不動産売却

イエウールとAI査定のしくみ・おすすめの利用法

イエウールなどの「不動産一括査定」は、AIを利用するのではなく、複数の不動産会社に査定依頼を行うサービスです。

また、不動産一括査定とAI査定はしくみや精度が異なります。そこで、次のように使い分けるのが合理的です。

不動産一括査定AI査定
メリット専門家による詳細査定。地域の特性に強い手早く価格を知れる。 無料で簡単に試せる
デメリット回答に時間がかかる場合も。複数社から営業がある売出しデータに基づくため精度に限界がある

それぞれ一長一短があり、AI査定と一括査定をどのように組み合わせるか、使い分けるかを考えていく必要があります。

そこで、この記事では無料で利用できるおすすめAI査定と、AI査定を活用して不動産売却を成功させる方法を解説していきます。

なお、この記事を作成するにあたり、AIを活用したHowMa一括査定を運営する株式会社コラビットさんにお話をうかがいました。

この記事は、宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石が作成しました。

イエウールなどの一括査定とAI査定の違いを詳しく説明

イエウールは「不動産一括査定」と呼ばれるサービスのひとつです。不動産一括査定では、複数の不動産会社が価格査定を行い、査定書を送付または持参してくれます。

AI査定は、AIによる概算の不動産価格査定です。データベースに保存された情報からコンピューターが瞬時に価格を提示してくれます。スピード重視で、手軽に参考価格がわかるのが特徴です。

そこで、AI査定はまだ売却を決断していない人が「売るか売らないか」を判断するために利用するためのものといえるでしょう。

一般的な不動産会社の査定方法(不動産一括査定)

不動産一括査定サイトにユーザーが情報を入力すると、その情報が複数(6~10社)の不動産会社に転送されます。

各不動産会社は独自に査定作業を進め、メールや郵送で送付してくれたり、連絡の上持参してくれたりします。

ただし、不動産一括査定の査定額は不正確な場合も多いといわれます。実際に、筆者が大阪と栃木で不動産売却を行ったケースでも半分から4分の3程度の査定額が「高すぎる」と判明しています。

これは、不動産一括査定の仕組み上、不動産会社間の競争が激しくなるからです。

「少しでも高い査定額を出そう」というチキンレースのような状況が生まれており、その結果、高すぎる価格査定が増えています。

この件について、詳しくは以下の記事で解説しています。

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AIによる不動産査定方法

AI査定では、AI(人工知能)がデータベースに基づいて即座に価格を提示してくれます。一般に、手軽に査定額を知りたい場合に適しています。

不動産会社による査定では、過去の取引事例を厳選して1~5件程度使用することが一般的ですが、AI査定では、膨大な数の物件情報、周辺地域の相場などを利用して統計的に価格を算出しています。

膨大な取引データからパターンを学習することで、瞬時に価格を提示できるのが特徴です。

不動産AI査定のメリットとデメリット

この記事を作成するにあたり、HowMa一括査定を運営する株式会社コラビットさんを取材させてもらいました。

その中で、AI査定のメリットだけでなく「こういう点は苦手です」という率直な説明もうかがうことができたので、この記事で詳しく紹介します。

AI査定は便利なサービスですが、それだけで完結するわけではなく、不動産を売却するにあたっては、AI査定+不動産会社の査定という組み合わせが必要になることがわかります。

