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イエウールは怪しい? 「無料の理由とウラ側」を宅建士が解説します

2024年6月13日

イエウールを始めとする不動産一括査定サイトは、無料で複数の不動産会社に査定依頼ができる、便利なサービスです。

しかし、考えてみると、なぜ無料なのでしょうか? ちょっと怪しく感じますね。

もちろん、無料で査定ができるのには「理由」があります。この記事では、2つのポイントから不動産一括査定の裏側を解説していきます。

1.無料で使えるのは不動産会社が料金を支払っているから

本来は不動産会社の営業ツール

イエウールなどの不動産一括査定が無料で利用できるのは、不動産会社が一括査定サイトに対してお金を支払っているからです。不動産会社が、あなたの査定依頼を獲得するために広告費をかけているという点は無視できません。

2.ブログでほめている記事は「広告案件」かも

インターネット上で不動産一括査定を紹介しているブログ記事の多くは、いわゆる「広告案件」の可能性大。ブロガーが不動産一括査定サイトを紹介することで、紹介料を受け取る仕組みになっています。したがって、必ずしも信用できる内容とは限りません。

その点、この記事を読めばイエウールがどのようにして無料で運営されているのか、その仕組みを理解できます。また、イエウールを使うべきではないケース、逆に使うべきケースを判断する手助けになります。

この記事は、宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。

イエウールに対する不動産会社の「本音」

ユーザーはイエウールを無料で利用できますが、それは不動産会社がお金を払っているからです。

イエウールについては断定できませんが、一般的に不動産会社が一括査定サイトに支払う金額は、おおよそ15,000円程度が主流でしょう。

多くの不動産会社はイエウールなどの一括査定サイトに、月々10万円、20万円といったお金を支払うことになります。しかも、成約率が低く、あまり仕事にならないという指摘もあります。

ここでは、そういった裏側を赤裸々に告白している不動産会社の記事を紹介します。

※編集部注:この金額は公式サイトで公表されたものではなく、業界の一般的な相場や事例に基づく目安です。

noteでイエウールの実情を公開するハッピールームさん

noteに掲載されたこの記事では、同業者であれば納得できる裏側の事情が赤裸々に描かれています。この不動産会社さんがどのようにしてイエウールと契約したか、そして実際には全く仲介が取れず困惑したかが描かれています。

これは業界大多数の意見なんですが、イエウールは僕ら不動産会社の共通認識では「お問い合わせが多いが、お客さんとの成約率がほかの一括査定サイトに比べかなり低い」というものです。

note

このように、ハッピールームさんの見解では、イエウールに対する不動産会社全般の評価が低いと書かれています。

高額査定がでたとあおる広告を信用してはいけない

特に知っておいて欲しいのは、高額査定が出たとあおる広告を信用してはいけないという点です。

やはり、他社と比べて異様な高額(100万円差があるなんて!)を提示してくる不動産会社には注意が必要です!中には、とりあえず高額査定で仲介の契約を交わし、いざ物件を売り出した後になってから「この金額では売るのが厳しいですね。なかなか難しいですよ~」と、必要以上に値下げを勧めて売買契約を急がせようとする不動産会社も存在します。

note

これは実際にありますから、注意してください。

自社サイトでイエウールの実情を公開する納得不動産さん

こちらも具体的な数字をもとに、不動産会社がイエウールと契約した後にどのように苦労したかを解説しています。

まずイエウールと自社サイトの成約状況を公表しているので、それを見てみましょう。

成約数
自社サイト17人に1人
自社サイト24人に1人
イエウール50人に1人

2つの自社サイトから、直接問い合わせが来たお客さんの成約率は約14%から25%程度です。

それに対し、イエウールで問い合わせが来たお客さんの成約率は2%と非常に低い数値です。

これでは不動産会社は儲かりませんし、モチベーションも上がりません。

不動産一括査定で不動産会社に対する不満が感じられるとしたら、その理由は、この低い成約率にあるのかもしれません。

筆者のイエウール体験談

実は筆者も、不動産会社の立場でイエウールを利用したことがあります。比較的早い時期(2010年代前半)に査定サイトを利用し始めたので、まだ競争が激しくなく、順調に契約が取れていました。

その時点では、正確な査定額を出し、しつこい営業をせず、ご相談があれば誠実に対応するという方針で営業できていました。

しかし、一括査定サイトに登録する会社が増えるにつれ、競争が激化しました。ガツガツ営業する会社が査定サイトに登録すると、その査定サイトの内容自体が悪くなり、他の会社もガツガツとした営業をせざるを得なくなります。

筆者はその時点でイエウールの利用をやめました

イエウールの口コミ記事は大半が広告目的?

