不動産売却

田舎の土地を売りたい場合の注意点とスムーズに売却するノウハウ

田舎の土地には都市計画法の制限のほか、農地法、森林法、港湾法、自然公園法などさまざまな規制がかかります。

複雑な法規制の状況によって価格も売り方も大きく変わるため、まずは地域の法令に詳しい不動産会社に相談することが出発点。その土地を、正しく評価してもらう必要があります。

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この記事は、宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。

田舎の土地が「売りにくい」理由を押さえて対策する必要あり

筆者はこれまで田舎の土地を数多く仲介してきました。その経験から「田舎の土地は売りにくい」「田舎の土地は調査してみるまでわからない」と考えています。

そもそも、ひとことで「田舎の土地」と言っても、千差万別です。

### 田舎の土地には市街化調整区域などが多い

(図

日本の人口の約7割が「市街化区域」に住んでいます。市街化区域とは、都市として積極的にインフラを整備するエリアのことです。

それに対して「市街化調整区域」とは、市街化を抑制する地域のこと。街にせず、田舎のまま残しておくエリアという意味です。

そのため、市街化調整区域では原則として家を建てることができません。そんなエリアに、いかにして建築可能な条件を見つけ出すかというのが、不動産業者の腕の見せ所です。

その点、都市部の不動産会社に相談してしまうと、簡単に「建築不可です」と言われる可能性があります。

建築できるかどうかで土地の価格は大幅に変わってしまいますから、地元の法令にくわしく、もれなく調査してくれる不動産会社に相談してください。

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都市計画区域外の土地も取扱いノウハウが必要

また、都市計画区域の外側にも広大な土地があります。都市計画区域外と呼ばれ、山林や原野が多く、独特の法規制に注意が必要です。インフラをどうするかで頭を悩ませることも多々あります。

「田舎では土地の扱いが難しい」という点は、ぜひ押さえておいてください。

都市計画区域外とは?

一般に多くの人が住んでいる市街化区域も、田舎にみられる市街化調整区域も、両方とも「都市計画区域」に含まれます。ところが、都市計画区域の外側にも多くの土地があり、そこは「都市計画区域外」に分類されます。

田舎の土地には宅地見込地や農地、山林などが多い

都会の不動産会社に「宅地見込地」といっても、ピンとこないかもしれません。

宅地見込地とは、現状は農地や林地などであっても、周辺の開発状況や都市計画などから、将来的に宅地へ転換する可能性がある土地を指す、不動産鑑定上の考え方です。 

区画整理などが予定されているケースもありますが、田舎の宅地見込地は、本当に宅地化されるかどうかわからない場合が多々あります。

その他、農地や山林など、さまざまな種類の土地があり、物件調査に時間がかかります。時間をかけて調査しても、価値を推定する「査定」が難しいのが特徴です。

宅地見込地はその典型で、確実に宅地化されるなら価値がある土地といえます。しかし実際には宅地化されるかどうかわからないケースも多く、価値判断が難しくなります。

田舎の土地には上下水道がないなどのハードルがある

沖縄本島北部で物件調査をしてみたら、一番近い水道本管まで2キロ以上あると判明したことがあります。その場合、敷地内への水道引き込みには、安くあげても数百万円の工事費が必要になります。

こうなると、せっかく安い田舎の土地を見つけても、結果的に高い買い物になってしまいます。「それでも買いたい」という価格まで下げつつ、効果的な広告を打つ必要がありました。

このように、「水道がない」「電気がない」など、インフラ面での問題点が多いことにも注意が必要です。

田舎の土地は暗黙の了解で「売れない」場合がある

大阪の辺境の村落に住む友人がいます。ギター仲間で、たまに会うのですが「近所に売り土地ないですかね」と尋ねたときの回答は意外なものでした。

「売ったら、村にいられなくなるよ」

そういわれると、そんな雰囲気の村です。閉鎖的な村落に、よそ者が入ってくることはよく思われないのでしょう。

沖縄の田舎で土地を扱っていたときも「誰に売るか」で神経をすり減らしたことがあります。「できればナイチャー(本土の人)には売りたくない」というのは、よく言われることです。

