれくらい違っているか? という数字です。

「三井のリハウスは価格乖離率が低い」ということは、値引きせずに売り切っているということです

X(旧ツイッター)の、以下のポストを見てもわかります。

この点については、下記の公式サイトでも大きく打ち出している、三井不動産リアルティ株式会社の基本的なスタンスです。

上記サイトを開いてみるとわかりますが、価格査定の正確さを、まず最初に打ち出しています。

三井のリハウスQ&A

ここでは簡単に、よくある質問と答えをまとめておきます。

リハウスとリフォームは違う?同じ?

ネットの大手Q&Aサイトなどを見ていると「リハウスとリフォームは同じ意味?」と混同する質問も見受けられます。

しかし、リハウスは「今住んでいる家を売却し、新しい家に住み替えること」を指す造語です。三井不動産は、不動産の住み替えを円滑にするという思いを込めてリハウスという言葉をブランド名にしました。

したがって、リハウスとリフォームは全く異なる言葉です。

三井のリハウスは宅建士が多い?

三井不動産リアルティに限りませんが、大手不動産会社では宅建士資格等の取得を補助する制度が充実しており、また資格を取得すると手当も支給されます。

そのため、宅建士の保有率が高いことは間違いありません

筆者の経験では、やはり宅建士資格の保有者と持っていない人では、知識の量や正確さに差があることが一般的。資格を持っていない担当者よりも、持っている担当者を選ぶ方が安心して取引できます。

三井の営業マンは感じが悪いって本当?

三井の営業マンは本当に感じが悪いのでしょうか。筆者は、この点について本当だったと考えています。

かつて、三井不動産販売はフランチャイズ制を取っており、販売会社によって対応がばらつくケースがありました。実際、「三井さんに頼んだのに知らない会社の営業が来た」というクレームもあったそうです。

しかし、現在では全国に点在する300近いリハウス店舗はすべて直営化されています。そのため、営業マンの質に対するクレームは今後減少していくものと考えています。

三井のリハウスは囲い込み行為をしている?

仲介依頼を受けた不動産を他社に紹介せず、自社だけで独占しようとする「囲い込み行為」。三井不動産リアルティは、売主・買主の両方を自社で見つける「両手仲介」率が高いことから、囲い込み行為をしているのではないかといわれることがあります。

これについては筆者も否定しません。可能性はあります。

ただ、両手仲介率が高いのは、既に述べた通り三井不動産リアルティが「値引きせず、短期で成約している」ことが理由かもしれません。そう考えると、特に悪質な問題ではなさそうです。

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三井のリハウスの関連企業や海外拠点は?

三井のリハウスは、国内外の様々な関連企業を有し、幅広いサービスを提供しています。

住宅関連事業では、三井不動産レジデンシャル株式会社、三井ホーム株式会社、三井不動産レジデンシャル株式会社などがあり、仲介業務のほかに、新築住宅分譲や、建材や住宅設備の輸入販売、内装デザイン、リフォーム事業、賃貸総合管理などを行っています。

オフィスビル事業では、三井不動産ビルマネジメント株式会社、三井不動産ファシリティーズ株式会社、日本ビルファンドマネジメント株式会社などがあります。そのほかに商業施設事業やホテル・リゾート事業を行う会社もあります。

海外拠点としては、三井不動産アメリカ株式会社、英国三井不動産株式会社、マレーシア三井不動産株式会社、オーストラリア三井不動産株式会社など8拠点を展開しています。

そのほか、公益財団法人三井文庫では日本や東洋のすぐれた美術品を収蔵・展示し、社会貢献性の高い事業を行っています。

初代リハウスガール宮沢りえと三井不動産の関係

1980年代、三井不動産がリハウスブランドを打ち出すCI戦略を推し進めた時、初代リハウスガールに選ばれたのが宮沢りえさんでした。宮沢りえさんはその後、様々なメディアに露出し、スターダムを駆け上っていきます。