筆者はこの記事を書くために、イエウールの口コミを調べてみました。

すると、ほとんどが広告目的の記事でした。

ただし、イエウール自身が口コミを操作しているのではなく、広告誘導を目的とした、第三者による投稿と思われます。

アメブロは広告だらけになっている

Google検索のサイトコロンコマンドを使って、アメブロ内でイエウールに言及している記事を調べてみました。ほぼ全てが広告目的の記事で、信憑性が低いと言えます(Ameba Pickの広告)。

以下のリンクをクリックすると、アメブロ内でイエウールに言及しているブログを抜き出すことができますので、ぜひ試してみてください。

読んでみるとわかりますが、内容が間違いだらけで、しかも広告への誘導が目立ちました。

「売る気のない実家をイエウールで査定してみたら高額だった」などの、不動産会社にとっては迷惑でしかない話も多数掲載されており、残念な感じです。

その冷やかしの査定依頼でも不動産会社は15,000円から20,000円程度の料金をイエウールに支払い、無料で価格査定を出さなければなりません。

これでは真面目に仕事をする不動産会社がいなくなってしまいます

口コミサイトの口コミはライターが書いている

ネットには様々な口コミサイトがありますが、分析のために口コミデータをデータベース化していて、ヤラセの兆候に気づきました。

縦軸は文字数、横軸は投稿時期

有名口コミサイトの口コミをデータベースに打ち込んでグラフ上にプロットすると、上の図のように一定の時期に約300文字の口コミ投稿が集中していました。どうやら口コミサイトはお金を払ってライターに記事作成を依頼していると推測できます。

おそらく、2018年の夏ごろ「300文字程度で原稿を書いてください」と依頼したのでしょう。

クラウドソーシングで口コミを発注できる

このように、口コミはお金を出せばライターに依頼して書いてもらうことができます。特にお金になりやすい不動産関連の口コミについては、「ヤラセかな?」と疑ってみてください。

このヤラセ問題に関しては、筆者のブログ「いえとちラボ」の記事で詳しく解説しています。

Yahoo!知恵袋などの口コミは嘘ではなさそう

一方で、Yahoo!知恵袋などの口コミは、読んでみると嘘ではなさそうです。知恵袋の検索窓に「イエウール」と入力し、検索結果を見てみると、それなりに中立的な意見を読むことができます。

知恵袋では素人さんが回答している場合も多いので、細かい部分で間違いや勘違いもありますが、他の口コミサイトより信頼できそうです。

筆者が実際にイエウールでマンションを売却!メリット・デメリットは?

実際に売却してみたマンション

筆者は事務所用に購入したマンションを売却する際、イエウールを含む不動産一括査定サイトを利用しました。

おそらく大阪市や堺市の市街地であれば大手仲介業者に相談したはずです。しかし、対応エリア外だったため、不動産一括査定サイトを利用したという流れです。

経緯や査定書の内容について、詳しくは以下の記事で解説しています。

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ここでは、結論だけを簡単にまとめておきます。

提携不動産会社の半数はまとも・半数はダメ

大阪府のマンションを売却し、さらに栃木県宇都宮市で戸建て住宅の価格査定を依頼してみて、結論としては「対応する不動産会社の1/4~半分程度はしっかりしており、半分以上は査定額が信用できない業者」だと判断しました。

特に栃木県宇都宮市の事例では、対応する不動産会社の3/4がダメという状況でした。

まず査定価格が正しくありません

筆者は自分であらかじめ査定してから査定依頼をしたのですが、筆者の査定額と一致する会社は、大阪では4社中2社でした。栃木県宇都宮市の事例では、4社中1社のみがかなり近いレベルでした。

