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宅建士おすすめの不動産一括査定サイト22選と使用上の「注意点」

不動産一括査定サイトはどれも同じではありません。エリアや物件によって向き不向きがあります。また、どのような売り方をしたいのかによって選ぶべきサービスが変わってきます。

この記事では、各不動産一括査定サイトの特徴を踏まえ、以下のような使い分けをおすすめしています。

サイト名特徴・強み向いている人
タクシエ(TAQSIE)大手限定かつトップ社員限定で対応してくれる不動産売買に自信がない人
三井のリハウス正確な査定は業界随一。価格乖離率が低い正確な価格査定を出して欲しい人
HowMa一括査定AIによる相場感の把握+有人サポートあり売却成功までアドバイスをもらいたい人
イエカレ売るか貸すか迷っていても使える/ユーザー重視の運営まだ売ると決めていない人
Re-Guide(リガイド)地方エリアに強いのが特徴他の査定サイトで対応不動産会社がなかった人
イエイ「お断り代行サービス」で営業ストレスを軽減営業電話などを断るのが苦手な人

また動産一括査定サイトを使うと物件が高く売れると言う因果関係はありません。

もともと不動産一括査定サイトは物件を高く売るためのサービスではなく、不動産会社が仲介契約を獲得するための営業ツールです。

そのため、お金を払っているのは不動産会社であり、ユーザが一方的に得をする事はありえないというウラ側仕組みを理解した上で、かしこく使う必要もあります。

この記事では不動産会社を10年以上経営した経験に基づき、不動産一括査定の裏側を含めた詳しい解説をお届けします。

この記事は、宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。

不動産一括査定サイトは「高く売るためのものではなかった!」

不動産一括査定サイトを利用すると、ユーザーが入力した情報は複数の不動産会社に送信されます。また、各不動産会社はこの情報1件につき、1社あたり1万5000円前後の料金を支払っています。

これが不動産一括査定サイトの仕組みです。

不動産一括査定サイトは不動産会社が仲介を取るための営業ツールであり、ユーザーが高額査定を取るために設計されたものではありません

不動産一括査定サイトの裏側の仕組みを理解しないまま利用すると、大きな間違いをしてしまい、高く売れるはずだった不動産が買い叩かれたり、売却に長期間かかってしまうということもあり得ます。

不動産を売却するためには、ほんの少しでいいので、正しい知識を身につけておく必要があります。

「高く売れる!」というキャッチコピーは煽り広告

上記のようなグラフを使って「不動産一括査定を使ったらマイホームがこんなに高く売れた」という派手な広告を目にすることがあります

このような広告はいわゆる「煽り広告」。実際に不動産一括査定サイトを使ったら、不動産が高く売れるということは論理上あり得ません。

不動産の価格査定とは相場の価格を出すものであり、高い価格ではなく、正確な価格が正しい査定額だからです。

もちろん査定額で不動産会社が買い取ってくれるのならいいのですが、そんな価格では絶対に買い取ってくれません

不動産一括査定サイトのデメリット

不動産一括査定サイトの代表的なデメリットは、高すぎる査定(釣り査定)にだまされるリスクがあることです。

他にも、複数の不動産会社から一斉に営業連絡が入り煩わしいことや、個人情報が正しく管理されないリスクがあげられます。

この章ではその具体的な内容を解説し、対処法も紹介していきます。

嘘の高額査定=釣り査定を提示されるリスク

最近よく不動産一括査定の査定額は、実態よりも高すぎるのではないかと言われます。

筆者が実際に大阪府と栃木県で4つの不動産一括査定サイトを使って実験してみたところ、大阪で2分の1、栃木で4分の3の不動産査定額が実態よりも高すぎました

この時、実際にマンションと一戸建て住宅を査定したうえで、実際に売却してみた実証内容は別記事で読むことができます。

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大阪では、本来の査定額の1.6倍、栃木では本来の査定額の2倍以上という無理のある価格査定を出してきた会社が存在します

全く知識がないと高額査定を見て喜んでしまい、あまり良心的ではない不動産会社に仲介を依頼してしまうことになりかねません。

そこで、なるべく自分でも相場を把握するようにしてください。

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また、不動産一括査定サイトを選ぶ際には、高すぎる査定を避けるしくみを設けたサービスを使うようにしてください。

都市部であれば大手不動産会社に査定依頼をすることで、コンプライアンス上問題があるような「釣り査定」を避けることができます。

例えば、三井不動産リアルティ(三井のリハウス)は業界でほぼ唯一「正確な査定」を公式サイトの全面に掲げています。

三井不動産リアルティの査定を取っておくと、他の査定を見るときの基準になる点がメリットです。

また、イエカレやHowMa一括査定などは査定を送りっぱなしではなく、ユーザーが売却を完了するまでしっかり対応してくれます。

こういった査定サイトを利用することで、意味のない釣り査定を避けることが可能になります。

「しつこい営業がモットー」の不動産会社もある

それほど多くはないのですが「しつこい営業」をモットーとしてバリバリ営業をかけてくる不動産会社も存在します。

不動産コンサルタントの中には「いかにしてしつこい営業で仲介契約を勝ち取るか」を指導している人もいます。

ユーザーにとっては迷惑な話ですが「どうしたら顧客を落とせるか」という手法を様々な不動産会社に伝授することで、不動産コンサルの人は生計を立てています。

そこでしつこい営業にあいたくない場合は、不動産売却をきちんとサポートしてくれる一括査定サイトを選ぶ必要があります。

例えば、AI査定で有名なコラビットが運営するHowMaであれば、サイト運営側が最後までユーザーをサポートしてくれます。

こういった会社であればしつこい営業にあったとしてもきちんと対処してくれるでしょう。

また3大都市圏や北海道、岩手、広島、福岡などの都市部であればタクシエ(TAQSIE)というサービスがおすすめです。

タクシエは三菱地所系列の会社が運営しており、登録している会社はすべて大手不動産会社です。加えて、各不動産会社のエース級社員のみを選抜しており、コンプライアンスにおいてもまた仲介の実力においても高いレベルを保つように工夫をしています。

