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不動産買取の注意点は「相場より大幅に安い」こと。それでも利用すべき?

不動産買取の場合は相場より大幅に安い価格でしか買い取ってもらうことができません。

筆者の肌感覚では、相場より3割から5割ほど安く買い取らないと不動産会社の利益が出にくいと感じています。

仲介なら1000万円
買取なら500~700万円

不動産買取の裏側には、こういった事情があります。この点を理解し、利用すべきかどうか判断してください。

また記事末尾では「それでも不動産買取を利用したいケース」を補足的に解説しました。

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この記事は宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石が執筆しました。

不動産買取と不動産仲介の違い

一般的な不動産価格査定で提示される金額は、仲介で販売した場合の市場価格です。

これは、SUUMOなどの不動産情報サイトに掲載されている価格に近い、いわゆる「相場価格」だと考えて良いでしょう。

しかし、不動産買取の場合、不動産屋が買い取った上で税金や諸費用を支払い、さらにリフォームなどの修繕を加え、不動産屋の利益を乗せて販売する必要があります。

そのため、不動産買取では、市場価格よりも大幅に安くなります

不動産買取とは何かをおさらい

不動産買取とは、不動産会社が物件を買い取ることですが、当然販売するために買い取るわけです。

そこで、不動産買取とは「不動産屋の仕入れだ」ということができます。

また、不動産買取と一般に一口に言ってもいくつかのパターンが考えられます。

戸建て住宅やマンションの場合、不動産業者が買取ると、多くの場合リフォームをしてから付加価値をつけて再販します。

土地の場合、そのまま再販することもありますが、大きな土地を仕入れて一戸建て住宅に適したサイズに分筆し、各区画を販売することもあります。それに伴い、開発行為を行うこともあります。

ハウスメーカーが買い取る場合は、建築条件をつけて、自社の建物を建ててくれる人に向けて販売することもあります。

買取価格の相場と仲介価格の違い

不動産を仲介で売却する場合、不動産会社の仲介手数料は成約価格のおよそ3%程度です。これはそれほど大きな金額ではありません。

しかし不動産買取の場合、不動産業者は総コストに対して2~4割程度の利益を乗せて販売します。場合によっては、仲介手数料の10倍以上の利益になるわけです。

この記事内で、筆者が実際に買取を実行したときのプランニングシートを公開しています。少し下までスクロールしてみてください。

不動産買取のメリット① 早く売却できる

不動産の買取でよく言われるメリットの1つに、「すぐに売却できる」という点があります。

一般的に、一戸建て住宅の売却にかかる期間は全国平均で11か月程度といわれています。マンションの場合でも3か月から6か月程度は必要です。

購入時価格平均売却価格平均居住年数平均売却までの期間
全体 (295名)3,459万円2,536万円13年8か月11か月
マンション (184名) 3,558万円2,579万円12年6か月6か月
一戸建て (111名)3,295万円2,464万円15年11か月

これに対して、不動産会社による買取であれば、ければ数日で決済が完了します。

出典: 不動産の売却・中古購入に関する調査(athome)

不動産買取のメリット② 後腐れなく売却できる

仲介で一般のお客さんに不動産を売却した場合、後々、契約不適合責任等の問題が生じる可能性があります。

しかし、不動産買取であれば、プロの宅地建物取引業者が買い取るため、後々のトラブルに関する心配は少なくなります。

何か問題があっても、不動産会社は自社で対応できるので、クレームにつながる可能性がかなり低いからです。

ただし「仲介手数料がいらない」に騙されてはいけない!

不動産の買取業者がよく使う「買取であれば仲介手数料がいらない」という営業トークには注意が必要です。

仲介手数料は不動産価格のわずか3%ほどです。それを節約しても、ほとんど焼け石に水といえるでしょう。

仲介手数料が不要というのは、実はたいしたメリットではありません

不動産買取のデメリット① 相場より大幅に安く買われる

不動産買取の最大のデメリットは、相場より大幅に安くなってしまうことです。

少なくとも、市販価格の3割ほどは安くなると考えておいた方が良いでしょう。半額程度になる場合もあります。

なぜそんなに安くなるのか、疑問に思うかもしれません。ここで、筆者が実際に一戸建て住宅を買い取り再販したときのデータを公開しましょう。

筆者が実際に買い取りしたデータから「高く買えない」理由を解説

以下は筆者が2014年に実際に買取再販を実施したときの試算です。

1,200万円で一戸建て住宅を購入後にリフォームし、2,185万円で販売する計画書でした。また、実際に、この計画通りに事業が完了しました。

購入価格¥12,000,000
購入時諸費用¥776,025
諸費用¥1,514,423
リフォーム¥5,354,850
販売価格¥21,850,000
販売利益¥2,204,702

