沖縄では観光地としての魅力や県外とは異なる気候風土から、不動産の需要動向も他府県との違いがあります。
沖縄で不動産売却に影響するポイント
- 観光需要が大きくマイホーム需要と競合するため不動産取得が難しい
- 県外・国外からの投資目的マネーが流入することで価格が上昇傾向
- 米軍基地の影響を受けやすく米国の政策の影響を受ける可能性もあるす
- 地域により交通その他のインフラ整備状況に違いが大きく、価格差につながっている
- 県土の面積、とくに都市部の土地面積が限られており地価が高止まりしやすいす
沖縄県内の不動産売却においては、上記のような特徴があることに加え、一般的な不動産売買の知識も必要になります。
「不動産会社とどう付き合うのか?」また「沖縄県内の不動産会社の特長や傾向は?」といった点も把握しておかないと、不動産売却で失敗する確率が上がってしまいます。
そこで今回は、不動産を初めて売ることを検討している方向けに、沖縄における不動産売却の基礎知識と沖縄で高く売りやすいタイミングについて、筆者の現場感覚をもとにした見解をご説明していきたいと思います。
より詳しいアドバイスが必要な場合は、トーマ不動産までお問い合わせください。トーマ不動産では、決してしつこい営業などはせず、大切な不動産売却にあたって適切なアドバイスを行っています。
この記事はトーマ不動産の當間が制作しました。
不動産売却の流れと注意点
不動産売却は、意外と時間がかかります。ここでは、不動産売却の流れや、売却完了までの一連の流れを説明します。
不動産売却をスムーズに進めるためには、各ステップを理解し、適切な準備を行うことが重要です。ここでは、不動産売却の一連の流れと、それぞれの段階で押さえておくべきポイントを解説します。
今回の「流れ」は、不動産の売却に慣れていない方向けに作成しています。
媒介契約の類型と売却にかかる期間の関係
不動産仲介をメインに営業している不動産会社の場合、主な収入源は仲介手数料です。その仲介手数料は「成功報酬」ですから、売れるまでは一銭も入ってきません。
そのため、すぐに売れる物件や、専任媒介契約で自社のみが取り扱える物件を優先する傾向があります。
一般媒介でなおかつ売却までの期間が長くなると、その分だけコストがかさむため、積極的な販売活動を行わない傾向があります。
そのため、売れ筋物件なら一般媒介でいいが、問題があったり相場より高い物件は専任媒介を検討した方がよいと考えてください。
沖縄での不動産売却の流れ
最初に、自分の不動産が市場でどの程度の価格で売れるのかを確認することが重要です。不動産の価格は立地や築年数、市場の需給バランスなどによって変動します。不動産ポータルサイトで類似物件の価格を調査したり、不動産会社の無料査定を活用して、相場を把握しましょう。
具体的には、価格査定・相場確認に始まる売却のプロセスは、以下のように進めます。
不動産会社に相談する
売却価格の目安がついたら、不動産会社に相談します。複数の会社に依頼し、査定額や対応を比較することで、自分に合った会社を選ぶことができます。不動産会社によっては、売却の戦略やサポート内容が異なるため、契約前にしっかり確認しておきましょう。
査定書を受け取り、比較検討する
不動産会社から査定書を受け取り、売却価格や販売戦略を比較します。単に高額な査定を提示する会社が必ずしも良いとは限りません。査定の根拠や実績、売却までのサポート内容を確認し、信頼できる会社を選ぶことが大切です。
媒介契約を結ぶ
信頼できる不動産会社を選んだら、媒介契約を結びます。媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介の3つの類型があります。
契約の類型には、それぞれに特徴があります。どんな物件を選ぶかによって選ぶべき契約類型が違いますし、売却活動の進め方も異なります。以下の記事を参照して、自分の状況に合った契約を選びましょう。
売買契約の締結
買主が見つかり、条件が合意すれば売買契約を締結します。この際、売買契約書の内容をしっかりと確認し、後々のトラブルを防ぐためにも、不明点は事前に解決しておきましょう。