価格査定についても正確性が高いので、安心して任せることができます。

地方では「対応可能な不動産会社がゼロ」も珍しくない

札幌市★龍ケ崎市中野区★大阪市★堺市★阪南市宜野湾市
イエイ20不明不明115
イエウール3011616
マンションナビ5286615
リガイド102610537
リビンマッチ5346523
★は政令指定都市/数字は査定依頼可能な業者数

筆者は全国7都市でマンションの査定を入力する実験を行ってみました。すると、有名な不動産一括査定サイトでも都市によっては「対応可能な不動産会社がゼロ」ということもありました。

ある程度の都市部でさえ、こういった状況ですから、小さな地方都市では対応可能な不動産会社が全く見つからないということはよくあると考えておくべきでしょう。

不動産会社は全国で13万件以上ありますが、不動産一括査定サイトに登録している会社はごくわずかです。

そのためどうしても不動産一括査定サイトを1つだけ利用しても対応できる会社が見つからないということは考えられます。

場合によっては2つあるいは3つの不動産一括査定サイトを利用して、価格査定を依頼する必要がある点にはあらかじめ留意しておいてください。

筆者が7つの市で入力実験を行ったレポートは別記事で掲載しています。

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個人情報の取り扱いには一定のリスクがある

個人情報は不動産会社に転送される

不動産一括査定サイトの運営会社は、一般にどのサイトも有名企業ですし、上場企業である場合も少なくありません。

そこで不動産査定サイトの個人情報に関する取り組みに関しては、十分信頼できると考えられます。

しかし不動産一括査定サイトの仕組みを考えると、査定サイトでいかに個人情報をしっかりと管理していたとしても、そこから先は様々な不動産会社に個人情報が送付されるということになります。

提携不動産会社が2,000社、4,000社と多数あるわけですから、全ての会社において個人情報をしっかりと管理していると考えるのは無理があるでしょう。

中にはずさんな個人情報管理を行っている会社もあるということは、あらかじめ了解した上で不動産査定サイトを利用する必要があります。

とはいえ不動産会社(宅地建物取引業者)は、宅地建物取引業法により守秘義務が課せられていますし、個人情報の取り扱いに関しても正しく管理することが求められています。

もし個人情報に関して法令に違反するような事態があれば、都道府県の建築指導課など監督官庁に相談をするといいでしょう。

「囲い込みのリスク」は通常と特に変わらない

不動産の囲い込みとは仲介を依頼された会社が自社で売主・買主双方の仲介手数料を独占しようと考え、他の会社に情報を一切流さず、囲い込んでしまうことを指します。

様々なブログで「不動産一括査定サイトを利用すると囲い込みのリスクがあるので注意しよう」と書かれています。

しかしそれは誤りです。

もちろん不動産一括査定サイトを利用した場合でも、不動産の囲い込みに合うリスクはありますが、一般の不動産取引と比べても全く条件は変わりません。

また、囲い込みを避ける手取り早い方法は、媒介契約で一般媒介を選ぶことです。

一般媒介とは複数の不動産会社と仲介の契約を結ぶことです。一般媒介にしておけば、物件を原理的に囲い込めなくなるからです。

不動産の媒介契約については、別記事で詳しく解説しています。

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不動産一括査定サイトのメリット

不動産一括査定サイトのメリットといえば、やはり「効率のよさ」でしょう。

不動産査定においては複数社の意見を聞くことが重要ですから、それを一度の入力で実現できる点は、他の方法では実現できないメリットです。

その他のメリットとあわせて、この章で解説していきましょう。

手間なく複数社に査定依頼できる「利便性」は捨てがたい

不動産一括査定サイト最大のメリットは、やはりなんといっても1回の入力だけで複数の会社に査定依頼ができることです。

昔は足で不動産会社を回らなければいけなかったことを考えると、格段に効率的になりました。

この記事で指摘した様々なデメリットを把握し、きちんと対策をした上で利用するなら、不動産一括査定は非常に便利なサービスです。

中には10社以上に査定依頼ができると謳っているサイトもありますが、筆者の感覚では10社は不要だと考えています。

また、4社の査定を取ることができたら、その平均を出してみてください。

平均から大きく外れる会社をはずし、ある程度相場に収まっている査定書を採用して、仲介を依頼する会社を決めるのがいいでしょう。

各査定価格の平均が正しい査定額とは限りませんので「目安と考える」ことを前提に、売出価格を検討してください。

最低限のデジタルリテラシーがある会社にのみリーチできる

15年位前までは、田舎の小さな駅前の不動産会社ではホームページもないのが当たり前、価格査定書は手書きが当たり前、情報流通はファックスが当たり前という状況でした。

さすがにそういった会社は激減しています。しかしそれでも不動産会社のデジタルリテラシーは非常に低いのが実情です。

そんな中、少なくとも不動産一括査定サイトを利用してウェブで集客をしようと考えている会社であれば、最低限のリテラシーを持っている可能性が高いといえるでしょう。

不動産一括査定サイトさえ使っていない地方のアナログな会社に査定依頼をするよりも、きちん推測できます。

ユーザーの不動産売却をサポートしてくれる査定サイトもある

ほとんどの不動産一括査定サイトは、査定情報を不動産会社に送ったら終わりです。査定情報を送りっぱなしといった状況なのですが、中にはユーザーをきちんとサポートしてくれる不動産査定サイトもあります。

筆者が直接取材をして確認しているところでは、AIを活用したHowMa一括査定やイエカレなどはきちんとユーザーにコミットしてくれます。こういった査定サイトを選ぶと不動産売買に自信がない方でもある程度自信を持って売買に臨むことができるのではないでしょうか。

不動産一括査定サイトを選ぶポイントは?

