不動産売却 基礎知識

活用か売却か?「ボロ家」で利益を確保するためのノウハウとボロ物件投資のメリット・デメリット

ボロ物件を売りたいという場合でも、ボロ物件を活用したいという場合でも、築浅物件に比べてハードルが高いことは間違いありません。

上記の写真は、ボロ物件投資で有名な脇田雄太氏の著書です。この本を読むと「ボロ家でもアイデア次第では大きな利益を生む」ということがわかります。

今、ボロ家を売りたいと考えている方。そしてボロ家を活用したいと考えている方には、魅力的な内容といえるでしょう。

しかし、これは脇田雄太氏が、すぐれた不動産投資家だからできることです。一般の方が、これほど上手に投資できるとは限りません。

そこでこの記事では、一般の方がボロ物件を売ったり活用する場合に注意すべき知識をまとめました。特にボロ物件にまつわる危険なデメリットには注意しましょう。

この記事は、宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石が作成しました。

ボロ家を売却・処分する6つの方法

ボロ物件も立派な不動産です。

まずは一般の不動産流通市場で売却できるかどうかを確認しておきましょう。その上で、どうしても売却が難しい場合には、個人売買や0円物件サイトの利用といった代替案を検討するといいでしょう。

どんな不動産でも、時間をかければ買い手が見つかる可能性はありますが、需要が少ない物件の場合、売却までに長期間を要することがあります。

ポイントはその時間的な見極めです。時間があるならのんびり時間をかけて売却すればよく、時間的余裕がない場合は、買取業者や無償譲渡といった手段を選ぶのが現実的な選択といえるでしょう。

ボロ家であっても普通に売却できるケース

ボロ家を売却する際には、建物を残したまま中古住宅として売却するか、更地にして土地として売却するかを検討する必要があります。

ただし、可能であれば建物を残した状態で売却する方が有利です。

家が立っている土地を更地にすると、固定資産税が3~6倍に増えてしまうためです。建物がある土地には「小規模住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が6分の1または3分の1、都市計画税が3分の1に軽減されます。

しかし、建物を解体してしまうと、この特例が適用されなくなり、税負担が大幅に増える可能性があります。

そこで、まずは地方に強い不動産査定サイトなどを利用して、物件近くの優良不動産会社を探してください。

地元不動産屋の探し方については、以下の記事で解説しています。

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「小規模住宅用地の特例」とは?

固定資産税における「小規模住宅用地の特例」は、住宅が建っている土地に対する税負担を軽減する制度です。この特例を適用することで、固定資産税や都市計画税の課税標準額が大幅に減額されます。

特例の内容
小規模住宅用地(200㎡以下)固定資産税:課税標準額が評価額の6分の1
都市計画税:課税標準額が評価額の3分の1
一般住宅用地(200㎡超過分)固定資産税:課税標準額が評価額の3分の1
都市計画税:課税標準額が評価額の3分の2
適用例敷地面積が300㎡の場合:
- 200㎡は小規模住宅用地として軽減措置が適用
- 残り100㎡は一般住宅用地として適用
適用要件
住宅の種類専用住宅または併用住宅(居住部分が総床面積の4分の1以上)
敷地面積の上限住宅の総床面積の10倍まで認められる
  • 空き家の場合: 老朽化した空き家で、特定空家として勧告を受けた場合、この特例の適用が除外されることがあります。
  • 併用住宅の場合: 居住部分の割合に応じて、住宅用地として認められる面積が変動します。

解体して更地の状態で売却する場合

都市部などで土地の需要が高いエリアでは、建物を解体して更地で売却する方法もあります。ただし、解体するかどうかの判断には、以下の点に注意する必要があります。

  • 解体見積が不透明:解体業者によって見積もりに大きな差が出ることがあります。また、アスベストが含まれている場合は、処理費用が高額になる可能性があります。
  • 追加費用を請求されないか注意:業者によっては、後から見積にない追加費用を請求されることもあります。事前に確認が必要です。

そこで、解体費用の見積りは複数業者に依頼し、比較検討するようにしてください。

下記の解体見積もりサイトであれば、一般社団法人「あんしん解体業者認定協会」が運営しており、無料で最大6社の見積もりを比較することができます。

上記は、全国約75,000社のうち1000社の解体業者を選抜し登録しているサイトです。まずはこういったサイトを利用してみて、見積もり比較を行うのが良いでしょう

ただし、建物を解体して更地にする前に、そのエリアに詳しい不動産会社に相談しておいてください。エリアによっては「老朽化していても建物があったほうが高く売れますよ」といわれる事もあるからです。