資料でわかるとおり、利益としてはすべての原価に対して1割ほどとなっています。実は、これはギリギリの利益率で、銀行からはこれを下回ると融資が難しいと言われたプランです。

確かに一戸建てを安く購入しましたが、およそ1年の期間をかけて220万円しか儲からなかったわけです。これが、不動産買取の実情です。

したがって、「高く買い取ります」と言われても、その価格の限界はかなり低いと考えた方が良いでしょう。

トーマ不動産株式会社ではなく、原稿を作成しているアップライト合同会社の立石が買取再販した時のデータです。

不動産買取のデメリット②買い取り価格が不透明(不動産屋による)

残念ながら不動産屋の買取では、激安で買い叩くということはよくあります。

実際の事例ですが、査定額1200万円の一戸建てを売却希望のお客さんが、税金滞納等で差押えを受けており「すぐにでも売りたい」というご希望でした。

しかし買取だと750万円程度になるため、筆者は「なんとか資金を調達して、仲介で売りませんか」と提案しました。

ところが、この方はC不動産という会社に飛び込みで行き、500万円で売却してしまったそうです。

C不動産の社長は、普段はいい人なのですが……。そこまで足元を見るのかと驚いた出来事でした。

そこで、不動産会社による買取を予定している方は、絶対に売却先不動産会社をよくよく検討してください。

買取価格の不透明さをなくすなら…

おすすめを1つあげるとしたら、関東地方限定となりますが、三菱地所グループが運営するタクシエがいいでしょう。

タクシエには上位51社の大手不動産会社のみが登録し、その中のトップ営業マン(各社数名)が対応します。仲介と買取の両方に対応しているので、どちらについても相談できます。

また、コンプライアンス体制が確立されている大手不動産会社のみが対応するので、「足元を見たれた」「ダマされて買いたたかれた」という心配がないのがメリットです。

首都圏の方であれば、まずタクシエの買取価格を確認しておき、それを基準にするといいでしょう。

不動産買取5つの注意点

もし知人に不動産買取を考えていると言われたら、筆者がまずアドバイスする点は以下の5つです。

なかでも心配なのは予算の問題なので、そこから検討していきましょう。

注意点①売却して住宅ローンを完済できるか?

一般に、不動産買取の場合は、市場価格よりもかなり安くなってしまいます。

最初に心配になるのは、住宅ローンが残っているケースで、そのローンを完済できるかどうかが問題です。

住宅ローンがいくら残っているか把握していない場合は、銀行に問い合わせて、償還表を送ってもらうと良いでしょう。早めに手続きをしておくことをお勧めします。

注意点②「即日買取」と「買取保証」の違いは?

一般の不動産買取は、即日買取です。それに対して、大手の仲介業者などが提供する買取保証は、仲介で一定期間売れなかった場合に、その不動産会社が買取をするというオプションです。

仲介業者の買取保証には安心感がありますが、査定額で買い取ってもらえるわけではない点に注意が必要です。

注意点③「買取不可」となる場合もある

どんな不動産でも買取をしてもらえるわけではありません。

不動産の仲介業者は、自社が買い取って販売をする際に、重い法的な責任を負わされます。そのため、法令上の問題がある物件は買取不可となることがあります。

例えば、筆者が今住んでいる自宅は、地場の不動産業者が買取不可とした物件です。その理由は、敷地の一部がハザードマップ上の土砂災害危険箇所に該当していたこと。そこで、筆者に格安で回ってきたのです。