不動産一括査定サイトを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあり、適切なサイト選びが不動産売却成功への第一歩となります。

具体的には、以下のようなポイントに注目してみてください。

不動産一括査定サイトは「どう使うべきか?」

筆者は不動産一括査定サイトを「ユーザーと不動産会社のマッチングサイト」だと考えるのが正解だと考えています。

査定額そのものに着目すると、正しい査定を出してくれる会社はかなり少なく、既に述べたように全体の2分の1から4分の1程度しかありません。

そこで査定額に一喜一憂するのではなく、複数の担当者と会ってみて、信頼できる人物かどうかを判断するといった使い方が正解でしょう。

その上で査定額は全部の査定額の平均的なところを相場の目安と仮定し、一定の参考とするといった方法が、比較的堅実に売却を進められる手段になります。

「高額査定」を出してくれる一括査定を選びたい場合は?

不動産の価格査定で高額査定には意味がないという点は既に説明しました。高い査定額を出したからといってその値段で売れるわけではありません。

では本当の意味での高額査定、つまり「高い値段で売却してくれる会社」とはどんな会社なのでしょうか?

筆者は大手不動産会社が高く売ってくれるとは考えていません。

大手不動産会社は適正価格で短期間で売却するといった業務には強いのですが、相場の中でかなり高めの価格で粘って粘って売り切るといった仕事はあまりしてくれません。

こういった仕事をきっちりとやってくれるのは地元不動産会社の中で、良心的に運営している会社ではないかと思います。

ただし、地元の小さな不動産会社には実力や営業方針にバラツキが大きいというデメリットがあります。

そこで地元の不動産会社を選ぶ際には、しっかりした人物かどうかをまず見極めてください。その上で「なるべく高く売却したい」と相談するのがいいでしょう。

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提携会社数は多い方がいいのか?

提携会社数は各査定サイトが自称しているだけにすぎません。

筆者は、各査定サイトが自称する提携会社数が正しいのかを検証するために、全国の7都市でマンションの価格査定を試みました。

提携会社数が多いと自称しているイエウールなどは意外と成績が振るわず、提携会社数を控えめに発表しているリガイドが地方で最強だった……その検証結果です。

そこで、提携会社数はあまり当てにならないということがわかります。

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例えば、マンションナビという査定サイトは、提携会社数を多く見せるために会社数でなく提携店舗数を発表しています。1つの会社が複数の店舗を持っていますから、それだけで一見すると多く見えてしまうというトリックです。

また、中には退会したいという会社を引き止めて休眠扱いとしておき、休眠会社も提携会社数にカウントしている不動産一括査定サイトもあります。ここまでくると提携会社数などは全くあてになりません。

60秒で入力できるサイトは優秀?

60秒で入力できるとうたっているサイトはいくつかあります。簡単に手間なく査定依頼ができるということをアピールしているのですが、筆者としてはあまりよいサイトだと感じません。

なぜなら、入力にはある程度しっかりとした内容を記入してもらい、それを不動産会社に渡す方が良心的だからです。

イエカレというサービスを取材させてもらった時、担当の方が「イエカレは記入する項目がやや多く、他の査定サイトに比べると入力に時間がかかるかもしれない。しかしその方がユーザーのためになると考えてあえてそのようにしている」という話を聞きました。

つまりイエカレは軽い気持ちで申し込んでもらうよりも、後々ユーザーが納得のいく不動産売却ができる事を重視して、多少細かい点まで記入してもらうようにしているそうです。

考えてみれば、60秒でも5分でもそれほど手間は変わりません。

それなら、なるべく良心的な不動産一括査定サイトを選んだ方が自分のためになるのではないかと考えます。

なおイエカレは売るか賃貸するかなど、迷いがある場合でも使っても大丈夫だとうたっている一括査定サイトです。

「しつこい営業」に合わない一括査定サイトはどれ?

しつこい営業を避けたい場合、2通りの対策が考えられます。まずしつこい営業そのものが少ない一括査定サイトを選ぶこと、もう一つはしつこい営業にあった場合、ユーザーに代わってお断りサービスでお断りしてくれるという一括査定サイトです。

  1. しつこい営業にあいにくいサイト
  2. しつこい営業をお断りしてくれるサイト

具体的に見ていきましょう。

しつこい営業にあいにくい一括査定サイトといえば、タクシエ(TAQSIE)やイエカレ、HowMaが挙げられます。

タクシエは大手のみに査定依頼ができるので、コンプライアンス的に安心感があり、法令に違反するようなしつこい営業はありません。

イエカレも良心的に運営されており、ユーザーを最後までサポートしてくれます。そのため、しつこい営業にあう確率は低く、ストレスなく利用できます。

またHowMaはAIによる価格設定を見た上で、専門の査定担当者によるコラボ査定を見ることで、価格査定の正確性を担保するというコンセプトの不動産一括査定サイトです。

HowMaもユーザーにしっかりとコミットしてくれて、不動産売却の成功まで様々な相談ができるサイトなので、こちらもしつこい営業に会う危険性が少ない一括査定サイトといえるでしょう。

一方で、万が一しつこい営業にあった場合にお断りサービスを利用できる不動産一括査定サイトとしてはイエイがあげられます。

イエイのお断りサービスはイエイ以外のルートで査定依頼をした不動産会社もお断りしてくれるという強力な内容で

「買取同時査定」「賃貸同時査定」は役にたつ?