どんな物件も買い取ってくれるサービスを利用

一般の不動産流通市場で売却が難しい場合は、どんな物件でも買い取ってくれる買取業者に依頼をするのが良いでしょう。

不動産の業者買取はどうしても市場価格よりも安い値段でしか売れませんが、そもそも売れない物件を買い取ってもらうのであれば、価格に関するデメリットはあまり考慮しなくてもかまいません。

このジャンルで信頼性が高いサービスとしては、株式会社AlbaLinkが運営している「訳あり物件買取プロ」があげられます。

筆者はAlbaLinkのウェブ担当さんを取材させてもらったことがありますが、まずは相談からスタートできるのが好印象でした。

「訳あり物件の買取」という業務の性格上、相談だけで終わる事もあるのだそうです。不動産にあまり詳しくない方でも、相談ベースで処分方法を検討し、納得のいく売却活動ができます。

個人売買サイトを利用する方法

筆者は「家いちば」という個人売買サイトを利用して、手持ちの物件を売却したことがあります。

その時感じたのは「個人売買であれば、大抵の物件は時間さえかければ売却可能」だという感触でした。一方、不動産売買に関する知識がないとかなりハードルが高いなとも感じました。

例えば購入希望者が建物の内覧に来た時にも、自分で物件の説明をする必要があります。その土地の用途地域や上下水などインフラの状況をしっかり把握していないと、お客さんの質問に答えることができません。

不動産に詳しくない人には相当ハードルが高いと思います。

ただし契約段階まで進むと家いちばが契約書を作り、仲介に入ります。結局仲介手数料を払う必要があるのですが、その分「契約以降は楽になる」と感じました。

家いちばを利用した不動産売却について、詳しくは以下の記事でレポートしています。

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不動産を無償譲渡できる「みんなの0円物件」

ここまでに解説した様々な方法で売却を試みても「どうしても売却できない」という場合は、不動産の無償譲渡を検討しましょう。

このジャンルで有名なのは「みんなの0円物件」というサイトです。

これは無料で不動産を手放したい人と、手に入れたい人をマッチングする支援サイト。掲載料無料でもらい手を探すことができます。

また売却手続きを全て自分で進める場合は、最後まで費用がかからず、完全に0円で不動産を手放すことができます。

一方、運営会社に物件情報の掲載から様々な交渉や手続きをお願いするプランもあります。この場合は、税込165,000円の料金がかかります

実は筆者もこのサイトを時々眺めています。トーマ不動産の當間社長も、時々このサイトの0円の物件を眺めて楽しんでいるそうです。

無償譲渡する気はない場合でも「こんな不動産が0円で手に入るのか」とかなり楽しく閲覧できるサイトです。

相続土地国庫帰属制度を利用する

上記の「みんなの0円物件」で譲渡できないケースは非常に少ないと思いますが、どうしてもほしい人が見つからない場合、相続した物件に限っては国に引き取ってもらうことができます。

これには、相続や遺贈によって取得した土地を一定の条件下で国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」を利用します。

ただし建物がある土地は引き取ってもらえないので、解体する必要があります。また抵当権等が設定されている土地も引き取ってもらえません。

審査手数料が一筆あたり14,000円かかり、土地の管理費用として一筆あたり20万円を基本とする負担金を納付する必要もあります。

多少の費用がかかる点は要注意です。また、この制度について、詳しくは以下の記事で解説しています。

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ボロ家・ボロ物件投資のメリットとデメリット

ボロ物件投資で有名な脇田雄太さんの著書を読んでみると「わずかな資金で高利回りを挙げることは可能だが、かなりハードルが高い」ということがわかります。

たとえば、脇田さんは購入時のチェックポイントとして「シロアリ被害の有無を確認すること」と、さらりと書いていますが、それは筆者にも不可能です。たぶん、脇田さんも完璧にはできていないでしょう。

シロアリの被害を見つけることは非常に難しく、住んでいてもわからないことが多いからです。詳しくは、以下の記事を読んでみてください。

というわけで、この章では「実はハードルが高いボロ物件投資のメリットとデメリット」を整理していきます。特に、ボロ物件投資では、デメリットを押さえておくことが大切です。

ボロ物件投資のメリット

ボロ物件投資のメリットとしては、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 補助金が使える場合がある
  • 初期投資が抑えられ、資金がなくても算入できる
  • 高利回りを実現しやすい
  • 投資に失敗したときのリスクが小さい
  • 空き家問題解決に寄与できる社会的意義