そのため、ある程度査定額の良し悪しを判断できないと、一括査定サイトは怖くて使えないと感じました。

しかし地方であれば利用価値はあると判断

しかし、筆者の感覚では、地方でホームページさえ持っていないような不動産業者に仲介を依頼するよりも、一応ネットを使っている業者に依頼した方が、納得のいく価格で売却できる可能性が高いと考えています。

いまだにホームページさえ持っていない不動産会社はかなりの数に上ります。そういったところに売却を依頼するよりは、イエウールを使った方がずっと良い結果になるでしょう。

イエウールの意外と知られていない点 Q&A

この章では、記事内でフォローできなかった、イエウールについてのその他の疑問点に回答していきます。

イエウールと他の一括査定サイトの違いは?

結論から言うと、不動産一括査定サイトの仕組みはどれも同様です。イエウールと他の不動産一括査定サイトとの間に大きな違いはありません。

ただし、情報に対する課金の金額は査定サイトによって異なりますし、提携している不動産会社も異なります。

たとえばすまいValueという不動産一括査定サイトには大手不動産会社が登録していますが、イエウールに大手はあまり登録しておらず、地元密着型の不動産会社が主体です。

そのため、地方で地元の不動産会社にコンタクトを取りたい場合に、イエウールが向いていると考えられます。

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イエウールの強みがかえって「怪しい」?

筆者は元々雑誌の編集者をしており、現在はインターネットマーケティングの仕事をしています。この「トーマ不動産MAGAZINE」のサイト設計やキーワード選定、記事制作に関しても、インターネットマーケティングの専門家として関わっています。

その視点で見ると、株式会社Speee(イエウール運営元)は非常にレベルが高いマーケティング会社です。

元々Speeeは優秀なIT企業でしたし、現在はSEO関連でも勢いがあります(SEOとはインターネットマーケティングの一分野です)。

ただ、マーケティング的に優れているところが、かえって怪しく見えてしまうのかもしれません。

このような広告はマーケティング的には正しく、儲かるかもしれません。しかし、あまり良心的とはいえません。

不動産屋の立場としては悔しい点ですが、このような広告を規制するのは難しいのが現状です。

イエウールはキャンセルできる

イエウールをはじめとする不動産一括査定サイトで査定依頼をしても、普通にキャンセルすることができます。その際の窓口は以下のリンク先です。

また、以下の記事に寄り詳しい情報を掲載しています。

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運営元は東証スタンダード市場上場企業

イエウールの運営会社は株式会社Speee(東証スタンダード、証券コード4499)。資本金は“1,488,813千円(2024年9月30日現在)”と決算短信に記載されています。

項目内容
会社名株式会社Speee (Speee, Inc.)
設立2007年11月29日
事業内容マーケティングインテリジェンス事業 デジタルトランスフォーメーション事業
資本金1,490,490千円(2025年3月31日現在)
株式情報東京証券取引所 スタンダード市場 証券コード:4499
所在地〒106-0032 東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー35階、39階

またイエウールの個人情報保護については、利用規約の第7条に記載されています。イエウールから利用者に電話をする場合「当該通話の内容を録音することについて同意するものとします」との記載もあり、通話は録音されている可能性があります。

筆者が推奨するイエウールの使い方

筆者の考えでは、都市部では不動産一括査定を使よりも、直接大手不動産仲介業者1~2社に査定を依頼するほうが合理的です。

まずは正確な価格査定を出してもらい、それをもとに売却戦略を立てるべきだからです。

大手の査定額は正確な傾向があり、なかでも三井のリハウスは、非常に信頼性が高い査定書を出してくれます。

一方で、大手不動産仲介業者は地方エリアに対応していないことが多く、対応してくれても本気度が低いケースがあります。

そこで、大手がカバーしない地方エリアでは、不動産一括査定サイトを使い、できるだけ多くの不動産会社とコンタクトを取るほうがいいでしょう。

確かに一括査定の不動産業者は玉石混交ですが、それでもホームページさえ持っていない不動産会社に比べれば、優秀な不動産会社が見つかる可能性が高くなります。

その場合、イエウールもいいのですが、筆者はリガイドという一括査定をおすすめします。リガイドは不動産会社に対するしばりがキツくないため、良心的に営業できるからです。