こういう土地をいかに売却するかは、難しいポイントです。筆者がとった戦略は「売主の親戚にDMを送る」など、都会ではありえないマーケティング手法でした。

しかしオーシャンビューなど特殊な需要も存在する

筆者が主要な商圏としていた沖縄本島北部は、リゾート性の強いエリアです。オーシャンビュー物件の人気は高く、通常物件の数倍の単価で取引されることもあります。

筆者が現在住んでいる大阪府阪南市には箱の浦という地区があり、土地の平米単価は1万5,000円〜2万円程度。ところが、オーシャンビューの1列目のみ極端に高く、平米単価が10〜20万円に及ぶ事例もあります。

オーシャンビュー以外でも、有名な山が望める眺望のよい土地、温泉に隣接した土地、水源が目の前の土地など、条件によって価格が上がる場合があります。

優秀な不動産業者は少しでも好条件で売れるように、その土地のセールスポイントを探してきてくれるはず。できる限りの工夫をしてくれる不動産会社を探すことも、田舎の土地売却のコツです。

ネット情報だけで田舎の土地の価格を判断しにくい理由

すでに述べたように、田舎の土地は物件調査に時間がかかります。調べることが多岐にわたり、さまざまな法令の規制がかかっているからです。

たとえば「建築できるか、できないか」を調べるだけでも、都市計画法上の要件、建築基準法の要件、農地法の要件、港湾法や森林法の要件、自然公園法の要件などが複雑に絡みあい、どこから規制がかかっていてもおかしくありません。

それらをひとつひとつ調査し、「建築できる」という確認を積み重ねていかないと、田舎の土地の評価はできないのです。

また、最終的な査定額を出すためには、現地に足を運ぶ必要があります。

筆者の経験では、資料上はよさそうな土地だったのに、実際には犬の訓練所が隣接しており、臭気と騒音がひどかったという事例もあります。豚舎や鶏舎があることなどは、日常茶飯事です。

そのため、価格査定を依頼する場合でも、資料だけで調査した机上査定を出してくる業者は信用できません。筆者は机上査定を依頼されても、現地に足を運び、現況を見てこそ査定額を出せると考えています。

田舎の土地が売れにくい理由

田舎の土地が売れにくい理由は、ひとつではありません。「田舎だから人気がない」という話ではなく、人口・建物・管理・境界・不動産会社の採算性などの要因が複合し、田舎の土地は市場で動きにくくなっています。

人口減少と需要減

まず大きいのは、需要そのものの減少です。

地方では人口が減り、土地を買って住む人、家を建てる人、事業に使う人が少なくなっています。都市部の住宅地のように「売りに出せば一定数の買主が見てくれる」という前提が、そもそも成り立ちにくい状況です。

空き家増加の影響

空き家の増加も影響しています。

総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%で過去最高となっています。賃貸用・売却用・別荘などを除く空き家も増えており、地方の土地や古家付き土地では、買主にとって選べる物件が豊富にあります。売主側から見ると、競合が増えた市場といえます。

管理が大変で敬遠される

管理負担の問題もあります。

田舎の土地は草刈り・倒木・越境・害虫・近隣からの苦情などが起きやすく、遠方に住んでいる所有者ほど管理が難しくなります。買主から見ると、購入後の管理負担が重い土地は、価格が安くても買いにくい物件です。

境界が曖昧などの問題

境界の問題もあります。

古くからの土地では、境界杭が見つからない、隣地所有者が遠方にいる、相続登記が進んでいないといった理由で、売買前の確認に時間がかかることがあります。測量費や境界確認の負担が大きくなると、土地価格に対して売却準備費用が重くなります。

一般に「土地の境界は決まっているもの」と思われていますが、田舎に行くとそうではありません。明治以降測量されておらず、筆界は和紙公図でなんとなく示されている……といったケースもあります。

土地家屋調査士に測量を依頼しても「どの先生に依頼して、どのように測量してもらうかで筆界に数十センチの誤差が出る」という世界。筆者は、都会の建築士が絶句する姿を目にしたことがあります。

不動産会社としては儲からない案件

不動産会社側の採算性も無視できません。

田舎の安価な土地は、売買価格が低いため仲介手数料も小さくなりがちです。しかし役所調査・現地確認・境界確認・広告・買主対応には、都市部の物件と同じか、それ以上の手間がかかります。結果として、積極的に扱いにくい土地になってしまうことがあります。

