PR

【宅建士解説】不動産一括査定「イエウール」のデメリットを回避する方法

筆者は、不動産業者の立場で一括査定サイトを利用してきました。
その経験から、不動産一括査定サイトの使い方に法則があると考えています。まず、以下のポイントを押さえて下さい。

  1. 不動産一括査定の査定精度は低いので、都市部では大手不動産会社に依頼
  2. 地方では「不動産会社とコンタクトを取るツール」として一括査定を活用

都市部であれば、コンプライアンス体制が整っている大手不動産会社が対応できます。なぜなら、あえて査定額が不正確な、不動産一括査定サイトを利用するメリットがないからです。

都市部の場合は、以下の記事を参考に、信頼できる会社を探して下さい。

あわせて読みたい

一方、少し地方に行くだけで、大手不動産会社は対応してくれなくなります。

そこで、地方であれば不動産一括査定サイトを利用して、不動産会社とコンタクトを取るメリットが出てきます。

デメリットを回避する

都市部では大手不動産会社を利用することで、不動産一括査定の「査定額が不正確」というデメリットを回避してください。一方、大手が対応していない地方では、地元業者に飛び込みで足を運ぶことに比べて、一括査定の方が効率が良く、メリットがあります。

イエウールとは?「怪しい?」裏側も含めて解説

イエウールの運営会社は優秀なIT企業であり、プロモーションが上手です。宣伝が上手すぎて、時には「怪しい」と感じることもあるかもしれません。

そこで、まずイエウールというサービスについて整理してみましょう。

イエウールに「査定のみ」を依頼してはいけない重大な理由

イエウールは不動産会社が仲介契約を獲得するためのサービスです。そのため、不動産会社がイエウールにお金を支払い、ユーザーは無料で利用できるというメリットがあります。

そこで、売却する意志がないのに査定だけを依頼することは避けてください。

不動産会社は、「売却する意志がある」ことを前提に営業をかけてくるため、それが大きなデメリットとなる可能性があります。

あわせて読みたい

イエウールは、複数の不動産会社から無料で査定を受けられる一括査定サービスを提供しています。

不動産一括査定サイトのしくみ
不動産一括査定サイトのしくみ

図のように、ユーザーが査定依頼を送信すると、個人情報を含む査定データは最大6社の不動産会社に送信されます。

不動産売却を検討している方には便利なサービスですが、注意点も理解しておく必要があります。

5社のライバルが常に存在する状態で、不動産会社が必ず誠実に査定業務を行うのか? その点は、ぜひ考えてみて下さい。

詳しくは、次の章で見ていきます。

イエウールのかしこい使い方と不動産会社の選び方

「イエウールは不動産会社が仲介契約を獲得するためのツールである」ことを踏まえて、賢い利用方法を考えていきましょう。

まずひとつ押さえておきたいのは、不動産一括査定サイトの価格差があまり正確ではないということです。具体的に見ていきましょう。

イエウールの価格査定はあまり正確でなかった(体験談)

筆者は大阪と栃木でイエウールを含む不動産一括査定サイトを利用し、そのレポート記事を作成しています。

実際に使用してみたレビューとして、不動産会社の価格査定の50%から75%が不正確であることを以下の記事にまとめました。

あわせて読みたい

では、なぜ不動産一括査定サイトの価格査定が不正確なのかというと、その仕組みそのものに原因があります

不動産一括査定では6から10社のライバルが一斉に価格査定をユーザーに提出します。そのため、少しでもユーザーの気を引くように、本来よりも高い「無理のある査定額」を出すことが常態化していまったのです。

その結果、不動産の査定額が不正確になりました。そういった現状について、詳しくは以下の記事で解説しています。

あわせて読みたい

都市部なら大手不動産会社に「正確な査定」を出してもらう

イエウールを含む不動産一括査定サービスが不動産会社のために存在し、査定額があまり正確でないことについて説明してきました。
そこで筆者は、大手不動産会社が対応している都市部であれば、まず大手に査定額を出してもらうのが良いと考えています。