また、不動産一括査定サイトを利用する際は、査定額の高さや低さに惑わされず、担当者の人物を見て、信頼できる会社かどうかを判断するようにしてください。

自分で不動産の相場を確認する場合は、以下の記事が参考になります。

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まとめ「6件の不確かな査定より1件の確実な査定を」

ここまで述べたように、イエウールは不動産会社からお金を受け取って営業しています。不動産会社のために設計されたサービスですから、利用者にとって最良の選択とはいえない場合もあるわけです。

また、提携している不動産会社の中にはモチベーションが低く、正確な査定が出せない業者もあります。

モチベーションの低い不動産会社から不確かな価格査定をたくさん集めるよりも、1社の正確な価格査定を受ける方が、不動産の売却戦略を立てる上で有効です。

なかでも三井のリハウスは、正確な価格査定を前面に打ち出しており、信頼できる査定書を出してくれます。

上記の公式サイトでも、正確な査定に対する姿勢がうかがえます。

沖縄県内の不動産価格査定ならトーマ不動産まで

沖縄県内では、大手不動産会社が対応していないことがほとんどです。そこで、県内の物件に関しては、ぜひトーマ不動産にご相談ください。

トーマ不動産では、AIを利用した正確な価格査定システムを導入し、価格査定の根拠をしっかりとご説明しています。

FP資格を持つ専門スタッフが在籍しており、税制等に関するご質問にもお答えいたします。

トーマ不動産の當間社長はコンプライアンスを重視し、しつこい営業や、囲い込み行為などは一切行いません。「無理に売らせよう」とすることなく、不動産活用についてフラットに説明してくれるので、ぜひ問い合わせてみてください。

東京・首都圏の不動産価格査定はクラシエステート株式会社へ

東京および周辺エリアであれば、トーマ不動産と同じく弊社(アップライト合同会社)がマーケティングを担当しているクラシエステート株式会社がおすすめです。

同社の溝口社長は人柄も信頼できますし、建設業界出身で建物の目利きもしっかりとしています。

クラシエステート株式会社でも、しつこい営業などはせず、顧客の話をまずしっかりヒアリングしたうえで「最適な不動産活用方法」を提案しています。

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参考文献

  1. イエウール(公式)『不動産一括査定・売却・相場なら「イエウール(家を売る)」』。
    公開日:不詳。最大6社・提携2,600社以上の記載あり。
    https://ieul.jp/
    (最終確認:2025年9月14日)
  2. イエウール(公式|加盟店向け)『イエウールへ広告掲載希望の不動産会社様へ』。
    公開日:不詳。反響課金(初期費用0円・月額固定費0円・掲載料0円)の記載。
    https://ieul.jp/ad/
    (最終確認:2025年9月14日)
  3. イエウール(公式)『利用規約』。第7条(個人情報)に提供・録音・統計利用等を明記。
    公開日:不詳。
    https://ieul.jp/law/
    (最終確認:2025年9月14日)
  4. イエウール(公式コラム)『イエウールのキャンセル方法は?キャンセル時の注意点も解説』。
    発行日:2025年4月2日。
    https://ieul.jp/column/articles/101746/
    (最終確認:2025年9月14日)
  5. イエウール(公式コラム)『イエウールの評判は「怖い」って本当?デメリットや特徴をサクッと解説』。
    発行日:2025年7月14日。キャンセル料なしの記載。
    https://ieul.jp/column/articles/83126/
    (最終確認:2025年9月14日)
  6. 株式会社Speee『2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)』。
    公表日:2024年11月14日。資本金1,488,813千円(2024年9月30日現在)を記載。
    決算短信PDF
    (最終確認:2025年9月14日)
  7. 株式会社Speee『2025年9月期 通期決算説明資料/会社概要』。
    公表日:2025年5月15日。資本金等の会社データ。
    決算説明資料PDF
    (最終確認:2025年9月14日)
  8. 三井不動産リアルティほか6社(共同リリース)『不動産流通6社による不動産売却ポータルサイト「すまいValue」開設』。
    発表日:2016年10月7日。
    https://www.mf-realty.jp/news/2016/20161007_02.html
    (最終確認:2025年9月14日)
  9. 消費者庁『令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。』。
    公開日:2023年10月1日。
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing
    (最終確認:2025年9月14日)

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