そして2020年代になり、改めて三井不動産リアルティは宮沢りえさんをCMに起用しました。1981年当初は転校生の白鳥麗子役でCMに登場していた宮沢りえさんが、50代の女性として新しいCMに出演しました。

そこには、高齢化を見据えて子供たちが巣立って一段落した世代の方たちに「より暮らしやすいサイズの新しい家への住み替えを検討してもらう時代が来た」というメッセージがこめられています。

これが新しいCMに、再び宮沢りえさんが起用された理由でしょう。三井不動産リアルティは新たな部署を立ち上げ、老後の住み替えサポート業務も積極的に行っています。

リハウスのCMで話題の「犬」や「鈴木さん」とは?

これは余談ですが、しばらく前に「リハウスのCMに出ている犬は何?」という話題が、少しだけバズりました。

結論からいうと、これはリハウスではなく京セラのCMだったことが後に判明しています。ちなみに、ネコ(スコティッシュフォールド)の官九郎は、リハウスのCMに出ていました。

スコティッシュフォールド・イメージ

また、リハウスのYouTube広告に出ている鈴木さんは誰? という話も、最近話題になりました。これは鈴木朝代(ともよ)さんです。

1992年3月7日生まれのO型、身長155cm。中高ともに吹奏楽部だったので、趣味はバスクラリネットだそうです。

鈴木さんは、もともと実力派の舞台俳優さんで、映画『ステップ』(飯塚健監督)、『よだかの片想い』(安川有果監督)にや、ドラマ『賭けからはじまるサヨナラの恋』、『東京、愛だの、恋だの』などに出演。映画『都市伝説になりたい女のひと』は鈴木朝代さん本人が監督・脚本・主演をした短編で、第9回立川名画座通り映画祭の俳優賞を受賞しています。

三井不動産リアルティ株式会社の会社概要

三井のリハウスが歩んできた道は、不動産流通業近代化の歴史ともいえます。

例えば、現在のレインズの前身ともいえる「リハウス流通機構」を全国8カ所に展開し、不動産仲介や不動産売買に関する情報共有を促進しました。

1970年代、新築住宅でローンを組めたのに対し、中古住宅の購入でローンを組むことができませんでした。この状況を改善するために、三井不動産ローン保証という会社が、中古住宅向けローンの取り扱いを始めました。

また、価格査定方法の確立や各種物件調査の手法、契約書やそれに付随する書類の雛形を整備する事業も展開しました。

「不動産流通」という言葉が日本社会に定着したのも、三井のリハウスの活動によるものです。

現在の三井不動産リアルティ

項目 内容
商号 三井不動産リアルティ株式会社
英名 Mitsui Fudosan Realty Co., Ltd.
本社所在地 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号
交通/アクセス https://www.mf-realty.jp/corp/outline.html
設立 1969年7月15日
資本金 20,000百万円
年間売上高(連結) 182,980百万円(2022年度)
従業員数 4,516名(単体)、5,196名(連結)(2023年3月31日現在)
代表番号 03(6758)4060
ウェブサイトURL https://www.mf-realty.jp/corp/outline.html

現在、三井不動産リアルティは不動産売買仲介の実績ランキングでトップを走っています。年間取扱件数はおよそ40,000件前後、手数料収入では全国トップの910億円以上を記録しています。

また、全国で291店舗を展開し、三井のリハウス1社だけで全国をカバーしています。

歴史的背景からも分かる通り、三井不動産リアルティの価格査定は非常に正確です。もし自宅の価格を知り、効率的な不動産売却を行いたい場合は、まず三井不動産リアルティの査定書を取るところからスタートしてください。

10件の不確かな価格査定を受け取るよりも、1件の信頼できる査定書の方が役に立ちます。


参考文献

陣内一徳(2011)『三井のリハウス物語「住みかえ」マーケットを創った男たち』丸善プラネット/ISBN978-4-86345-071-4
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