不動産AI査定のメリット

今回取材させてもらったHowMaの場合は、120万件に及ぶ不動産の売出データを独自に収集・蓄積し、それを利用したAI査定を提供しています。

AIが回答してくれるので、査定は瞬時に行われ、その場で査定結果が分かるのが特徴です。

また、コンピューターによる査定なのでダマし要素がなく、人による調整が入らない点もメリットです。

つまり、大まかではあるものの、客観的なデータのみに基づいた価格を知ることができ「売却の最初の段階で参考になる査定額」を知ることができます。

ユーザーはこの価格を目安として、より具体的な売却活動につなげることができます。

不動産AI査定のデメリット

HowMaをはじめとするAI査定では、不動産会社が利用するレインズ(指定流通機構)のデータを利用しておらず、独自に収集したデータを使用します。

「成約データ」ではなく「売出データ」に基づいた価格査定となるため、その分やや正確性に欠けるのが難点です。

また、リフォーム済み物件など、特徴がある物件の査定には向いていません。マンションの室内状況を査定に反映することなどもできません。

現在は居住用の戸建・マンション・土地の査定にのみ対応しており、投資用一棟アパート・商業用ビルなどの査定を行うこともできません。

筆者の体感では、データが多数蓄積している都市部には強い物の、データが少ない田舎の物件では誤差が大きいと感じた点もAIのデメリットでしょう。

AIにはこういったデメリットがありますが、AIと通常査定のメリットを組み合わせることで、より信頼度の高い不動産売却戦略を立てることができます。

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AI査定を効果的に活用する「HowMa一括査定」

AI査定と通常の不動産査定。その2つを組み合わせることで、AIと人間、それぞれのデメリットを回避しているのがHowMa一括査定です。

このサービスを運営する株式会社コラビットさんを取材したときにも「AIを利用することで、より確実な査定額を出したいという思いがあった」という説明がありました。

  1. ユーザーはまずAIによる概算査定を確認できる
  2. その後、不動産会社によるコラボ査定(一括査定)を依頼できる

この2ステップにより、ユーザーはあらかじめAIによる相場を知った上で、不動産会社の査定書を読むことができます。

また、不動産会社によるコラボ査定では、最高値を狙う「チャレンジ価格」と「安全価格」の両方を提示してもらえるので、より確実な不動産売却戦略をとることができます。

チャレンジ価格近隣相場より高めの価格。売れる確率は高くない
安全価格売却確率が高く、早く確実に売りたい場合に適している

近隣相場より高く売却するチャンスがあれば「チャレンジ価格」で把握できますし、住替えなどで安全確実に売却したいケースでは「安全価格」が目安になります。

この方法であれば、今までいわれてきた不動産一括査定サイトのデメリットを回避することができるため、不動産売却に慣れていない人でも、安心して売却にのぞむ事ができます。

また株式会社コラビットのAI技術は、業界内でも高く評価されており、株式会社穴吹ハウジングサービスの「ハピサポ」に推定価格を提供するなど、大手企業の採用実績も豊富です。

チャットサポートのHowMaコンシェルジェが好評

AI査定もHowMa一括査定の特徴ですが、筆者が考えるもう一つのメリットは売却完了までコミットしてくれるところ。

通常、不動産一括査定サイトは提携不動産会社に情報を転送したら、それ以上何もしません。ところが、HowMa一括査定の場合は、HowMaコンシェルジェ(チャットサポート)に相談をしながら売却を進めることができます。

これは、不動産売買の経験が少ない人にとっては心強いサービスです。実際に利用したユーザーのレビューも好評でした。

相談しながら売却を進められた

Aさん(30代女性)

HowMaコンシェルジュの方に小まめに相談しながら進められたので、20万円の値引きだけで1,560万円で売却できました。

HowMaコンシェルジェを利用しない場合でも、マイページで常に最新のAI査定をチェックできますし、HowMaから定期的に情報を提供してもらえます。

このように、査定を出しっぱなしではなく売却完了までサポートしてくれるという点は、他の不動産一括査定にない大きなメリットです。

以下のユーザーレビューを見ても、その点が評価されています。

コンスタントに情報を提供してもらえた

Bさん(50代男性)

HowMaで常に相場価格を把握できたので売り時を逃さず、10年所有したマンション売却で300万ほど利益が出ました。

不動産売却の経験が少なく、サポートをしてもらいながら売却を進めたい場合、不動産一括査定サイトの中でHowMa一括査定が最もおすすめできるサービスといえるでしょう。

一般的な不動産一括査定サイトでは不安だ、という場合はHowMaを検討してみてください。

イエウールなど不動産一括査定サイトのメリット

手軽さ一度の入力で最大6社から査定結果を受け取れるため、複数社の価格を簡単に比較できる
提携会社数全国2,600社以上の不動産会社と提携しており、地域密着の会社から大手まで幅広く利用可能
対応物件マンション、一戸建て、土地など幅広い物件種別に対応
信頼性提携会社の審査が厳格で、信頼できる会社から査定を受けられる
利用料金無料で査定を依頼できるため、費用負担なく気軽に利用可能

イエウールをはじめとした不動産一括査定サイトは、どれも無料で利用できます。また、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できるため、一軒一軒回るより効率的です。

このように、イエウールなどの不動産一括査定サイトにはさまざまなメリットがありますが、ひとつ気になるデメリットもあります。

不動産会社に情報を送るまでが仕事で、その先はほとんど関与しない場合が多い点です。

イエウール独自のAI査定

イエウールのAI査定

実はイエウールでも独自のAI査定を提供しています。ただ、現在の上記のように価格の幅が大きくこれから完成度を上げていく段階のように思われます。今後より精度が上がった段階で、この記事でも詳しく取り上げたいと考えています。