筆者は買取同時査定及び賃貸同時査定は原則として役に立つと考えています。ただし使い所は少し違ってくるので、次のように使い分けてください。

買取同時査定は正確な価格査定が必要な場合の裏ワザとして利用できます。

不動産の査定額はクルマの査定と違って、その値段では買い取ってくれるものではありません。だから高すぎる「釣り査定」を出せるわけです。

しかし、買取査定の場合は「実際にその価格で買い取ってくれる」ためかなり確実な査定額になります。

筆者の感覚では、買取査定の金額を1.5倍程度すると、仲介での売却価格に近い値段になると考えます。

また売るべきかどうか迷っているという場合には、賃貸同時査定がオススメです。

賃貸した場合の家賃がわかれば、売却した場合と賃貸した場合でどちらがオトクかを比較することができます。

ちなみに筆者であれば売却予想額に対する賃貸の利回りが8%くらいであれば「売らずに貸してもよい」と考えます。

計算式としては以下のように考えるといいでしょう。

年間家賃 ÷ 売却価格 × 100 = 想定利回り

エリアによっても変わってくるので、上の数字は目安に過ぎませんが、おおよその判断基準にはなります。

地方の場合は、もっと利回りを厳しく見たほうがいいかもしれません。場合によっては10%以上、15%以上を基準にすべきケースも考えられます。

「個人情報」をしっかり保護してくれる一括査定はどれ?

不動産一括査定サイトの運営元で個人情報保護に関する評価が高いのはHOME4U(ホームフォーユー)です。HOME4UはNTTデータのグループ会社なので、技術的にもセキュリティーがしっかりとしており、またコンプライアンス体制もしっかりしているので、様々な面から安心して個人データを預けることができます。

ただしいったん査定サイトから不動産会社に情報が転送されてしまうと、管理は各不動産会社任せになります。その点、どの不動産一括査定サイトでも個人情報リスクはあまり変わらないといえるでしょう。

不動産一括査定の「わからない」に回答!

ただでさえわかりにくい不動産売却。加えて、初めて不動産一括査定を利用するとなると、疑問点がたくさん浮かんできます。

そこでこの章では、よくある疑問に対してQ&A形式で回答していきます。

複数社からの査定「結局どれを選ぶべきかわからない」

不動産一括査定を利用して複数の査定を取り寄せたものの、どれが正しくどれを選ぶべきなのかがわからないという事もよくあります。

その点、筆者としては「そもそも不動産の査定額はどこもそれほど正確ではないので、査定額で選ぶよりも、担当者の信頼性を重視して選ぶべきだ」と考えます。

その上で査定額としては、各社が出した査定額の平均的なところを相場の価格と仮定し、それを叩き台として売り出し価格を決めていくのがいいでしょう。

不動産会社自身が売主となっている物件でも、長い間売れずに困っているケースを時々目にします。そう考えると、不動産会社もそこまで正確に「絶対に売れる価格」を把握できているわけではありません。

査定額にこだわるよりも、査定書にしっかり査定根拠を書いているかや、話をしてみて担当者が信頼できそうかという点を考慮して、不動産会社を選ぶようにしてください。

大手と地元不動産会社「どっちが有利かわからない」

大手不動産会社と地元不動産会社の選び方について、筆者は以下のように考えています。

まずエリアから選ぶ場合は、次のように考えてみてください: 

  1. 3大都市圏など大都市部では大手不動産会社に任せる
  2. 地方都市では地元不動産会社の中から優秀な会社を選ぶ

大手不動産会社の瞬発的な売却力は強力で、ある相場の価格で売り出した物件を短期間に売り切る力があります。社内研修などによってある程度人材の質も確保しており、安定感があります。

一方、地方都市になると大手不動産会社は対応できません。

栃木県宇都宮市や香川県高松市といったかなり大規模な都市であっても、大手不動産会社が全く対応していません。

こういったエリアでは、地方の中小不動産会社の中から優秀な企業を選び、じっくりと売却に取り組んでもらうことをお勧めします。

次に物件種別から選ぶ場合は、次のように考えてください:

  1. 駅近マンションなど人気の高い物件は大手不動産会社に任せる
  2. 再建築不可等クセのある物件は地元不動産会社に任せる

筆者は売れ筋マンションの売却で何度か大手不動産会社と競合したことがありますが、やはり大手は人気物件に強く、どんどん内覧客を連れてきました。売却に関して瞬発力がある、と感じました。

一方で多少難がある物件になると、かなりパワーダウンします。

不動産会社の営業マンはノルマもあり大変忙しく仕事しています。

市街化調整区域の物件や、再建築できない物件であれば、詳細な調査や粘り強い営業が必要になります。大手の営業マンはこういった細かい仕事をしている時間がないため、どうしても後回しになりがちです。

そのため、不人気物件や難あり物件に関しては、地元の中小不動産会社の方が適しています。

なお、地元不動産会社の選び方に関しては、以下の記事を参照してください。

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査定根拠「なぜこの金額になるのかわからない」

不動産の価格査定書をもらっても、どの不動産会社を選べばいいのかわからないと悩んでしまう理由のひとつに、「なぜこの金額になるのかわからない」ことがあげられます。

不動産会社と同じ方法で価格を査定するには多少の熟練が必要になりますが、固定資産税路線価などを利用して自分で土地価格などを算出する事は可能です。

全国地価マップで固定資産税路線価を開き、価格を知りたいエリアを表示してください。該当する土地の前面に書かれた赤または青の矢印に数字が書かれています。この数字が平米単価なので、それを読み取ります。

