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不動産屋が一番嫌がることを宅建士が解説。不動産売買をスムーズに行うコツは?

時と場合によっては、不動産屋に嫌われてもいいケースもあります。

不動産取引において、不動産屋とユーザーの利害が対立する、いわゆる利益相反の状態になることがあるからです。そういった状況では、不動産屋が嫌がるくらい賢くなることも必要です。

もちろん、通常は不動産屋に嫌われることなく、無難に不動産取引を進めた方がうまくいくでしょう。

そこで、この記事では宅建士としての実体験を元に、不動産屋が嫌がる7つのポイントをご紹介します。

要点を押さえ、不動産屋とうまく付き合ってください。

この記事は、宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石が執筆しました。

 不動産屋が嫌がることトップ7

筆者が不動産会社を運営してきた経験や同業者との会話から、これは嫌だなと思った顧客トップ7を紹介します。こういった点を押さえておけば、不必要に嫌われることなく、取引をスムーズに進められます。

1位:売る気がないのに査定させる

不動産の一括査定を利用する人の中には、「全く売る気がないのに値段だけ知りたい」という理由で、価格査定を依頼する人がいます。

不動産屋にとっては全く儲からない上に労力だけがかかるため、こういう人は嫌がられます。

筆者が経験した具体的事例としては、以下のようなケースがあげられます。

  1. 未成年の息子が「親の所有している自宅の値段を知りたかった」という理由で査定依頼をかけたケース
  2. 隣の家がいくらか知りたかったという理由で所有者に無断で査定依頼をしてきたケース

いずれの場合も正当な所有者ではありませんから、査定書をお出しすることはありません。しかし、事前調査で登記簿を取得し、登記名義人を確認する必要がありますから、その分は無駄な費用が出ていきます。

こういった人たちは非常に迷惑です

破産管財人の弁護士さんなどにも「とりあえず査定してほしい」という方がいますが、売却につながらない価格査定であれば有料でお願いしたいところです。

以上の理由から、筆者が考える最も迷惑な顧客は「売る気がないのに査定させる人」です。

不動産の一括査定サイトを利用する前に、ぜひ以下の記事も参照してください。

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2位:書類提出を忘れたり約束を守らない

不動産の売買では、銀行の融資実行と所有権移転登記を同日に行うなど、タイミングを合わせて手続きを進める必要があります。

必要書類の手配を忘れると手続きが止まり、不動産の売買ができなくなることもあります

筆者が実際に経験した事例では、決済当日に買主が印鑑を忘れたという事件がありました。

買主は認め印でいいのですが、その方は珍しい苗字だったため、近くで印鑑を購入することもできず、自宅まで取りに帰ると往復で5~6時間かかる状況でした。

この時は司法書士が機転をきかせて解決しましたが、それがなければ不動産の売買が延期になっていた可能性が高い出来事でした。

このように、重要な書類や提出物を忘れることは、不動産会社だけでなく銀行や司法書士など関係者全員に迷惑がかかる行為です。自分自身も不動産を買えなかったり売れなかったりする可能性があるため、ぜひ注意してください。

なお、売主に必要な書類については、以下のリンクを参照してください。

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3位:言葉遣いが悪く最初からタメ口

なぜかいきなりタメ口で不動産会社に電話をかけてきて「良い物件ないの?探してよ」などと言う人がいます。

しかし筆者の経験では、いきなりタメ口のお客さんはトラブルになりやすく、また売買が成立しにくい傾向がありました。

そこで筆者は従業員に「いきなりタメ口で電話をかけてきた客は追客しなくて良い」と指導していました。

逆に、いきなりタメ口で接客してくる不動産屋にもろくな社員はいないので、その場合はこちらからお断りしましょう。きっと近くにもっと良い不動産会社が見つかります。

不動産会社の探し方については、以下の記事もぜひ参照してください。

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4位:価格が決まった後で再度値切る

指値をしておいて、再度値切るのは最悪の行為です。

それは一般常識ですが、しかし、指値が通ったのにさらに値切ってくる人はいます。こういう人は後々トラブルにつながる可能性が高いので、筆者であれば契約を成立させず流してしまった方が無難だと考えます。