不動産一括査定サイトのデメリット

不動産一括査定サイトについて、よくいわれるデメリットは以下の3点です。

  • 不動産会社によっては査定額が正確ではなく「高すぎる」ことがある
  • 複数の価格査定を受け取った後「結局どの不動産会社がいいかわからない」
  • 慣れない不動産取引を最後までサポートしてもらえない

ただし、これらのデメリットには対応策があります。

まず、①の査定額が正しくない場合があるという問題については、ここまで見てきたようにAIを利用することで対応できます。

HowMa一括査定のように、まずAIによる概算査定で相場感をつかんでおけば、高すぎる査定書に惑わされる事が少なくなります。

「結局どの不動産会社がいいかわからない」という問題についても、HowMa一括査定の場合は、HowMaコンシェルジェが対応してくれることで解決できますし、不動産取引を最後までサポートしてもらえる点も強みです。

HowMa一括査定は、不動産一括査定のデメリットを解決するよう設計されたサービスだといえるでしょう。ただ、エリアの問題や物件種類の問題で、HowMaを利用できないケースもあります。

その場合は、次の点に注意して不動産一括査定サイトを利用してください。

不動産一括査定サイトのかしこい利用方法

不動産一括査定サイトを利用する場合は、価格査定を信じすぎないことが大前提。「いくらか知りたいから不動産一括査定を利用する」というのではなく、概算価格を把握した上で「信頼性の高い不動産会社を探すために利用する」と考えてください。

自分で不動産の概算価格、相場価格を把握する方法はいくつかあります。中でも、すぐに試してみることができるのは、国交省の不動産情報ライブラリでしょう。

上記サイトにアクセスして、「データの検索・ダウンロード」をタップし、都道府県と市町村を指定します(さらに細かい地名も指定可能)。

あとは物件種類と取引時期を指定して「一覧表示」ボタンを押すと、そのエリアでの取引事例が表示されます。

複数のデータが表示される

上の図のように、詳細な取引情報を閲覧できるため、これを参照しておくだけでも最近の取引価格がわかるはずです。

その他の不動産価格の計算方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

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おすすめの不動産一括査定サイト

不動産一括査定サイトは一見すると同じように見えますが、それぞれに特徴があります。そこで、売却したい不動産が立地するエリアや、不動産の種類によって使い分けるのが合理的です。

都市部の不動産を売却するなら「大手が多い」一括査定サイト

一般に、大手不動産会社と地元不動産会社を比較すると、大手のほうがコンプライアンス体制が整っており、価格査定も正確です。

そこで、大手不動産会社が対応可能な都市部の不動産を売却する場合は、大手不動産会社が多数提携しているHOME4UかLIFULL HOME’Sが有利です。

HOME4UはNTTデータの関連会社が運営しており、セキュリティが堅固です。そこで、みずほ不動産販売、住友林業ホームサービス、三菱UFJ不動産販売などの大手企業が多数提携しています。

LIFULL HOME’Sは大手ポータルサイト内に設けられた不動産一括査定です。そのため、明和地所、京急不動産、相鉄不動産、積水ハウス不動産グループ、オークラヤ住宅などの有名企業が多数提携しています。

田舎の不動産を売却するなら「地方に強い」一括査定サイト

大手不動産会社は田舎に対応しておらず、県庁所在地レベルの都市であっても「どの大手も対応していない」ということがよくあります。

そこで、地方の場合は、地元の不動産会社が多数登録している不動産一括査定サイトを利用する必要があります。

この点、筆者が沖縄県で不動産会社を経営していたときに、積極的に営業活動を行っていたイエウールとリガイドがおすすめです。

イエウールは唯一、営業マンが沖縄県まで足を運び、不動産会社を発掘している姿勢が印象に残っています。全国80%の地域をカバーし、不動産一括査定サイトの中でエリアカバー率はナンバー1です。

リガイドも電話で密に連絡を取り、地方の不動産会社を掘り起こそうとしていました。その点が評価できますし、実際に地方エリアで使うと提携不動産会社数が多いことがわかります。

投資用マンションやビルの査定ができるサービスは少数派

不動産一括査定サイトは、一般的に住宅(マンション・戸建て)または土地の査定に特化しており、ビル・倉庫・投資物件の査定に対応していません。

ただし、中には投資用物件に対応しているサービスもあります。物件種類によっては、以下の不動産一括査定サイトを試してみるのがいいでしょう。

投資用マンションに関してはリビンマッチが対応しています。

リビンマッチで査定できる物件種類は幅広く、一棟マンションやビル、倉庫、工場なども査定可能です。

リガイドも比較的幅広い物件種類に対応しており、一棟マンションやアパートの査定が可能です。

リガイドでは公式に農地査定に対応するとうたっていませんが、筆者はリガイドから複数の農地査定依頼を受け取り、実際に査定していました。そこで、農地も対応可能と考えていいでしょう。

その他のおすすめ不動産一括査定サイトについては、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。

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不動産AI査定に関連したよくある質問

この章では、不動産のAI査定に関するよくある質問と回答をまとめました。

AI査定を利用して不動産を匿名で評価することは可能ですか?