借入をして、アパート一棟を買うほうが収益は大きくなります。それに対して、ボロ物件投資の場合は小さな予算で小さく稼ぐことができるのがメリットです。

初期投資が少なくリスクも小さいため、投資に失敗したとしても破産する恐れは少ないでしょう。

また、この記事の少し下のほうで紹介する補助金が使える場合は、より少ない投資額で不動産投資に挑戦できる可能性もあります。

そこで、ボロ物件投資は「まず投資というものを理解したい」という段階で、おすすめできる投資スタイルとも考えられます。

ただし、だからといって決して簡単なものではありません。

ボロ物件投資のデメリット

上記のように、ボロ物件投資のメリットは多いのですが、デメリットもあります。

筆者が考える、ボロ物件最大のデメリットは「物件選定とリフォームのハードルが高い」ということです。

少なくとも、その物件を始めて内覧したときに、ざっと利回りが想定できる知識がないと危険でしょう。そのためには、利回りの計算ができるだけでなく、リフォームにかかる金額を想定できる必要があります。

他にも、ボロ物件には以下のようなデメリットがあります。

  • リフォームに手間がかかる
  • 修繕費用が読めない
  • 火災保険に入れないケースもある

リフォーム代が想定できたとしても、自分で大工や設備会社を手配したり、時にはDIYで施工しないと予算が合いません。

また、リフォームが完了した後も、築古物件は修繕が必須です。その費用も読めません。

築50年程度になると、火災保険加入を断られるケースもあります。こくみん共済(全労済)であれば築古物件でも火災保険(火災共済)に加入できますが、自己用の物件に限られます。

そこでボロ物件を購入する際は、あらかじめ引き受け可能な保険会社があるかどうかを確認しておく必要があります。

ボロ家を購入するとき使える補助金

実は、ボロ物件・ボロ家(空き家)をリフォームをする場合、多くの市町村が補助金を用意しています。

購入時に使える補助金についても、様々な要件こそありますが、多くの市町村で購入補助金を用意しています。

そこでボロ家を購入したり、活用しようと考えている場合は、こういった補助金を調べておく事は必須だといえるでしょう。

ボロ家・空き家の補助金を検討する場合の注意点

空き家やボロ家に対する補助金は、市町村ごとに予算が決まっているため、利用するには申請のタイミングが非常に重要です。

特に人気のある補助金制度では、新年度が始まる4月に募集が開始され、5月頃には予算がなくなって締め切られる、ということも珍しくありません。

そのため、補助金を利用したい場合は、秋から冬の間に下調べを済ませ、4月の募集開始にすぐ応募できるよう準備しておくことをおすすめします。早めの行動が、補助金を確保するためのポイントです。

移住向けなど、要件はあるが補助金の数は多い

ボロ家を購入する際に利用できる補助金は、全国の多くの市町村が制度化しています。

ただし、その要件は自治体ごとにさまざまです。たとえば、市外からの移住者を対象としたものや、市内在住の子育て世帯を支援するもの、空き家バンクを利用して購入した場合に適用されるものなど、多岐にわたります。

政策の狙いに応じて条件が異なるため、まずは自治体が公開している情報を確認し、自分の計画が条件を満たしているかを調べることが必要です。

また、ここに掲載していない自治体にも補助金が用意されている可能性が高いため、対象地域の市町村窓口や公式ホームページで確認してみてください。

補助金名市町村
空き家取得費等補助金北海道伊達市
空き家取得費補助金青森県野辺地町
取得費用補助金等岩手県北上市
若者世代等空き家取得奨励金等岩手県花巻市
会津美里町住宅取得支援事業補助金福島県会津美里町
空き家取得支援金福島県矢吹町
空き家対策関係補助金福島県只見町
空家利活用促進補助金山形県山形市
移住定住促進補助金宮城県川崎町
空き家取得費補助金栃木県那珂川町
定住促進対策住宅取得費補助金群馬県中之条町
空き家関係補助事業新潟県糸魚川市
ふるさと定住支援住宅取得費補助金千葉県いすみ市
空き家活用・流通促進事業神奈川県藤枝市
空き家取得費補助制度神奈川県愛甲郡愛川
空き家取得費助成金神奈川県南足柄市
住宅・空き家等への居住支援富山県高岡市
空家取得支援事業福井県坂井市
空き家取得等支援補助金福井県あわら市
住宅支援制度愛知県美浜町
空き家取得活用補助金三重県四日市市
移住促進空き家取得費補助金三重県伊賀市
中古住宅流通促進補助制度大阪府八尾市
若者世代空き家活用補助制度大阪府枚方市
空き家バンク活用促進事業補助金大阪府阪南市
空き家活用支援事業兵庫県
空き家活用定住促進事業補助金岡山県津山市
移住・定住促進補助金愛媛県大洲市
三木へきーまい!助成金香川県三木町
若者住宅取得補助金制度香川県東かがわ市
子育て世代空き家購入費補助金山口県柳井市
住宅取得費補助金福岡県直方市
移住定住環境整備事業補助金長崎県平戸市
住まいへの支援熊本県錦町
住宅取得費助成金交付事業鹿児島県垂水市
移住者住宅取得事業等補助金鹿児島県屋久島町