田舎の土地が売れにくい理由は、需要不足だけではありません。「調査に時間がかかる」「買主が使い方を想像しにくい」「不動産会社も動きにくい」という複合問題です。

低廉な空家等の媒介報酬の特例

現在は、売買価格が800万円以下の宅地・建物について、媒介に要する費用を考慮し、依頼者の一方から受け取れる報酬の上限が33万円(税込)まで認められています。国土交通省も、空き家等の流通を促すための見直しとして説明しています。

不動産仲介手数料の最新ルールと具体的な計算方法|トーマ不動産マガジン

次に、売れる可能性が特に低くなりやすい農地・山林・原野を見ていきます。

農地・雑種地・宅地見込地は評価が難しい

筆者は農地であっても取り扱いを断ったことがないので、かなりの数の農地を扱いました。そして、どの農地も、売却にはいくつものハードルがありました。

農地を農地のまま農家に売るなら比較的スムーズです(農地法3条許可)。しかし農地以外の宅地などに転用したり(4条許可)、転用目的で売却する(5条許可)には、高いハードルがあります。

農地転用については、申請してみない限り「絶対大丈夫」とはいえません。そのため、農地の評価には雲をつかむような難しさがあります。

宅地見込地や雑種地(非農地)の場合、売買自体はスムーズに行えます。ただし「はたして家を建てられるのか」という点は定かではありません。そのため雑種地であっても評価が難しく、都市部の宅地のように明快に価格を出すことができません。

山林・原野は、売却の見込みが薄いケースが多い

山林や原野は、田舎の土地のなかでも売却が難しい土地です。買主が使い道を見つけにくいからです。

また道路から入れない、境界がわからない、傾斜が強い、伐採や管理に費用がかかるといった問題もあります。原野も同じです。登記上は土地として存在していても、現地に行く道がない、上下水道がない、建物を建てる前提がないというケースがあります。

また山林では、森林法(森林の保全や管理に関する法律)の届出や、保安林(災害防止や水源保護などのために指定された森林)の制限が関係する場合があります。保安林に指定されている土地では、伐採や土地の形を変える行為に制限がかかるため、活用の自由度がさらに下がります。

ただし、山林や原野がすべて売れないわけではありません。道路に接している、眺望がよい、キャンプ場や資材置き場などの用途が考えられる、隣地所有者にとって利用価値があるといった場合は、買主が見つかる可能性があります。

山林・原野で重要なのは、面積の広さではありません。使える土地かどうか。管理できる土地かどうか。買主がリスクを引き受けても欲しいと思える土地かどうか。

面積だけを見て価格をつけると、売却が長期化しやすい傾向があります。次に、建築可否を大きく左右する都市計画上の制限を確認します。

市街化調整区域・都市計画区域外・準都市計画区域では、建築可否の確認が重要

田舎の土地では、都市計画上の区域が価格を大きく左右します。とくに重要なのが、市街化調整区域、都市計画区域外、準都市計画区域のどこに立地しているか。

市街化調整区域は、市街化を抑制する区域です。原則として自由に建物を建てられるわけではありません。

ただし、市街化調整区域だから必ず建築できない、とは言い切れないのがポイントです。

自治体の条例・既存宅地の扱い・開発許可の要件・過去の利用状況などによって、建築が認められる可能性もあります。その可能性を、丁寧に調査していく必要があります。

都市計画区域外は、都市計画法による規制が比較的ゆるいエリアです。その反面、上下水道・道路・排水・電気などのインフラをどう確保するかが問題になります。インフラ整備の自己負担や、自治体独自の条例の確認が重要です。また、農地法の制限にも注意が必要です。

準都市計画区域は、都市計画区域外のうち、将来的に無秩序な開発が進むおそれのある地域に指定される区域です。該当事例は少なく、経験のない不動産会社が大半です。そのため、準都市計画区域に詳しい不動産会社に相談する必要があります。