  1. 大手不動産会社はしっかりした価格査定システムを導入している
  2. 不動産会社はコンプライアンス体制がしっかりしており、怪しい査定書を作成しにくい

そのため、大手不動産会社の場合、価格査定が正確であるといえます。

実際に筆者がレビュー記事にまとめた事例でも、大手不動産会社が最も正確な価格査定を出してきました。

そして、大手不動産会社の中でも唯一「正確な価格査定」を前面に打ち出す、三井のリハウスをまず試してみることがベストだと考えます。

上記の公式サイトでも、三井のリハウスは「正確な価格査定」を打ち出しています。

また、三井のリハウス(三井不動産リアルティ)は、現在のレインズの前身となる不動産流通システムを作るなど、不動産流通の近代化に大きく貢献してきたという実績があります。

詳しくは以下の記事で確認してみてください。

あわせて読みたい

大手不在の「地方エリア」では一括査定を利用すべき

大手不動産会社にも弱点があります。ほとんどの大手不動産会社が都市部に集中しており、地方には対応していません。

たとえば、栃木県の県庁所在地である宇都宮市でも、大手不動産会社の支店は見つけられませんでした。

こういったエリアでは、中小の不動産業者や地元の不動産業者の中から優秀な会社を探す必要があります。

イエウールを含む不動産一括査定サイトは、こういった場面で活躍してくれます。

査定額そのものはあまりあてにせず、連絡をしてきた不動産会社の担当者の人物を重視し、できるだけ信頼のおける不動産会社を選ぶようにしてください。

筆者が考える不動産一括査定サイトのおすすめランキングについては、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい

実は、地味に見えるリガイドが最も地方に強いという傾向があります。そこで、まずはリガイドから試してみるのがおすすめです。

イエウールの運営会社は不動産会社ではない

株式会社Speeeホームページキャプチャ
株式会社Speeeホームページより

イエウールを含む不動産一括査定サイトの運営会社は、不動産会社ではありません。ほぼすべての運営会社はIT企業であり、インターネットやテクノロジーに詳しいものの、不動産には詳しくありません。

筆者は現在、不動産の知識を活かしてウェブライターやエディターとしても活動していますが、IT系のクライアントで不動産に詳しい方を見かけたことはありません。

そのため、イエウールを含む不動産査定サイトの運営元は、不動産価格査定の正確性を担保することができないのです。

その結果、不動産一括査定の査定額が不正確になってしまっている現状については、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい

まとめ

もし、イエウールなどの不動産一括査定サイトを利用して「自分の家の価値を正しく知りたい」というのであれば、それより先に、大手不動産会社に査定を出してもらって下さい。

一括査定は競争が激しく、正確な査定額より「高めの査定額を出してユーザーの気を引く」という傾向があります。

そのため、筆者のテストでも、査定額はあまり正確ではありませんでした。

しっかりした価格査定であれば、業界で唯一、公式サイトで「正確な価格査定」を打ち出している三井不動産リアルティ(三井のリハウス)がおすすめです。

一方、大手が対応していない地方エリアでは、不動産一括査定サイトを利用して優秀な地元不動産会社を探す必要が出てきます。

地元不動産仲介会社の選び方

地元の小規模な不動産会社は、アフターサービスや査定の正確さでは大手不動産会社にかなわない傾向があります。

しかし、地元ならではの強みもあります。

  1. 自社の近隣・周辺の物件や市場価格に詳しい
  2. 小規模な仕事でも快く引き受けてくれる傾向がある
  3. 扱いが難しく時間がかかる物件でも対応してくれる場合が多い

こういったメリットを生かせるように、なるべく多くの不動産会社とコンタクトを取り、そのなかから信頼性の高い会社を選ぶようにしてください。

あわせて読みたい

地方に強いリガイドがおすすめ

不動産一括査定を選ぶ際、「登録不動産業社数4000社!」などといった、公称の数字はあてになりません。休眠会社も数に入れている一括査定サイトもありますし、会社数でなく店舗数を表示して水増ししているケースもあります。

その点、筆者は全国7つの都市で、対応不動産会社数をテストしてみました。

結論として、地方で最も優秀なのはリガイドでした。そこで、公称の数字にまどわされず、まずはリガイドから試してみて下さい。

その他の一括査定サイトについては、以下の記事で解説しています。

あわせて読みたい

沖縄県内ならトーマ不動産へ

沖縄県内では、トーマ不動産が正確な価格査定をお出ししています。AIを活用した不動産価格査定システムを採用し、根拠を明示した査定書をお送りします。

また、税制などさまざまな疑問点にお答えできますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

あわせて読みたい

執筆者: 立石 秀彦