固定資産税路線価(㎡単価)から実勢価格を推測するには、以下の数式を用いて計算します: 

実勢価格 = 固定資産税路線価 ÷ 0.7 × 1.1

これで土地の価格を推定することができます。

なお自分でできる不動産価格の算出方法については、以下の記事で解説しています。

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後悔しないタイミング「いつ売るべきかわからない」

不動産の売却タイミングは、ライフプランと密接に関わっています。転勤や転職、家族構成の変化、リタイアメントなど、生活の転機に合わせて検討するのが基本です。

特に子どもの進学前や退職後など、生活環境が大きく変わるタイミングは売却の好機となります。また、不動産市場の動向も重要で、金利環境や地域の開発計画などを見極めることも必要です。

総合的に考えると、市場の絶対的な「ベストタイミング」を狙うよりも、ご自身のライフプランに沿った決断が最も後悔が少ないでしょう。不動産は「住む場所」であると同時に「生活を支える資産」です。将来の資金計画を考慮し、十分な準備期間を設けて売却を進めることをお勧めします。

全てを踏まえ「選ぶべき不動産一括査定サイト」はこれ!

ここでは、筆者が実際に利用したことのある不動産一括査定や、運営会社に直接取材したものを中心に「おすすめできる」と判断したサービスのみを紹介します。

都市部ではタクシエ(TAQSIE)や三井のリハウスといった大手を利用するのがおすすめです。一方、地方エリアは大手のサービス対象外ですから、良心的に運営され「売却完了までユーザーに寄り添ってくれる」査定サイトを利用するのがおすすめです。

都市部に強いタクシエ「大手限定の安心感」は大きい

不動産査定サイト「TAQSIE(タクシエ)」は、三菱地所リアルエステートサービスが運営する無料のオンラインマッチング・プラットフォームです。「大手のみに査定を依頼できる」という点が最大のメリットです。

また、AIによる簡易査定から選抜エージェントへの依頼までワンストップで完結できる点も便利で、よく練られたサービスだと感じます。

現在のところ、タクシエは三大都市圏や北海道、福岡、広島などの主要都市圏のみの対応です。また、買取と仲介の両方に対応している点も特徴です。

「とにかく正確な査定」なら三井のリハウス

超大手不動産会社の一社、三井不動産リアルティ(三井のリハウス)は、業界で唯一、正確な価格査定を公式サイトで前面に掲げている会社です。

「正確な査定」というのは玄人受けするものの、儲かるキャッチコピーではありません。ところが三井のリハウスは正確な査定と価格乖離率の低さを大きく謳っています。

価格乖離率とは売り出し価格と成約価格の差。つまり三井のリハウスは正確に査定し、その価格できっちりと売り切っているということです。

そこで「正しい査定額を知りたい」という場合は、三井のリハウスの査定を取っておくといいでしょう。セカンドオピニオン的に査定を依頼することもできます。

また、三井のリハウスについて、詳しくは以下の記事で解説しています。

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AIで「査定根拠を確認」するならHowMa

HowMa不動産査定は、AI査定のジャンルで業界をリードするコラビットという会社が運営しています。

コラビットさんにお話を聞いたことがありますが、HowMaを立ち上げた背景には「まず最初にAI査定を見ておくことで、ユーザーが相場感を身に付け、正しい価格査定額を採用できるようになってほしい」という思いがあったそうです。

またHowMaは他の不動産一括査定と異なり、査定を出しっぱなしで終わりではなく、売却の成功まで伴奏してくれます。

数ある不動産一括査定サイトの中でも、責任を持ってユーザーにコンタクトしてくれる会社だと感じます。 

最初にAI査定を見ておくことで、各不動産会社の査定額を自信を持って吟味できるというメリットは大きいでしょう。

またHowMa不動産一括査定に関しての詳しい記事は以下のリンク先で読めます。

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売るか貸すか決めていないならイエカレ

本来、不動産一括査定サイトは売却を決断した人だけが使うべきものです。しかしイエカレは売却をまだ決断していなくても利用することができ、売るか貸すか両面で相談をすることができます。

イエカレの担当者とお話をしたところ、担当者ご自身でも実家を売却したことがあり、その時は賃貸するという考えがすっぽり抜け落ちていたそうです。

今になって「実家を手放さずに賃貸しておけばよかった」という後悔もあるそうで、「そんな後悔をユーザーにしてほしくない」という思いもあり、イエカレを運営しているそうです。

イエカレも、不動産売却の最後まで相談に乗ってもらえます。

地方で提携不動産会社が多いリガイド

リガイドというサービスは一見地味ですが、地方で提携不動産会社が多く、筆者の実験では全国7市で実在するマンションのデータを入力し、各不動産一括査定サイトの提携不動産会社数を調査したときのテストでも最も優秀だった不動産一括査定サイトです。

リガイドは筆者が不動産会社の立場で長らく利用した不動産一括査定サイトです。不動産会社の視点で見てリガイドが良かったのは、まず課金される金額が安かったこと、また不動産会社に対して良心的に運営をしてくれているので、こちらも良心的に営業ができたことです。