田舎の土地は、見た目だけでは判断できません。畑に見える土地でも建築できる可能性がある一方、道路沿いの平坦な土地でも制度上は建築できない場合があります。

次に、こうした実態を踏まえたうえで、田舎の土地を売る方法を整理します。

田舎の土地を売る主な方法

田舎の土地を売る方法には、いくつものルートがあります。土地の状態・買主の有無・売主が重視する条件によって、次のような選択肢から選ぶことになります。

方法向いている土地注意点
仲介で売る建築可能性があり、買主に訴求できる土地売却まで時間がかかることがある
買取で売る早く手放したい土地仲介より価格が下がりやすい
隣地所有者に売る隣地にとって使い道がある土地価格交渉が難しい場合がある
空き家バンクを使う古家付き、移住需要が見込める土地自治体ごとに登録条件が異なる

高く売りたい場合は、まず仲介が基本です。不動産会社に広告を出してもらい、広く買主を探します。ただし田舎の土地では買主の数が限られるため、売却期間が長くなることを想定する必要があります。

早く手放したい場合は、専門業者による買取も選択肢になります。不動産会社や買取業者が直接買うため、条件が合えば早く現金化できます。ただし、価格は市場相場の半額~7割程度になります。

隣地所有者への売却も、検討しておきたい方法です。駐車場・庭・資材置き場・進入路・農地の拡張など、一般の買主には価値が低くても、隣地所有者には価値があるケースもあります。

空き家バンクは、自治体が運営する空き家・空き地のマッチング制度です。ただし全国一律の制度ではありません。自治体ごとに運用の差があり、形だけ運営されているが、実質は役に立たない場合もあります。

売却方法は、複合的に考えて決める必要があります。「高く売りたいのか」「早く手放したいのか」「親族に説明しやすい方法を選びたいのか」などを考慮し、できれば仲介と個人売買など、複数の方法を組み合わせるのが有利でしょう。

高く売りたい場合は、エリアに強い不動産会社へ相談する

田舎の物件調査には、独特の難しさがあります。

筆者は一度、豊見城市与根の市街化調整区域(当時)の土地で、重大な調査ミスを発見したことがあります。

他社が売り出していた土地で「市街化調整区域内につき建築不可」となっていましたが、買手側調査で、既存宅地であり「一般に建築が認められる可能性が高い」と判断できたのです。

この調査ミスは、地目が「田」だから既存宅地でないだろう、という決めつけによるものでした。筆者は地目が「田」「畑」であっても再建築可能な場合があると知っていたので、この調査ミスに気づくことができました。

このように、そのエリアの土地にかかる法令の制限を理解し、じっくりと時間をかけて調査することが、田舎の土地の売却成功につながります。

  • そのエリアの法令に強い
  • 時間をかけて調査してくれる

上記のような不動産会社に仲介を依頼してください。

早く手放したい場合は、買取や隣地売却も検討する

田舎の土地を早く手放したい場合は、仲介だけにこだわらないほうがよいことがあります。高く売るより、管理負担から早く抜け出すことを優先するケースです。

買取は、不動産会社や買取業者に直接買ってもらう方法です。一般の買主を探す必要がないため、条件が合えば売却までの時間を短くできます。ただし、業者が再販売や活用のリスクを見込む分、一般に価格は低くなります。

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売れない場合の出口を確認する

仲介でも売れない。買取でも価格がつかない。隣地所有者にも話がまとまらない。

そのような場合でも放置するのは危険です。固定資産税・草刈り・倒木・近隣苦情・相続人の増加など、時間が経つほど整理が難しくなることがあります。

売れない場合の出口として、代表的なものは次のとおりです。

相続土地国庫帰属制度(相続した土地を一定条件で国に引き渡す制度)は、売れない土地の選択肢として知られるようになりました。ただし、どんな土地でも引き取ってもらえる制度ではありません。法務省は、負担金について土地の種目や面積によって金額が変わることを説明しています。隣接する複数筆の土地を一つの土地とみなして算定できる特例もありますが、同じ種目の土地であることなど条件があります。

農地については、農地法の手続きが関係します。農林水産省の資料では、農地を転用する場合や転用目的で権利を移す場合には原則として許可が必要と説明されています。市街化区域内の農地では届出で足りる場合もありますが、農地の場所や目的によって扱いが変わるため、農業委員会への確認が必要です。

山林の場合は、売却ではなく管理委託が現実的なこともあります。森林経営管理制度は、市町村が森林所有者から経営管理の委託を受け、必要に応じて林業経営体への再委託や公的管理につなげる制度です。