不動産の引き渡し準備
売買契約が成立したら、引っ越しの準備を進めます。引き渡し前には、
- 建物の最終確認
- 付帯設備のチェック目
- 必要書類の準備
などを済ませておきます。不動産会社の担当者にサポートをお願いすれば手伝ってもらえるはずです。
代金の決済と引き渡し
買主から残代金を受け取り、物件の引き渡しを行います。この際、司法書士を交えて所有権移転登記を行い、売却が正式に完了します。
所有権移転登記と司法書士報酬について、詳しくは以下の記事で解説しています。
確定申告を行う
ここにコンテンツ不動産売却後は、翌年の確定申告で不動産譲渡所得税の申告が必要になります。売却益が出た場合は課税対象となるため、必要書類を準備し、申告を忘れないようにしましょう。
不動産売却は、各ステップを適切に進めることでスムーズに完了させることができます。特に「売却のタイミング」や「信頼できる不動産会社選び」が成功のカギを握ります。不動産売却が初めての方は、焦らず慎重に進めることを心掛けましょう。
知っておきたい「仲介」と「不動産買取」の違い
不動産売却には、売却価格や期間、手続きなど、確認しなければならない点があります。なかでも、売却の出発点となる「売却方法」の違いには注意してください。
不動産売却には大きく分けて、「不動産仲介」と「不動産買取」の2つがあります。
不動産仲介
不動産会社が売主の代わりに、不動産購入希望者を探すのが、不動産仲介です。不動産会社は、売主と売買契約を結び、買主を探します。 売主のメリットは、相場価格で売却しやすく、複雑な手続きや書類作成など、不動産会社に委託できることです。不動産会社の仲介により、取引の安全性が保たれたまま、契約を締結できます。
仲介に入る場合、手数料は売却価格×3% + 6万円 + 消費税となります。
また、不動産の仲介手数料について、詳しくは以下の記事で解説しています。
不動産買取
不動産会社が、売主から直接物件を購入するのが不動産買取です。不動産買取における売主のメリットは、短期間で不動産売却できることです。
不動産会社と売主の双方が合意すれば、すぐに売却でき、仲介手数料も発生しません。買取後、ほとんどの不動産会社は、リフォームやリノベーションなどを行い、再販します。そのため、諸費用や税金の分、買取価格が不動産仲介に比べて安く設定されているのが通常です。
不動産の買取について、詳しくは以下の記事で解説しています。
不動産売却で失敗しないコツ
不動産売却を成功させるためには、不動産売却の仕組みと流れを理解し、適切な準備を行うことが重要です。また、売却が思うように進まない原因を把握し、適切に対処することも求められます。ここでは、不動産売却のプロセスと、失敗を避けるためのポイントを解説します。
不動産会社にとって、主な経費は人件費や広告費、店舗の維持費です。そのため、すぐに売れる物件や、専任媒介契約で自社のみが取り扱える物件を優先する傾向があります。一方で、売却までの期間が長くなると、その分だけコストがかさむため、積極的な販売活動を行わない傾向があります。
このような背景を理解し、売却戦略を考えることが必要です。
売却価格の目安を把握する
最初に、自分の不動産が市場でどの程度の価格で売れるのかを確認しましょう。不動産会社の価格査定が正しいとは限りません。
また不動産の価格は立地や築年数、市場の需給バランスによって変動します。不動産ポータルサイトで類似物件の価格を調査したり、不動産会社の無料査定を活用することで相場を把握できますから、ある程度の相場間はつかんでおいてください。
不動産の相場価格の調べ方や、おすすめの無料サイトは以下の記事で紹介しています。
不動産会社の選定
売却価格の目安を把握した上で、不動産会社に相談してください。業者選定時のポイントとして、以下の3点があげられます。
- 付き合いのある不動産会社があれば相談
- 付き合いがない場合は2~3社に依頼
- ホームページ、紹介、YouTube、ポータルサイトなどで評判を確認
複数の会社に査定を依頼し、売却戦略やサポート内容を比較することで、自分に合った会社を見つけることが大切です。