不動産会社に無理をさせず良心的に営業しているということから、リガイドでは地方での提携不動産会社数が多いのではないかと推測しています。

その他不動産一括査定サイト全リスト

最後に22のサイトを紹介し、宅建士の視点から解説を加えます。実際に不動産会社の立場で登録・提携していた一括査定サイトについては、具体的な特徴も記載しました。

また、取材させてもらったサイトもいくつかあります。仲のいい同業者が利用していたサイトもあります。そこから得た知見をもとに、辛口の批判も掲載しました。

なお、筆者がユーザーの立場で不動産一括査定を利用した時のレポート記事は、以下のリンク先でご確認いただけます。

都市部で安全かつ高額取引を目指すなら「住友不動産販売」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
住友不動産販売住友不動産販売株式会社203店舗(直営)全国(都市部)

3大都市圏など市街地の売れ筋物件であれば、取引の安全を考えても、超大手不動産会社に依頼するのが確実です。

なかでも、ステップエスコートなど、売買をサポートするシステムに注力しているのが住友不動産販売です。

無料で空地の草刈りをしてくれたり、室内の清掃をしてくれたり、場合によっては室内をモデルハウスのように演出する「ホームステージング」まで行ってくれます。

不動産引き渡し後に思わぬトラブルが起きた場合の「駆けつけサービス」などもあり、取引をスムーズかつ安全に進める環境が整っています。

都市部でのマイホームの住み替えなど「短期間に確実な取引を行わなければならない」という時におすすめできます。

セカンドオピニオンとしても使える「三井のリハウス」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
三井のリハウス三井不動産リアルティ株式会社289店舗(直営)全国主要都市

これまで解説してきたように、不動産一括査定サイトの査定額はバラバラで、信頼性が低いのが難点です。

そこで「査定を出してもらったが、納得がいかない」ということもあるはずです。

そんな場合は、業界で唯一「正確な査定」を打ち出す三井不動産リアルティ(三井のリハウス)の査定サービスを利用してみてください。

上記の公式サイトでも、査定額の正確さを訴求しています。また、「売出価格から値下げせずに売り切る」という価格乖離率の低さも、三井不動産リアルティの特徴です。

公式サイトのデータからも、正確な査定を元に、短期間で値引きせずに売り切っていく姿勢がわかります。

ソンをせず適正価格で不動産を売却したい場合や、他社の価格査定に疑問をもつ場合におすすめします。

AIを活用して査定の正確性を可視化する「HowMa一括査定」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
HowMa一括査定株式会社コラビット非公開全国

最近取材させてもらい、また実際にユーザー登録してみて「おすすめできる」と判断しているのがHowMa一括査定です。

HowMaでは、まず最初にAIによる査定額を提示してもらい、その後で専門会社による査定を依頼します。

担当の方にヒアリングした時「最初にAIによる査定額を見てもらうことで、ユーザーに正しい判断をしてもらいたいという想いがあった」と語っていたのが印象に残りました。

実際登録してみると使いやすく、また送られてくるメルマガの内容は、筆者としては「プロの目から見てもちゃんとした内容だ」と考えています。

AIで業界をリードするコラビットが運営しているため「AIをうまく活用してユーザーのメリットを引き出している」と感じます。

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NTTデータグループだから個人情報も安心の「Home4U」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
Home4U株式会社NTTデータ・スマートソーシング約2,500社全国

NTTデータグループ関連会社が運営するHome4Uは、もっとも運営歴の長い不動産一括査定サイトのひとつ。

派手な広告こそ打っていませんが、提携不動産会社数も多く、特に「準大手不動産会社が多数登録している」という特徴があります。

みずほ不動産販売、住友林業ホームサービス、積水ハウス不動産などのしっかりとした企業に査定を依頼できるため、安心して査定を依頼することができます。

地方都市における、住み替えなど失敗が許されない取引でHOME4Uに登録する大手・準大手不動産会社がおすすめです。

LINEヤフー株式会社が運営する「Yahoo!不動産」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
Yahoo!不動産LINEヤフー株式会社非公開全国

筆者も不動産会社の立場でYahoo!不動産に登録し、物件情報を掲載していました。当時はまだ売却サービスがなかったのですが、提携不動産会社数が多く、情報の量や質を担保する運営方針が感じられました。

運営元がLINEヤフー株式会社なので安心感があり、個人情報保護などに気をつかう方におすすめできるサービスといえます。

提携不動産会社数が最大級の「LIFULL HOME’S」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
LIFULL HOME'S株式会社LIFULL4,438社全国

不動産を買うときの情報が多数掲載される、ポータルサイトのLIFULL HOME’S。実は、不動産売却査定サービスも運営しています。

HOME’Sの特徴は、東証プライム市場に上場している株式会社LIFULLが運営しており信頼性が高いこと。また、LIFULL HOME’Sを母体とするため、査定サービスに提携する不動産会社数が非常に多いというのも特徴です。

京王不動産、大京穴吹不動産、三井住友トラスト不動産、三菱UFJ不動産販売などなど、大手・準大手と呼べる不動産会社も多数登録しており、コンプライアンスに配慮した運営も期待できます。

「人の質」にこだわるなら三菱地所グループの「タクシエ」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
タクシエ三菱地所リアルエステートサービス株式会社74社首都圏

大手不動産会社74社から700人のトップ営業マンを選抜することで「担当者の質」にこだわったサービスがTAQSIE(タクシエ)です。

運営は三菱地所リアルエステートサービスですが、同社はサイト運営のみを行い、プレイヤーとしては参加しません。

小田急不動産、長谷工リアルエステート、明治地所、フジ住宅などの大手仲介業者が実働部隊として稼働しています。

首都圏と関西の主要エリアのみに対応するサービスですが、不動産業界で問題となる「人の質のブレ」を解消する、注目のサイトです。

タクシエはセカンドオピニオン利用も歓迎とのことなので「今の不動産担当者に満足がいかない」という場合に、ぜひ試してみてください。

優秀なAI企業が運営する「イエウール」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
イエウール株式会社Speee2,300社以上全国