上記は一例で、補助金制度は他の市町村でも用意されています。

リフォームなどで使える補助金も意外と充実

空き家・ボロ家をリフォームして活用したい場合にも、補助金が利用できる場合があります。リフォームに着手する前に、一度市町村の補助金制度について調べてみましょう。

リフォーム等の補助金も、自治体によって条件や金額が異なりますが、利用できる場合はうまく活用してください。

ボロ家は購入価格が安いかわりに、リフォーム代がかさむケースもあります。補助金を上手に使い、コストを削減しながら格安に活用できればベストでしょう。

補助金名等URL
空家等の適正管理について | 笠間市公式ホームページhttps://www.city.kasama.lg.jp/page/page004834.html
多賀町空き家住宅等除却支援事業 | 多賀町役場https://www.town.taga.lg.jp/contents_detail.php?frmId=159
空き家改修補助金 ? 香美市公式ホームページhttps://www.city.kami.lg.jp/site/akiya/akiyahojo.html
久留米市:空き家活用リフォーム助成事業補助金https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1050kurashi/2080juutaku/3100akiya/2018-0416-1008-96.html
大阪府大阪市:空家利活用改修補助制度https://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000470652.html
移住支援事業 | 奈良県吉野郡黒滝村https://www.vill.kurotaki.nara.jp/ijyu/ijyusien/
焼津市空き家除却事業補助金https://www.city.yaizu.lg.jp/life/sumai-kenchiku/akiya/akiya-hojyo.html
亀山市移住促進のための空き家リフォーム支援事業https://www.city.kameyama.mie.jp/docs/2018073000016/
長野県富士見町空き家改修費補助金https://www.town.fujimi.lg.jp/page/akiya-hozyokin.html

上記以外にも、各市町村で補助金を用意しているケースが多いですから、ボロ物件購入を考える前に、一度調べてみる価値はあるでしょう。

一般に、空き家等で使える補助金は移住など自己居住用が多いので、その点はあらかじめ押さえておいてください。

ボロ家のリスクをおさらい!

筆者は、ボロ物件を購入したり活用することも、いいアイデアだと考えています。

その一方で、ボロ物件には特有のリスクが伴います。特に、ボロ家を所有しているだけでも一定のリスクが生じる点は、意識しておくべきでしょう。以下に、代表的なリスクをまとめました。

ボロ物件が抱える主なリスク

  • 維持管理費用の増加
    築年数が古い物件は、修繕やメンテナンスにかかるコストが年々増加する可能性があります。
  • 税負担の増加と解体費用の発生
    特定空き家に指定されると、固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、税負担が大幅に増加します。また、行政から解体を指導されることがあり、解体費用が発生する場合もあります。
  • 既存不適格物件のリスク
    法律の改正により、建築基準法に違反する「既存不適格物件」とみなされる可能性があります。この場合、売却や改築が制限されるなど、活用に影響が出ることがあります。
  • 建物倒壊による人的被害のリスク
  • 老朽化した建物が倒壊し、通行人や近隣住民に被害を与える危険性があります。このような事態が起きると、損害賠償の責任を問われる可能性があります。

特定空き家に指定されないよう注意

特定空き家に指定されると、自治体から指導が行われることがあります。

自治体の指導に従わない場合、最終的には行政代執行(強制解体)が行われ、その費用を請求されるケースもあります。

こういった点に留意し、ボロ物件・空き家の購入や活用を検討する場合は、あらかじめリスク対策を立てておく必要があります。

当社で購入したボロ家の事例

当社は、これまで沖縄県内でのボロ物件購入において失敗したことがありません。

キャピタルゲインを確保し、利益を上げてきました。しかし、沖縄県外のエリアでは必ずしも同じような結果を得られるわけではありません。

ここでは、大阪府下で当社が購入した2件のボロ物件について、その実例をレポートします。

「トーマ不動産マガジン」を運営しているアップライト合同会社の事例です。トーマ不動産の事例ではありません。

150万円で買い150万円で売却した築古マンション

当社が沖縄県から大阪府に移転した際、事務所用として1973年築の古いマンションを1室購入しました。物件は大阪府郊外に位置しており、3DK・約45平米の部屋を150万円で購入できました。