このように、不動産業者は法令上の問題がある場合「買取不可」とすることがあります。

注意点④本当に急ぐ場合は「誰が買い取るか」に注意

筆者が実際に遭遇したパターンで注意したいのは、自社で買取をすると言いながら、実際には別の業者に紹介するだけというケースです。

資金力がない仲介業者がよく使う手法で、「買取ります」と言って安心させておきながら、実際には別の業者に買わせるわけです。

このような場合、せっかくの不動産買取なのに、商談がスピーディーに進まず、仲介で販売したのと同じくらい時間がかかってしまいます。

しかも値段は市場価格より安い業者価格……。

これでは、どこにもメリットがありません。

一方で、ハウスメーカーの土地買取は比較的高い価格で買ってくれる傾向があります。ハウスメーカーは建物で利益を出すため、土地ではあまり儲けなくてもイイからです。

不動産会社が「ハウスメーカーが買い取りたいと言っている」と言ってきたら、前向きに検討してみてもいいでしょう。

注意点⑤契約書の特約条項には注意を払いたい

普通の不動産会社であれば、売主が一般の方である点を考慮し、あまり細かい注文を付けたり、特約条項に自社だけが有利になるような内容を入れたりしません。

しかし、中には売主が素人なのをいいことに、自社に有利な特約条項を付す場合もあります。

買取再販を専門に行っている業者は利益追求型の会社が多いため、特に警戒してください。

まとめ「不動産買取の実情と注意点をおさらい」

ここまで述べてきたように、不動産の買取では、不動産を仲介で販売する時に比べて、大幅に価格が安くなります。

筆者の感覚では、不動産会社が利益を出すためには、相場の7割以下で買わないと難しいと考えます。

一般の人が不動産の買取を検討する場合「それでもいいから早く売りたい」という場合に限定して考えるのが良いでしょう。

また、不動産買取を検討する前提として、正確な価格査定を出しておくことも重要です。正確な査定額が分からないと、査定額と買取価格の本当の差分を知ることができないからです。

筆者は最も正確な査定額を出してくれる不動産会社として、大手不動産仲介業者の中でも「三井のリハウス」を推します。

「三井のリハウス」は上記の公式サイトでも価格査定の正確さを大きく打ち出しています。

また、三井不動産リアルティ(三井のリハウス)は「買取サポートシステム」を儲けています。仲介と業者買取の両面で相談することができます。

都市部であればぜひ、三井の価格査定を出してもらってください。

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大手不動産会社のみに買取査定を依頼できる「タクシエ」

不動産買取では「足下を見て安く買い叩かれる」といったことは、実際にあります。中小不動産会社の場合は、まじめに営業する会社もあれば、自社の利益を優先する会社もあるからです。

そんな不安がある場合は、三菱地所グループが運営するタクシエ(TAQSIE)というサービスをおすすめします。

タクシエでは大手不動産会社51社の中から、最も有利な条件を提示できる3社が対応。3日以内に価格を提示し、1か月以内に買い取ってくれます。またセカンドオピニオンとしての利用も可能です。

ただし、対応エリアは一都三県のみなので、首都圏以外の方は今のところ利用できません。

それでも不動産買取を利用したいケースとは?

筆者はプロですから、不動産買取を利用することはありません。

どうしても急いで資金が必要な場合は、その不動産を担保にして融資を受ける方が有利です。いったん手元資金を確保してから、十分な時間をかけて仲介で売却した方が、3~5割も高く売れるからです。

しかし、それでも不動産買取を利用してもいいケースが2つだけあります。

CASE1: 大手不動産会社の「買取保証」

業界トップクラスの大手不動産会社は、仲介で売れなかった場合の「買取保証」を用意しています。もちろん、買取ですから価格は安くなりますが、売却活動中に突発的な資金難に陥った場合、安心材料となるでしょう。

買取保証を利用したい場合、大手不動産会社のみに査定依頼ができるすまいValueが便利です。

CASE2: 訳あり物件の買取

どうしても正常な不動産流通にのせにくい物件という物も存在します。

事故物件や、再建築不可物件、市街化調整区域内で建築自体が認められない土地など、普通に売却することが難しい物件を、専門の買取業者に相談してみるというのは悪くない選択です。

筆者が実際に取材してみて、良心的に営業しているなと感じたアルバリンクの「訳アリ物件買取PRO」なら、相談ベースでの問い合わせもOKです。

「訳アリ物件買取PRO」のウエブ担当者さんの話では「訳アリ物件の性質上、とりあえずお悩み相談で終わることも普通ですよ」とのことでした。悩んでいるなら、買取相談をしてみてもいいでしょう。

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トーマ不動産では、常に正確な価格査定を提出し、確実なご売却プランの提案を行っています。沖縄県内(沖縄本島)の不動産については、幅広くご相談に対応しています。

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