イエウールは、筆者が不動産会社の立場で利用していた不動産一括査定サイトのひとつです。

複数の一括査定サービスを利用しましたが、沖縄県名護市の事務所まで足を運んでくれた唯一の会社でもありました。

地方で「対応不動産会社が見つからない」という場合、イエウールを試してみるのもひとつの方法でしょう。

イエウールは、現在では不動産一括査定サイトを代表するトップブランドのひとつとなっています。当サイトでは、イエウールを例に、一括査定サイトの使い方を解説した記事も掲載しています。

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住宅や土地以外の物件も査定できる「リビンマッチ」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
リビンマッチリビン・テクノロジーズ株式会社1,700社以上全国

リビンマッチの特徴は、住宅や宅地以外も査定可能なこと。実は、筆者が不動産屋の立場で最も長く利用したのもリビンマッチでした。

およそ10年利用したのですが、その間、多数の農地の査定依頼を受けました(ただし、リビンマッチの運営元から「農地の査定ができることは、あまり大々的に宣伝しないでほしい」と言われていますが…)。

また、倉庫など、変わった物件の査定も可能です。

このように、少し変わった物件であれば、まずリビンマッチを利用して査定してもらうのがいいでしょう。

現状、業界でのポジションとしては、トップを走るイエウールを追い上げている状況といえます。地方での査定にも強みがあります。

収益物件や事業用物件の査定なら、リビンマッチからスタートするのがいいでしょう。

リクルートグループが運営する「SUUMO不動産査定(スーモ)」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
SUUMO不動産査定株式会社リクルート約2,000店舗全国

リクルートが運営する不動産ポータルサイト「SUUMO」の一括査定サービス。物件情報を入力するとエリア内の提携不動産会社が一覧表示され、その中から希望の会社を選んで査定を依頼します。

運営母体がリクルートなので安心感がある点と、最大10社に同時査定依頼ができることが特徴です。

イエウールの兄弟サイト「すまいステップ」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
すまいステップ株式会社Speee800社以上全国

「すまいステップ」は、「イエウール」と同じく株式会社Speeeが運営する不動産一括査定サイトで、2020年にサービスを開始しました。

イエウールとの違いは、提携会社数の「少なさ」。提携する不動産会社を絞り込むことで、質を高める狙いがあります。

また、同時査定できる会社も4社と少なめです。こちらも、過度な競争を押さえて査定の品質を保つことを狙っているようです。

大手6社にダイレクトに査定依頼できる「すまいValue」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
すまいValue大手不動産会社6社6社全国

「すまいValue」は、国内大手不動産会社6社(小田急不動産、住友不動産販売、東急リバブル、野村不動産ソリューションズ、三井不動産リアルティ、三菱地所ハウスネット)が運営する不動産一括査定サイト。大手に一括で査定依頼できるというのがポイントです。

超大手のみに査定を依頼できる点がメリットですが、大都市圏にしか対応しておらず、地方では査定してもらえないのがデメリットです。

中堅や大手企業も多く登録する「おうちクラベル」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
おうちクラベルSREホールディングス株式会社1,868社全国

東証プライム上場企業であるSREホールディングス(旧:ソニー不動産)が運営する不動産一括査定サイト。最大15社に査定依頼できるというのが売りですが、どれくらいの実益があるかは微妙なところでしょう。

ただ、ソニーグループらしくAIによる推定価格を提示してくれたり、入力しやすいすぐれたインターフェイスを備えている点がメリットです。

リビンマッチの姉妹サイト「不動産売却の窓口」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
不動産売却の窓口リビン・テクノロジーズ株式会社非公開全国

リビンマッチと同じくリビン・テクノロジーズが運営する不動産一括査定サイトです。このサイトを通じて成約すると、お祝い金がもらえるなどの特典があります。

しかし、兄弟サイトのリビンマッチとの違いが打ち出せておらず、何のために2つめのサービスを運営しているのかがわかりにくい点が残念です。

マンション専門の査定サイト「マンションナビ」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
マンションナビ株式会社マンションリサーチ約2,500店舗全国

マンションに特化した不動産一括査定サイトで、売却と賃貸の両方の査定を同時に依頼できる点が特徴です。

個人情報を入力せずに査定が可能な匿名査定サービスも売り物ですが、物件を特定した段階で持ち主はすぐわかってしまいます。不動産のプロ相手には、まったく匿名の意味をなさないというのが筆者の判断です。

一方、さりげなく提供しているマンションの相場表示サービス(AI利用)は、案外正確で役に立ちます。「ちょっと値段を知りたい」というだけなら、マンションナビの匿名サービスより、AIによる相場表示の方が役に立つと思われます。

同じくマンション特化の「マンションマーケット」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
マンションマーケット株式会社マンションマーケット非公開全国

マンションに特化した不動産売買サイトで、売却や購入に関する情報提供や査定サービスを幅広く提供しています。

過去の販売実績価格なども閲覧でき、マンション売却を検討する場合の、初期段階から利用できる点がメリットです。

このように役に立つ情報も多く掲載されているサイトなのですが、エリアが一都三県に限られる点が残念です。

一都三県のマンションに対応する「IESHIL(イエシル)」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
IESHIL株式会社リブセンス非公開一都三県

IESHIL(イエシル)も首都圏のマンション売却に特化した不動産一括査定サービス。リアルタイムで価格相場を確認でき、無料で不動産アドバイザーに相談できるといった特徴があります。