その後、隣接する街で別の物件を購入したため、当該マンションは売却することにしました。購入時の状態のまま、リフォームなど手を加えることなく売りに出した結果、同額の150万円で売却が完了しています。

この物件については、リフォームを行っても費用を回収できるほどの付加価値を見込めないと判断したため、何も手を加えずに売却を決定しました。

売却活動の実情について、詳しくは以下の記事で解説しています。不動産一括査定サイトを4つ利用し、不動産会社の仲介を経て売却を完了させた流れについても記載しました。

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キャピタルロスが出た築50年古民家

次に購入したのは、海の近くにある築50年の古民家一戸建て物件です。この物件は、倉庫兼事務所として活用しました。

リフォーム後の事務所部分

写真のとおり、事務所部分を改装し、ガレージ風の内装に仕上げて利用していました。

購入費用とリフォーム費用の内訳は以下の通りです。

購入費用¥600,000
諸費用¥300,000
残置物処理¥200,000
外装リフォーム¥600,000
内装リフォーム¥1,600,000
合計¥3,300,000

購入時の売り出し価格は150万円でしたが、近隣調査の結果、以前60万円で売り出されていた事を確認し、60万円で指し値して成約しました。加えて、諸費用や残置物処理代を含めた総費用は約330万円となりました。

数年間利用した後、自宅近くの空き地を購入し、そこに小さな事務所を設置することにしたため、本物件も売却することになりました。

家いちばを利用した個人間取引で成約し、成約価格は190万円でした。購入費用やリフォーム費用を合わせると、140万円のキャピタルロスが発生したことになります。

本件について、当社としては「不動産投資のプロとして失敗例だった」と考えています。

しかし、沖縄県のように不動産価格が上昇傾向にある地域とは異なり、不動産価格が横ばい、もしくは下落傾向にある地域では、ボロ物件投資でキャピタルゲインを得ることは難しいと言えるでしょう。そのため、ボロ物件投資を行う際には、インカムゲインのみに焦点を当てるべきというのが筆者の結論です。

この物件の売却について、詳しくは以下の記事でレポートしています。

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まとめ

この記事では、ボロ家の売却や投資を成功させる方法について解説してきました。まず、絶対に伝えておきたいのは「ボロ家を売るにも活用(投資)するにも、通常の不動産活用に比べて、より深い知識が必要」という点です。

そこで「ボロ物件を売りたい」という場合は、通常の不動産売却ルートだけではなく、「売れない場合」に備えた二の矢、三の矢を用意しておく必要があります。

  • 一般的な売却:まずは地元不動産会社で査定を依頼。
  • 解体して更地で売却:費用や税負担増に注意が必要。
  • 個人売買や無償譲渡:サイト「家いちば」や「みんなの0円物件」が有効。
  • 買取業者利用:市場で売却できない物件の最終手段として活用。

上記のような売却方法を、複数検討しておくといいでしょう。

また「ボロ物件を活用したい」「ボロ物件に投資したい」という場合は、メリットに目が向きがちです。しかし、デメリットにこそ目を向けてください。

ボロ物件投資のメリット・デメリット

メリット:購入価格が安く、高利回りが期待できる。補助金を利用すれば初期費用を軽減可能。

デメリット:修繕費や火災保険加入の難しさ、老朽化による維持管理費の増加。

ボロ物件投資は、投資初心者でも挑戦しやすいからこそ、慎重な計画と物件選びが重要です。

また、購入時やリフォーム時には、市町村の補助金を活用できないか、調査しておいてください。

沖縄県内のボロ物件はトーマ不動産まで

国内でも目立って不動産価格が上昇している沖縄県内では、ボロ物件でも高値で売却できる可能性があります。

ご売却を検討される場合は、トーマ不動産までご相談ください。トーマ不動産では、AIを活用した不動産査定ソフトを使用し、精密な価格査定をお出ししています。

また、築古物件や相続物件の場合は、権利関係が複雑化しているケースもあります。税金などについても注意が必要でしょう。

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