沖縄本島でおすすめできる不動産会社については、以下の記事で解説しています。同業者目線で具体的なポイントを解説している記事は少ないので、ぜひ参照してみてください。
査定と売却プランの確認
不動産会社から査定書を受け取り、売却価格や販売戦略を比較します。単に査定額が高い会社が良いとは限りません。
- 査定金額の根拠が明確か
- 購入希望者のターゲットが明確か
- 売却にかかる費用や税金の説明が十分か
上記の点を確認し、納得できる会社を選びましょう。
媒介契約の締結
信頼できる不動産会社を選んだら、媒介契約を結びます。契約には以下の3つの類型があります。
契約種類 | 他の不動産会社への依頼 | 自己発見取引 | 業者の義務 |
---|---|---|---|
一般媒介 | 可能 | 可能 | 特になし |
専任媒介 | 不可 | 可能 | 2週間に1回以上の報告義務 |
専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 1週間に1回以上の報告義務 |
すでに述べたように、人気のある物件は一般媒介が有利ですが、時間がかかる物件は専任媒介が向いている場合もあります。
また、媒介契約の類型や注意点、どれを選ぶべきかの具体的なアドバイスは以下の記事で解説しています。
売却活動の開始時の注意点
契約後、不動産会社が販売活動を開始します。売却活動を円滑に進めるために、
- 物件状況報告書や告知書、設備表を事前に準備
- 土地の境界問題や設備の不具合を事前に説明
- 必要に応じてホームインスペクションを実施
こうした準備をすることで、購入希望者に対する説明がスムーズになり、トラブルを防ぐことができます。ホームインスペクションに関しては、対応している不動産会社が限られるため、業者選定の段階から確認しておくといいでしょう。
代金の決済と引き渡し時の注意点
買主から残代金を受け取り、物件の引き渡しを行います。この際、司法書士を交えて所有権移転登記を行い、正式に売却が完了します。
この時、売主としては「必要書類を確実に用意する」という点に注意してください。抵当権抹消書類の手配を忘れるだけで、売買が流れてしまうこともあります。
不安な場合は、以下の記事からダウンロードできるチェックリストを活用してください。
不動産の売却までにかかる期間と費用
不動産査定から引き渡しまでには、おおよそ3か月から半年かかります。
比較的価格が安い物件、人気のある地域の物件は早期に成約する傾向があります。しかし、売却完了まで1年や2年かかるケースもあります。
一例として、需要が強いマンションについて、全国と沖縄の統計を比べると、上の図のように、沖縄の方が早期に成約する傾向があります。
一方、那覇から遠い不便なエリア、需要が弱いエリアでは、売却完了まで数年かかることも珍しくありません。
仲介に入る不動産会社と相談し、どれくらいの期間で売却できるかを確認してください。その際、経験のある業者であれば、過去の成約事例を示し、根拠のある予測を示してくれるはずです。
データ出典:沖縄についてはイクラ不動産、全国についてはLIFULL HOME’Sの統計データを出典としました。
不動産売却にかかる費用
不動産売却で必要となる費用としては、仲介手数料や譲渡所得税、印紙税などがあげられます。
また、場合によっては、ハウスクリーニング代や解体費用が必要となるケースもあります(そのような約定をした場合)。
トータルでかかる費用の目安としては、売却価格の3〜4%、物件によっては5%程度が必要となると理解しておくと良いでしょう。
不動産売却のベストなタイミングを見逃さない
不動産が最も高値で売却できるタイミングを理解しておくことも大事です。
一般的に、1〜3月は進学や就職などをする方が多く、新居を探すタイミングでもあり、年間で最も不動産が売れやすい時期は、年度末になります。一方、新年度や新学期の時期をすぎて、5月のゴールデンウィークに入ると、不動産売買も落ち着きがでてきます。売れにくい時期と言えます。少しでも高値で売るためにも、ベストなタイミングを逃さないようにしましょう。
沖縄での不動産売却のベストタイミングとは?