たとえその場で仲介手数料がもらえても、面倒やトラブルに巻き込まれるのであれば、その客とは関わらない方が良いからです。

また、売主さんの立場を考えると、そういう人に買ってもらわない方がいいかなと思います。賃貸の家賃に関しても同じです。

5位:物件について本当のことを言わない・隠し事をする

筆者は、建物内部で所有者が孤独死し、腐乱死体となって発見された物件を買わされそうになったことがあります。

物件を紹介してくれた不動産会社も売主から事情を聞かされていなかったようです。

事故物件だと判明した理由は、近所への聞き込み調査でした。ことの顛末を詳しく知っている女性から「死後1週間以上たって発見された」と聞きました。

仲介をしてくれた不動産会社は非常に恐縮しており、売主から本当のことを聞かされていなかったことに憤慨していました。

こういうケースは、後々トラブルになることが確実です。不動産屋としては、こういったトラブルを避けたいものですから、物件について本当のことを言わない人に関しては非常に困ると考えています。

6位:仲介手数料を値切る

不動産業の中でも仲介をメインとする宅地建物取引業者にとって、仲介手数料は主な収入源であり、場合によっては仲介手数料だけで売上を立てている会社もあります。

仲介手数料を値切られると、不動産会社としては、重要な収入を失うことになります。

これはレストランで飲食代金を値切るようなもので、確実にモチベーションが下がる行為です。

不動産の仲介手数料は、成約価格のおよそ3%が上限で、物件価格に対してそれほど大きな金額ではありません。仲介手数料を値切るよりも、価格交渉を頑張ってもらうなど、本来の業務にモチベーション高く取り組んでもらう方が、最終的にはお得になる場合もあります。

7位:不動産に詳しいと称する友達を連れてくる

物件の内覧時に「不動産に詳しい友達」を連れてくる人がいます。本当に詳しければ良いのですが、筆者の経験上、本当に詳しい人を見たことがありません。

例えば、真夏の暑い時期に「ここは日当たりが悪いから良くない」と言い張る人がいました。しかし、一般に建築士は、真夏の暑い時期は陽が入らず、太陽が傾く冬の寒い時期には日が差し込むように建物を設計しています。

日当たりの善し悪しを、真夏の1日だけ見て判断するのは誤りです。

こういった人は現場をかき回すだけなので「できれば来ないでほしい」というのが本音です。

しかし「不動産屋に嫌われたらダメ」とも限らない

ここまでは不動産屋に嫌われないための方法をリストアップしてきましたが、「不動産屋に嫌われたら絶対にダメだ」とまでは言い切れません。

特に不動産を売却するときは、不動産屋に任せきりにせず、しっかりと不動産屋の仕事ぶりをチェックしておく必要があります。

なぜなら、売却時には、不動産屋と売主の利益が相反することがよくあるからです。

不動産売却時に気をつけておきたい「利益相反」とは?

不動産会社と顧客の利害が対立する場面はいくつか考えられます。その中でも最もハッキリと利害が対立するのは、不動産売却において、図のような状態になったケース。仲介不動産業者に直接購入希望者が来る場合と他社を経由してくる客がかぶった場合です。

図のように、不動産会社Aに直接購入申し込みをしてきた顧客の方が、申し込み価格が低かったとします。このケースでは、売主は不動産会社Bを経由してきたお客さんの方が「家が高く売れるのでありがたい」と考えるはずです。

ところが不動産会社Aの立場に立つと、見え方が変わります。仲介手数料を見てみてください。

 成約価格仲介手数料
買主Aで成約した場合2500万円1,782,000円
買主Bで成約した場合2700万円957,000円

他社を経由せずに直接来た買主で成約すると、売主は200万円損をしますが、不動産会社は約100万円得をします

これが利益相反の実態です。

こういった場面で顧客の利益を優先できる不動産会社は少なく、他社経由の優良な顧客を断り、売主が損をしても、自社の仲介手数料を最大化できる方の顧客を選んでしまうことがあります。

こういった点には注意をしておき、不動産会社の動向を意識的にチェックしておくことをお勧めします。

また、以下の記事で解説している囲い込みに注意し、できるだけ物件情報が広く流通するように注目しておいてください。

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不動産屋の業務内容を理解すれば効率アップ

すぐ上の章で説明した、仲介手数料の仕組みもそうですが、不動産会社の業務内容を理解することで、より好条件で不動産を売買できる可能性があります。

たとえば不動産を購入する場合は、売主から直接媒介契約をもらっている「物元」業者が有利です。物件について詳しく把握していますし、価格交渉時も売主とダイレクトに話ができるからです。