自治体への寄付は、一般には簡単ではありません。自治体側にも管理費用が発生するからです。ただし、防災・公園・道路・公共施設用地など、自治体に明確な利用目的がある場合は、例外的に相談の余地があることもあります。寄付者側で測量・境界確定・登記費用を負担することが、受け入れられるための条件になるケースが多いようです。

売れない土地でも、出口が完全にないとは限りません。ただし、制度は万能ではありません。「使える制度を探す」前に、「その土地が制度の条件に合うか」を確認することが先決です。次に、売却前に確認しておきたい項目をまとめます。

田舎の土地が売れない場合は、以下の記事も参照してみてください。

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親族に説明できる売却判断を作る

ここまで解説してきたように、田舎の土地は制限が多く、建築できないケースもあります。そのため、価格も安いのが一般的です。

ただ、安く手放すにあたって、親族からの「そんなに安く売るの?」という声も気になります。

田舎の土地の売却にあたっては、以下のような不動産会社に仲介を依頼してください。

  1. その土地の法令に強く、建築可否を判断し、しっかり解説できる
  2. 少しでも高く・有利に売却できないか考え、提案してくれる
  3. 適切な媒体に広告を出して広く買主を探してくれる

たとえば「このエリアは漁港であり、最近若い漁師見習いが増えた。そういった人たちの宿舎用に売却を検討してみましょう」「市街化調整区域内だが街道沿いで広さもあるので、コンビニ用地や施設用地として訴求してみたい」など、なにがしかの戦略を立ててくれる会社が望ましいでしょう。

また、常に大手ポータルへ出稿すればよいともいえません。たとえば沖縄では、SUUMOに出すよりも地元系の「うちなーらいふ」「Goo Home」に広告を出すほうが反響が大きいという特徴があります。

田舎の土地を売る前のチェックリスト

田舎の土地を売る前には、価格より先に確認すべきことがあります。ここを飛ばすと、査定額が出ても「実際には売れない、建てられない、買主に説明できない」ということが起こります。

最低限、次の項目を確認してください。

確認項目見るポイント
地目・現況登記上の地目と実際の利用状況が合っているか
都市計画市街化区域・市街化調整区域・都市計画区域外・準都市計画区域のどれか
建築可否建物を建てられる可能性があるか
接道建築基準法上の道路に接しているか
境界隣地との境界が明確か
農地法農地転用や農地売買の手続きが必要か
上下水道本管の有無、引き込み距離、浄化槽の要否
インフラ電気、排水、進入路、通信環境
周辺環境騒音、臭気、畜舎、墓地、工場、急傾斜地など
需要誰が買う可能性があるか
眺望・環境価値海、山、温泉、観光地、幹線道路などの強みがあるか
売却方法仲介・買取・隣地・空き家バンク・制度利用のどれが現実的か

このチェックリストは、読者自身がすべて判断するためのものではありません。不動産会社に相談するとき、きちんと調査してくれる会社かどうかを見極めるためのものです。

田舎の土地は、机上の相場だけでは判断できません。同じエリアでも、道路に接しているか、建築できるか、上下水道があるか、眺望があるかで価格が大きく変わります。

チェックリストをもとに、不動産会社へ「どこまで調査してくれるか」を確認しましょう。

田舎の土地は、現地と制度に詳しい不動産会社へ

田舎の土地は、ネットの相場情報だけでは価格を判断できません。

農地・雑種地・宅地見込地・山林・原野。市街化調整区域・都市計画区域外・準都市計画区域。上下水道・接道・境界・眺望・周辺需要。これらをひとつずつ確認しないと、売れる土地なのか、時間をかければ売れる土地なのか、処分を優先すべき土地なのかが見えてきません。

田舎の土地を売りたい方は、価格だけで判断せず、現地調査と役所調査を丁寧に行う不動産会社へ相談してください。

「いくらで売れるか」だけでなく——

「誰に売れるか」

「どの方法が現実的か」

「親族にどう説明できるか」

まで考えることが大切です。

しつこい営業はありません。安心してご相談ください。

  • この記事を書いた人

立石 秀彦

アップライト合同会社代表社員。宅地建物取引士。不動産会社を約10年経営後事業譲渡し、現在は主に不動産マーケティングや調査を担当。

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