不動産売却を成功させるには、売却のタイミングが重要です。沖縄特有の市場動向や季節ごとの特徴を理解し、最適な時期を見極めることが求められます。ここでは、売却に適したタイミングや影響を与える要因について詳しく解説します。
季節ごとの不動産市場の動き
春(3月~5月)
春は不動産市場が最も活発になる時期です。新年度の始まりとともに、転勤や進学による住み替えの需要が高まります。特に3月から4月にかけては、購入希望者が多く、売却がスムーズに進みやすいでしょう。ただし、競争が激しくなるため、物件の魅力をしっかりアピールすることが重要です。
夏(6月~8月)
沖縄の夏は観光シーズンと重なり、リゾート物件や別荘の需要が増加します。しかし、一般住宅の売却に関しては、暑さの影響で内見数が減少し、市場がやや低調になる傾向があります。また、甲子園シーズンは不動産取引が鈍るとも言われています。
秋(9月~11月)
春に次いで不動産市場が活発になる時期です。沖縄の秋は比較的温暖で、買主の動きが活発になります。9月から11月は売却に適した時期といえますが、春ほどの競争力は期待できないため、適切な価格設定がポイントになります。
冬(12月~2月)
年末年始や長期休暇の影響で、市場全体が閑散とします。買主の動きが鈍くなるため、売却が長引く可能性があります。ただし、春に向けて準備を進める期間として活用し、適切なタイミングで売り出せるよう計画するのが理想です。
市場動向と売却の判断基準
売主市場 vs. 買主市場:売主市場では、需要が供給を上回るため、高値で売却しやすくなります。特に人気の高い「海が見える物件」「駅近」「築浅物件」などは、良い条件で取引されることが多いです。
一方、買主市場では、供給が需要を上回るため、価格交渉が活発になり、売却に時間がかかることがあります。築年数が古い物件や交通の便が悪い物件は、買主側の条件が優先されやすくなるため、適切な価格設定と販売戦略が求められます。
市場の変動と売却の影響:金利の変動、経済状況、地域の再開発計画なども売却時期の判断材料になります。金利が低い時期は住宅ローンが組みやすく、買主の購買意欲が高まるため、売却に有利な環境が整います。また、地域の開発計画が進行中のエリアでは、売却時期を見極めることで高値で売れる可能性が高くなります。
個人の状況に応じた売却タイミング
ライフスタイルの変化:結婚、出産、転職、退職など、生活の変化に伴い住み替えの必要が生じた場合、それが売却の適切なタイミングとなることがあります。
住宅の維持費と経済状況:住宅ローンの返済や固定資産税の負担が大きくなると、売却を検討するきっかけになります。また、物件の老朽化が進む前に売却することで、修繕費用を抑えることができる場合もあります。
沖縄での不動産売却に適したタイミングは、一般的には「春(3月~4月)」と「秋(9月~11月)」です。しかし、売却の成功には市場動向や個人の状況を総合的に判断することが重要です。販売準備には1〜2ヶ月の余裕を持ち、適切なタイミングで売り出すことをおすすめします。
また、信頼できる不動産会社と相談しながら、最新の市場動向を把握することも成功のカギとなります。不動産売却のプロとともに、最適な売却戦略を立てて、納得のいく取引を実現しましょう。
まとめ
不動産売却が初めての方にとって、売買の流れや注意点を理解することはとても重要です。沖縄での不動産売却では、一般的な売却手順を押さえることに加え、エリア特有の市場動向やタイミングを見極めることが成功のカギとなります。
まず、売却にあたっては下記のポイントを押さえることが必要です。
- 不動産の相場は自分で把握しておく
- 信頼できる不動産会社に相談して売却戦略を立てる
- 売出しから確定申告までの流れを理解する
なかでも重要なのは、信頼できる不動産会社を探すことでしょう。もし、知っている不動産会社があれば、そこに相談してみてください。そういうツテがない場合は、複数の不動産会社を比較してください。
トーマ不動産では、けっしてしつこい営業は行わず、顧客の利益を優先した売却活動を行っています。売却を決めていない場合でも、初回のご相談は無料です。
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トーマ不動産の営業エリア外の場合は、以下の記事を参照して、信頼できる地元不動産屋を探してみてください。
また、沖縄特有の市場傾向を考慮すると、売却に適した時期は「春(3月~4月)」と「秋(9月~11月)」が有力です。この時期は需要が高まり、スムーズに売却できる可能性があります。
一方で、物件の特徴や市場の変動、ライフスタイルの変化に応じて、適切なタイミングを見極めることも大切です。
さらに、不動産会社の販売戦略やサポート内容を理解し、信頼できるパートナーを選ぶことが成功のポイントとなります。事前の準備をしっかり行い、適切なタイミングと戦略を立てることで、納得のいく売却を実現しましょう。