こういったさまざまな知識について、トーマ不動産MAGAZINEでは、随時解説記事を制作しています。気になる話題があれば、ぜひ読んでみてください。

また「こんなテーマで記事を書いて欲しい」といったリクエストは、お問い合わせページからお送りいただくか、記事の下にあるコメント欄でお知らせください。

取引の流れを知り、不動産会社が適切に対応しているか判断

不動産売買において、取引の流れをきちんと押さえておくことは大切です。

不動産屋任せにするよりも、自分で流れを把握し、主体的に取引を進めることには以下のようなメリットがあります。

  • 不動産屋が頼りにならなくても失敗の確率が減る
  • 価格交渉などで主導権がとれて有利になる可能性がある

また、不動産取引の流れをしっかりと押さえておくことで、不動産会社の仕事ぶりを客観的に評価できるようになります。

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普段の仕事と同じくコミュニケーションをとる

普段仕事をしている時は、業務に関するリサーチをしっかりとして、予算に関しても無理のないプランを考えた上で稟議を通し、計画を実行するといった作業をされている人も多いはずです。

しかし、そのように仕事ができるビジネスマンであっても、マイホームを買うときには普段行っている手順をすっかり飛ばして、かなり危険な買い方をしてしまう人も多く見受けられます。

まず、自分の収入に対して返済比率がいくらまでの物件であれば無理なく購入できるのか、万が一状況が変わった場合のリスクヘッジはできているかといった点をしっかりと固めてから、物件を探し始めるというのが本来の手順ではないでしょうか。

自分にいくら借り入れできるのか、そして正しい借入金額の上限はどうかといった点は「モゲチェック」とうサービスを使えばすぐに把握することができます。

モゲチェックは、ほぼすべてのメガバンクやネット銀行と提携しており、銀行の広告費によって運営されています。そのため、正確に借り入れの判断ができ、無料で利用できるのがメリットです。

このようにしっかりとプランを立てた上で、不動産会社に全てを任せるのではなく、不動産会社をパートナーとして利用するというのが、おすすめの不動産購入手順です。

普段の仕事と同じ感覚で不動産会社とコミュニケーションをとれば、より確実に物件購入プロセスを進めることができます。不動産会社をビジネスパートナーとして捉えてみてはどうでしょうか。

不動産取引をスムーズに進めるためのQ&A

不動産取引を成功させるためには、不動産会社との良好な関係を築くことが重要です。以下では、よくある疑問に対して具体的に回答していきます。

賃貸の場合は嫌われてもいい?嫌われない方がいい?

賃貸物件を借りる場合は、なるべく不動産業者に嫌われない方が無難です。なぜかと言うと、たくさんの物件を案内してもらい、その中から良い物件を見つけるためです。不動産業者はレインズなどを見て多くの物件をリストアップできます。その情報量を生かすためにも、不動産業者との関係は良好にしておいた方が良いかもしれません。

ただし、業者によっては自社の管理物件だけを強引に勧めてくるなど、顧客のことをあまり考えていない場合もあります。不動産会社を冷静に観察し、良心的な仲介業務を行っているかを判定するようにしましょう。

不動産屋の対応がむかつく場合はどう対応すべき?

不動産屋の態度が気になる場合は、わざわざそこに仲介を頼まず、他の不動産会社に相談した方が良いでしょう。ただし、田舎の小さな町の不動産屋などの場合は、賃貸管理業務を独占していることもあります。筆者であればそういう場合、多少不便でも隣の市町村でちゃんとした不動産会社を探します。

売買に関しても、売主から直接媒介契約をもらっている会社は、簡単に外すことができない場合もあります。「取引態様」が専任媒介や専属専任媒介となっている場合、その不動産会社が直接売主やオーナーから契約を任されています。一方で仲介等となっている場合、その会社は直接売主やオーナーと話をしているわけではないので、他の会社に相談しても構いません。

不動産投資の場合は不動産屋とどう付き合うべき?

不動産投資には専門的な知識が必要です。そのため、街中で住宅のみを扱っている不動産業者に相談するよりも、不動産投資に関する知識や経験がある会社に相談する方が安心できます。

沖縄県内の場合はトーマ不動産が対応していますので、投資用物件の購入や売却に関しては、ぜひお問い合わせください。

トーマ不動産ではFP有資格者も在籍しており、不動産投資や税制に関する幅広い疑問にお答えできます。専門知識を持つ不動産会社をビジネスパートナーとして捉え、良好な関係を築くことが成功の鍵です。

まとめ

この記事では、不動産屋が嫌がることをワースト7形式で紹介しました。

例えば、売る気がないのに査定をさせたり、大切な書類を忘れたり、最初からタメ口で話したり、指値したのにさらに値切ってきたりといった人は嫌われます。

しかし、これらは不動産取引だけでなく、社会人としてどんな場面でも嫌われる行為です。つまり、社会人としての常識があれば、不動産屋に嫌われることはありません

不動産売買の目的は、不動産をできるだけ高く売却したり、安全な取引を行うことです。そしてそのために、安心してお付き合いできる不動産会社を選ぶことも重要です。

不動産会社の選び方に関しては、以下の記事が参考になります。

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