不動産AI査定は匿名で利用できるツールも多く、個人情報を入力せずに物件の大まかな価値を調べることが可能です。ただし、匿名のAI査定では詳細な情報が不足するため、正確な査定結果が得られにくい場合もあるので注意が必要です。

その点、AI査定と実際の不動産会社による査定をうまく組み合わせて使うことで、双方のデメリットを補うことが可能になります。

AI査定の不動産評価の精度はどの程度ですか?

不動産AI査定の精度は、物件の種類や地域、データ量に依存します。過去の取引データや周辺環境の情報を基に統計的に算出するため、都市部のマンションなどでは比較的精度が高いですが、郊外や特殊な物件では誤差が生じることもあります。利用時には参考程度とし、詳細な査定は専門家に依頼すると安心です。

戸建て物件にAI査定は利用できますか?

AI査定は戸建て物件でも利用可能です。ただし、戸建てはマンションなどに比べ物件ごとの条件が異なるため、AI査定の結果が大きく変わる場合もあります。特に立地条件や築年数、周辺環境が価格に影響しやすいので、補助的な評価として利用し、最終的には専門家の査定を受けると良いでしょう。

本記事で紹介したHowMa一括査定のAIは、一戸建てでもある程度正確な査定額を出すことができます。

無料で利用できるAI不動産査定ツールはありますか?

無料で利用できる不動産AI査定ツールがいくつか存在します。これらは基本情報を入力するだけで簡単に物件の参考価格を知ることができ、売却検討時の目安として便利です。ただし、無料版は簡易的な結果が多く、詳細な評価を希望する場合は有料プランや専門家の査定が推奨されます。

まとめ「おすすめ不動産AI査定」

イエウールなどの不動産一括査定サイトは、手間なく複数の不動産会社に査定を依頼できる便利なサービスです。

ただし一般的な不動産一括査定では、AIを用いた自動査定ができません。また、査定依頼後のサポートも行っておらず、すべて提携先の不動産会社に任せてしまう形になります。

一方、AI査定を用意している数少ない不動産一括査定のひとつにHowMa一括査定があります。HowMaでは、まず最初に独自のデータベースからコンピューターが算出する概算価格を瞬時に提示してくれます。

これは、慣れない不動産売却をスタートするにあたり、参考になるデータです。

このAI査定のデータを見た上で、不動産会社によるコラボ査定を受けることで「AIと人間の査定の両方を確認できる」というのが大きなメリットです。

AIは変則的な物件が得意ではありません。その代わり決して嘘をつかずに相場の価格を提示してくれます。それを見た上で、不動産のプロによる査定を確認することが納得感のある価格査定につながっているのです。

また、査定だけでなく、売却完了までコミットしてくれるのもHowMaのメリットです。HowMaでは、チャットサポート「HowMaコンシェルジェ」も提供しており、不動産会社選びや価格選定に迷ったとき、不動産に詳しい担当者に相談できます。

今回、HowMaを運営する株式会社コラビットさんを取材してみて、この点が印象に残りました。

沖縄県内の不動産査定ならトーマ不動産へ

トーマ不動産では、AIを組み込んだ査定ソフトを使用し、正確な価格査定をお出ししています。沖縄県内の不動産については、トーマ不動産の価格査定をご利用ください。

トーマ不動産ではFP有資格者が在籍し、税制に関するご説明にも対応しています。また、一棟アパート、ビル、倉庫、工業地など幅広い物件に対応しています。


Thanks to.. 今回の取材先

この記事作成にあたり、株式会社コラビットさんにご協力いただきました。本記事中のユーザーレビューも同社から提供いただきました。

会社名株式会社コラビット
代表者代表取締役 浅海 剛
本社所在地東京都港区芝浦1-13-10 第三東運ビル8階
設立日2011年6月
業務内容スマートフォン用アプリケーションの開発、保守、販売
Webサービスの開発、保守、販売
URLhttp://collab-it.net/

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