AIがその場で相場価格を出してくれるサービスは便利で、また精度もかなり高いと感じます。

ただし、IESHILも対応エリアが一都三県に限られる点が残念です。

運営が変わり復活を遂げた老舗サイト「イエイ」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
イエイ株式会社じげんのべ1,700社全国

2008年にスタートした、老舗の不動産一括査定サイト。筆者も2010年代前半に登録していましたが、今となっては古さが感じられるサービスでした。

しかし最近、運営会社が変わり、運営が一新されました。

ユーザーの代わりに不動産会社に断りの連絡を入れてくれる「お断りサービス」や、不良不動産会社を排除するイエローカード制度などは旧運営会社から引き継ぎつつ、提携会社数を増やすなどの努力を続けています。

土地活用にも対応する「マイスミEX」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
マイスミEX株式会社マイスミEX非公開全国

マイスミEXは、イエイと同じく株式会社じげんが運営しています。イエイとの違いは、売却査定だけでなく、賃貸管理や土地活用プランなど、不動産業務を幅広くサポートしていること。また、イエイは全国展開ですが、マイスミEXは一都三県限定です。

売却以外の不動産活用方法についても興味がある場合は、役に立つサービスといえるでしょう。

一方で、首都圏以外の物件を売却したい場合や、賃貸などは考えていないというケースでは、イエイなどほかの不動産一括査定サイトを利用した方が効率的です。

地味だが地方に強く頼りになる「Re-Guide(リガイド)」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
Re-Guide株式会社ウェイブダッシュ900社以上全国

Re-Guide(リガイド)は、株式会社ウェイブダッシュが運営する不動産一括査定サイトで、2006年からサービスを提供しています。業界でも歴史のあるサイトのひとつといえるでしょう。 

実は筆者も長年リガイドに登録した経験があり、数多くの不動産査定をお受けしました。

特徴としては、比較的誠実な運営姿勢で「不動産会社とともに仕事をしよう」という意識がうかがえる会社でした。

結果として不動産会社ものびのびと営業しており、しつこい営業をするような会社が少ない印象でした。

また、地方で実際に査定依頼をかけてみると「実際には登録不動産会社が多い」ことがわかりました。以下の記事は、筆者が7つの都市で実験してみたレポート記事ですが、結果はリガイドが優秀でした。

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クルマ買取比較で有名なズバットの「ズバット不動産売却」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
ズバット不動産売却株式会社ウェブクルー非公開全国

「ズバット不動産売却」は、株式会社ウェブクルーが運営する不動産一括査定サービスです。ウェブクルーは1999年に設立され、保険や自動車、教育、引っ越しなど、多岐にわたる分野で比較サイトを運営してきた実績があります。

各分野で培ったノウハウがいかされた、使いやすいサイトとのレビューが印象に残りマシた。

比較的後発組なので、まだまだ未知数の部分はありますが、今後成長すると思われるサービスのひとつです。

店舗や農地にも対応可能な「いえかつLIFE」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
いえかつLIFE株式会社サムライ・アドウェイズ非公開全国

「いえカツLIFE」はサムライ・アドウェイズが運営する不動産一括査定サイトで、特に再建築不可物件や相続物件など、取り扱いの難しい物件に対して専門性の高い不動産会社と提携している点が特徴です。

全国対応なので、田舎の訳あり物件にも対応可能な点がメリットです。

ただ、いえかつLIFEは、あまり情報を多く公開しておらず判断が難しい面もあります。

もし訳あり物件の売却を検討するのであれば、実際に筆者が取材をしてみて「運営に信頼がおける」と感じた、訳あり物件買取PROに相談するのもおすすめです。

訳あり物件の買取について、詳しくは以下の記事で解説しています。

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個人情報非公開で査定を依頼できる「いえうり」

サービス名運営会社提携社数対応エリア
いえうりNonBrokers株式会社非公開全国

「いえうり」は、NonBrokersが運営する不動産売却支援サービスで、従来の一括査定サイトとは少し違った特徴があります。

ユニークなのは平均で約33社の不動産会社が入札形式で査定を行う点ですが、筆者としては「これはむしろ危ない」と疑問を感じています。

中身のない「ただ値段が高いだけの査定」は誰でも出せるからです。高いだけの査定をもらっても、相場の範囲に収まっていなければその査定額では売れません

そういった点をふまえて利用するようにしてください。

まとめ「不動産一括査定サイトを正しく選ぶ方法」

サイト名特徴・強み対応エリアサポート体制査定の正確性
タクシエ(TAQSIE)大手限定・選抜エージェント制三大都市圏や広島、福岡など◎ 最後まで伴走◎ 高い
三井のリハウス正確な査定は業界随一。価格乖離率が低い全国(都市部中心)○ 営業担当の質が高い◎ 非常に高い
HowMa一括査定AIによる相場感の把握+有人サポートあり全国◎ 売却成功まで伴走○(AI+実査定)
イエカレ売るか貸すか迷っていても使える/ユーザー重視の運営全国◎ ユーザーに寄り添う○(丁寧な対応)
リガイド地方エリアに強いのが特徴全国(地方に特に強い)○ 最低限のサポートあり
イエイ「お断り代行サービス」で営業ストレスを軽減全国○ 基本的なサポートあり

不動産一括査定サイトを使えば、一度の入力で複数社から査定を受け取ることができ、売却準備の第一歩として非常に便利なサービスです。しかし、一括査定サイトを使うだけで「高く売れる」というのは間違いです。

そもそも、不動産一括査定は不動産会社の営業ツールですから「ウラ側の仕組みを知ってうまく活用する」意識が必要になります。

また、すべての不動産一括査定サイトが同じというわけではなく、ニーズに応じて以下のように使い分けすることも必要です。

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